変える の商品レビュー
SEALDs創設メンバー奥田愛基の自叙伝。この団体が好きになれなかったが、正直、素性は知らない。だから知ろうと思った。論説が稚拙な活動家は、デモクラシーにおいてはノイズだ。私は彼らを、何か分からないが鬱屈とした気分を抱え、日本を変えなければならないという義務感を持つ、自己特別視に...
SEALDs創設メンバー奥田愛基の自叙伝。この団体が好きになれなかったが、正直、素性は知らない。だから知ろうと思った。論説が稚拙な活動家は、デモクラシーにおいてはノイズだ。私は彼らを、何か分からないが鬱屈とした気分を抱え、日本を変えなければならないという義務感を持つ、自己特別視に満ちた典型的若者集団と見なしていた。活動が自己目的化したエネルギー主導型。嫌な意味ではない。皆んながそのような傾向にあるのだから。しかし、彼らが違うのは、行動力が備わっている点。 世代を総括したつもりになるのはナンセンスと思うがしかし、ある世代を想像する手法に、その世代のヒーローを思い浮かべる事が有効だ。その世代のタレントや映画俳優、音楽や漫画が、彼らを形成し、同じ文化圏にある彼らはある類似性を有す。自らを特別視したいから、人とは少し変わった経歴がステータス。とりわけ自慢は海外の苦労話。これは世代に限った事ではない。まあ、こんなことは取るに足らぬ。妙な活動家じゃなければ。 彼らの言う特定秘密保護法案の是非は多いに議論したら良いと思う。しかしーSEALDsのメンバーには改憲派も護憲派も両方いる。ただ立憲主義という根本は覆してはならないということでは一致している。だからもちろん現政権には反対だー???憲法内に改正手続きが定められているし、立憲主義に関して議論があるのは分かるが、護憲派も抱えたら、ただの仲良し集団では。いや、よそう。詮無いことに思える。 唯一共感したのは、彼がブルーハーブによって衝動を得ているシーンだ。彼もまた、その世代なのだろう。
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方向性ややり方云々は一概に良いと言えることばかりじゃないのはあった上で、若者が自分の頭で考えて行動する、ムーブメントを起こすというのはとても大切なことだと思っている。 間違っていたとしても声を上げること自体を私たちは批判できないはず。 そうは言っても世間は甘くなく、現実も甘くはな...
方向性ややり方云々は一概に良いと言えることばかりじゃないのはあった上で、若者が自分の頭で考えて行動する、ムーブメントを起こすというのはとても大切なことだと思っている。 間違っていたとしても声を上げること自体を私たちは批判できないはず。 そうは言っても世間は甘くなく、現実も甘くはなく。 現実を見つめて受け入れて、それでも「ここから始める」で行動し続ける。 当たり前だけど、希望的観測で行動したり無駄に絶望したりすることなくそれをし続けることってめちゃくちゃ困難な事で。 注目が集まれば集まるほど、下手な行動が出来なくなっていく中で、バランスをとってできることを最大限にやる、やりきる。これがどれほど困難なことなのか、私にはわからないけれど、本書を読むことで少し、ほんとにほんの少し、追体験をできた気がする。 明日からも絶望せず淡々と「少しマシ」な未来に向かって生きていこう。そんな読後感でした。
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二十歳そこそこで社会に対して声をあげ、大きなチカラに立ち向かった姿は、かつての川田龍平さんを連想します。 「被害者」とそれを取り囲む「支援者」という関係ではなく、強固に構成された仕組みそのものを変えようとするひとたちを集めたことは、素直に尊敬します。 ネットの中では、好き勝手に...
二十歳そこそこで社会に対して声をあげ、大きなチカラに立ち向かった姿は、かつての川田龍平さんを連想します。 「被害者」とそれを取り囲む「支援者」という関係ではなく、強固に構成された仕組みそのものを変えようとするひとたちを集めたことは、素直に尊敬します。 ネットの中では、好き勝手に叩いていいひと、の扱いになってしまっているのかもしれません。でも、間違いなく、日本の空気をねじ曲げて変えた功績を、歴史が評価するはずです。 運動そのものを目的とせず、「日常に帰れ」とオトナたちに言われず、自ら活動を止めたことを尊敬します。
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シールズというと胡散臭さが漂っていたけど、彼らがどういう意思を持ってやってたのかを知れてよかったし、学生時代に何かを感じ行動に移していた彼らが羨ましくも感じるもんだ。
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イッキに読んだ。 あの、国会前の大規模なデモは、まだ去年のことなんだよね。 時間の感覚が、一瞬、分からなくなった。 愛基くんとは会ったことがある。 一緒に記念撮影した。 なかなか生意気なカンジで、強い攻撃性を感じた。 図太く、フテブテしい性格。 と同時に、非常に繊細で、もろく...
イッキに読んだ。 あの、国会前の大規模なデモは、まだ去年のことなんだよね。 時間の感覚が、一瞬、分からなくなった。 愛基くんとは会ったことがある。 一緒に記念撮影した。 なかなか生意気なカンジで、強い攻撃性を感じた。 図太く、フテブテしい性格。 と同時に、非常に繊細で、もろくて壊れてしまいそうなデリケートな人。
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映画「わたしの自由について」をアップリンクで鑑賞してきた。3時間近い大作だが前評判通り飽きさせない内容だった。SEALDsの結成期から内部にカメラが入り込み、日常や抗議活動の準備の様子などが淡々と映し出されたドキュメンタリー作品だ。猛スピードで影響力と動員を上げていくこのムーブメ...
映画「わたしの自由について」をアップリンクで鑑賞してきた。3時間近い大作だが前評判通り飽きさせない内容だった。SEALDsの結成期から内部にカメラが入り込み、日常や抗議活動の準備の様子などが淡々と映し出されたドキュメンタリー作品だ。猛スピードで影響力と動員を上げていくこのムーブメントの渦中に、あまり高揚感を感じていないメンバーの姿と、とにかくよく本を読み勉強をする姿が印象的だった。健全で健康な毎日を送ることを最優先の土台とし、やらなくてはいけないことを地道に淡々と遂行している。 SEALDsは政治を考える機会を与えたのではなく、そもそも日常と政治は分断できるものではなく、同義に近い延長線上にあるものだと認識させた。あなたの毎日の話だと。 本書はSEALDs創立メンバー、奥田愛基による単著だ。 北九州の出生から現在に至るまで、よりパーソナルな側面に踏み込んだ内容となっている。 ただSEALDs周辺の動向を追っている人間であれば、既にどこかで読んだり聞いたことのあるトピックが多い。それだけこの23歳の学生の素性と思いは大きく広まったのだと思う。 本書のアマゾンのレビュー欄には早くも明らかに悪意ある書き込みが並んでいる。この一年間、こうした匿名性の書き込みを目にする機会は日常となった。ヘイトは根深い承認欲求の裏返しだと思う。匿名となるとなおさら出口がない。 果ては殺害予告。 「主権在民」「民主主義を守れ」。真っ当な政治主張を路上で行っただけで殺害予告が届く。90年代に生まれた彼らの世界は確かに絶望が常態化しているのかも知れない。 明治学院大学に届いた殺害予告の汚い文字を見て、奥田自身がかつての自分を犯人に投影するエピソードが興味深い。 中学校時代のひきこもり生活と希死念慮、「全員死ね」「世界終われ」と終末観に囚われ自殺を図った自分自身。一歩、間違えればあっち側だった。何がそれを分けたのか、本書はその理由の一端を俯瞰的に眺めることが出来る。 困難な時代にこそ希望を。
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SEALDsメンバーである奥田愛基さんが初めて書いた単著。奥田さんのこれまでの歩みやその中で感じ考えてきたことを振り返った本、一気に読みました。 あれこれ論評するということは、必要ないと思いました。この本を読んで、奥田愛基さんという人と、彼と一緒にいる人たちのことを感じることが...
SEALDsメンバーである奥田愛基さんが初めて書いた単著。奥田さんのこれまでの歩みやその中で感じ考えてきたことを振り返った本、一気に読みました。 あれこれ論評するということは、必要ないと思いました。この本を読んで、奥田愛基さんという人と、彼と一緒にいる人たちのことを感じることができたらいいのではないか。そこから、読み手である自分自身に振り返って考えることができたらと思いした。 お勧めします^_−☆。
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