火山学 新装版(Ⅰ) の商品レビュー

ハンス・ウルリッヒ・シュミンケ(著者),隅田まり(訳者),西村裕一(訳者)

2020/07/22

我々人類がこの地球という惑星で生活している以上火山という存在を無視することはできない。日本でもプレートの沈み込み帯に位置していることから多くの火山が存在している。日本三名山である富士山、白山、立山などの雄大な火山や日本で一番透明度が高いとされる北海道の摩周湖や熊本県の阿蘇山に見られるカルデラと呼ばれる美しい火山地形などは日本人にとって身近な存在であるだろう。一方、美しさとは反対に危険も存在する。過去には雲仙・普賢岳や御嶽山などの噴火による事故で多くの人が亡くなっている。このように火山は我々日本人に大きな影響を与えている。にもかかわらず、火山について学ぶ人は少ないと感じる。センター試験では理科４科目の中で地学を選択した受験者は毎年1％にも満たない。私自身も小学校、中学校では地学については軽く学んだ程度で高校にいたっては勉強をしたことがなかった。もちろん他の科目も大事であるが地学は物理、化学、生物すべてを取り込んでいる立派な学問である。ぜひ人々には地学(火山)に興味を持ちこの学問を学んで欲しいと思う。そして勉強し始める最初の一冊に適しているのがこの火山学である。この本はこの地球の地下でなにが起こっているのか、火山はどのように形成されどのような仕組みで噴火をするのか、火山がどのような地形をつくるのかなど火山に関することが写真やイラスト共にわかりやすく解説されている。ぜひこの本を手にとって火山学を学ぶ上での第一歩にして欲しいと思う。　（地球惑星科学コース　4年）