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大西郷という虚像 「明治維新という過ち」完結篇 の商品レビュー

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10件のお客様レビュー

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2024/05/01

薩摩人の精神性を知りたくて手に取りました。私は西郷隆盛に関しては詳しくなく、過剰な思い入れもないのでその点に関して衝撃はありませんでした(とにかく偉い人だと遠くから褒めそやすより、どこにでもいる人間臭い人、という印象になったので個人的にはむしろ良かったです)。ただ、「長州・薩摩は...

薩摩人の精神性を知りたくて手に取りました。私は西郷隆盛に関しては詳しくなく、過剰な思い入れもないのでその点に関して衝撃はありませんでした(とにかく偉い人だと遠くから褒めそやすより、どこにでもいる人間臭い人、という印象になったので個人的にはむしろ良かったです)。ただ、「長州・薩摩は明確なビジョンがあって倒幕に動いたのではない」と言い切られたのはショックでした。 幕府、朝廷、各藩もそれぞれ一枚岩ではなく、各個人の情によって突き動いており、結果的に倒幕に繋がったという流れがあるので、そのあたりを丁寧に解説してもらえて面白かったです。が、複雑なので一読ではなかなか頭に入りませんね。折を見て再読もしたいですし、他の著作も読みたいと思いました。

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2019/03/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

明治維新、そしてそれを成し遂げた西郷隆盛の実態を描いている。僕たちが習ってきた明治史観は明治政府によって作られた部分が多い。それを一つずつ丁寧に説明している。作者は最後にこう書いて終わっている。 「そして、私たちは、長州を核とする勝者の言に従いその後の時代を「近代」と呼び、今日の行き詰まりを迎えているのである」

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2018/04/15

2018年4月15日読了・ この本に書かれていることが全て真実だというつもりがないが、歴史の常識として歴史を残す側の人間は勝者であることがほとんどで、且つ勝者に都合の悪いことは書かれず、勝者の都合の良いことだけが歴史として残される。 今の日本では資料至上主義が幅を利かせており...

2018年4月15日読了・ この本に書かれていることが全て真実だというつもりがないが、歴史の常識として歴史を残す側の人間は勝者であることがほとんどで、且つ勝者に都合の悪いことは書かれず、勝者の都合の良いことだけが歴史として残される。 今の日本では資料至上主義が幅を利かせており、資料に残っていないものは歴史の真実として認められない傾向が強く、今私たちが教えられている歴史が本当の真実であったかは、全て鵜呑みにし内容が良い。 特に明治維新のゴタゴタは岩倉具視という、ゴロツキ公家と三条実美という、一度朝敵になったにもかかわらず復活を遂げる往生際の悪い奴が維新を起こした様に教えられるが(三条実美はあまり出てこないが)事実は歴史の教科書とは大きく違うこと。 今更だが、岩倉具視と伊藤博文が紙幣の肖像になっていることを子供の頃は何の疑いも持っていなかったが、今となってはマジで「勝てば官軍」なんだなぁと思います。

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2018/01/02

大河ドラマ「西郷どん」放送開始前に読み終えておきたかったので、年末年始に読む。 前二作との重複が多い。出版社が違っているからか、同じフレーズが再利用されている箇所がかなりある。著者自身が左様に釈明しているのでその点は許容範囲か。 タイトル程、西郷隆盛のイメージが一変するようなエピ...

大河ドラマ「西郷どん」放送開始前に読み終えておきたかったので、年末年始に読む。 前二作との重複が多い。出版社が違っているからか、同じフレーズが再利用されている箇所がかなりある。著者自身が左様に釈明しているのでその点は許容範囲か。 タイトル程、西郷隆盛のイメージが一変するようなエピソードなり、再解釈は無かったような気がする。 司馬遼太郎の「翔ぶが如く」を読んだ時の理解不能感は未だ変わらず。複雑な人格なんだろうなと思う。

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2017/06/12

幕末・維新とは何だったのか、長州と薩摩との関係や違いとは? この間の時代に英雄視された西郷とはどういう人間だったか、西郷以外にも大久保、木戸、伊藤達は? 今まで教わってきた歴史観、英雄像が変わる。

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2017/05/12

内容の大半は「過ち」とかぶる。 薩長の人には申し訳ないが、「明治維新は関ヶ原の恨みを果たしたい薩長の詐略を尽くしたクーデターであり、倒幕後のビジョンは全くなかった。 江戸城開放後の会津戦争は賊軍だった長州の私戦であり全く必要なかった」等々、著者の主張には力強い説得力がある。 ...

内容の大半は「過ち」とかぶる。 薩長の人には申し訳ないが、「明治維新は関ヶ原の恨みを果たしたい薩長の詐略を尽くしたクーデターであり、倒幕後のビジョンは全くなかった。 江戸城開放後の会津戦争は賊軍だった長州の私戦であり全く必要なかった」等々、著者の主張には力強い説得力がある。 伊藤、井上の汚職の始末に追われる木戸など、歴史上の偉人として崇めるより、よほど親近感がある。それでいいのかとは思うが。

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2017/01/25

数ある西郷の本を小説の題に都合よいようにまとめた本。 とくに新しい記事はないように思う、虚像の説明も中途半端!

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2017/01/04

福沢諭吉は言った。「西郷の罪は不学に在り」 ・度量が偏狭で協調性がなく、一度敵とみた者はとことん憎む ・粘着性をもち、好戦的で常に独走する ・死の商人グラバーと手を組み、密貿易で長州に武器を渡す ・江戸でテロ集団赤報隊に無実の人々を殺させ、騒乱を創り出す ・グランドビジョンもなく...

福沢諭吉は言った。「西郷の罪は不学に在り」 ・度量が偏狭で協調性がなく、一度敵とみた者はとことん憎む ・粘着性をもち、好戦的で常に独走する ・死の商人グラバーと手を組み、密貿易で長州に武器を渡す ・江戸でテロ集団赤報隊に無実の人々を殺させ、騒乱を創り出す ・グランドビジョンもなく討幕に突き進む という表紙裏の文言が全てを物語っている。 結局、大義もなく恨みだけで幕府を倒したけど、新政権連中の金銭欲と権力闘争の汚さが許せなくて仲違いして、負けを覚悟で再度政権とケンカしたって事になるのかと。 龍馬と双璧をなす人気偉人をここまでこき下ろすのも勇気がいるだろうが、その内容についてはそれなりの説得力がある。内容的には、西郷ってのは頭は悪くてケンカ好きの乱暴者だけど、面倒見がよくて多少の正義感はあって、カネや権力には興味がない清廉さはある。という他の維新要人に比べればマシな人という賛辞?に結果的にはなっているような。 歴史とは表面的には人間の行動記録に過ぎないが、人をその行動に駆り立てた本性がどういうものであったかを洞察する事を重要視する著者の歴史へのアプローチは性格および動機に焦点を当てるものであり、単なる資料分析に留まらない説得力がある。 でも、そこにフォーカスしてしまうと「結局、人間なんてどうしようもない生き物」という結論ばかりで、結果ニヒリズムになってしまうのだが、それも歴史として直視する必要があるのかなとは思う。 過去2作と比べて気負いもなく、3部作の中ではイチバンよいです。著者の論調に慣れただけなのかもしれないですが。

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2016/11/23

西郷隆盛に対するネガティヴな評価はタブーとされる雰囲気がありますが、ボクらが教えられる歴史は、全てある時期を一方的に描かれているものだとあらかじめ感じました。 事実を積み上げれば見えてくる新たなる真実も全ては嘘と言い切れず、人間の二面性や隠されたり作られた歴史もそれは真実と言え...

西郷隆盛に対するネガティヴな評価はタブーとされる雰囲気がありますが、ボクらが教えられる歴史は、全てある時期を一方的に描かれているものだとあらかじめ感じました。 事実を積み上げれば見えてくる新たなる真実も全ては嘘と言い切れず、人間の二面性や隠されたり作られた歴史もそれは真実と言えるのではないかと思いました。 西郷をもう一度自分なりに検証して改めて評価していかなければならないと思いました。

Posted byブクログ

2016/09/12

福沢諭吉、西郷の罪は不学にあり、 官と賊とを往復した男 幕末維新維新における勝者であったのか、それとも敗者であったのか? 明治22年、大赦、正三位、 明治31年、上野に銅像、 この奇異な現象? 長州閥の後ろめたさ、 権力と富と汚濁、

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