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保守主義とは何か の商品レビュー

3.7

29件のお客様レビュー

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2019/12/29
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※このレビューにはネタバレを含みます

まったくね、俺はなんだってこういう本をクリスマスに読んでいるのだろうな・・イブに購入する際、店員の方が必死な 形相で(俺にはそう見えました)「またのご利用を・・!」  本って現実を豊かにするためにあるだろうなと。だけどな こういう街の賑わいを背にするとちょっと切ないですがな! 書評ですが・・・ 普通に読み易い文章ですよね。細かい点はいずれ後に・・・ なんというか、出来の良い学生さんのレポートを拝読して いるような気持ちになりました。 歪みが見当たらないのが最大のアレなんだと思います。 行間に思いの丈を込めるというタイプではありませんが。 敢えて思想的な偏りをなくしていると言いますか。

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2018/10/29

保守主義の定義はいろいろあるとしても、自分にはハイエク的保守、すなわち理性を絶対視する傲慢な革新主義者/集産主義者に対する批判としての見方が最もしっくりきた。特定の個人や組織に社会全体の情報をすべて把握できるのかという懐疑は健全と思う。自生的秩序に基づく自由の実現がこの考え方の核...

保守主義の定義はいろいろあるとしても、自分にはハイエク的保守、すなわち理性を絶対視する傲慢な革新主義者/集産主義者に対する批判としての見方が最もしっくりきた。特定の個人や組織に社会全体の情報をすべて把握できるのかという懐疑は健全と思う。自生的秩序に基づく自由の実現がこの考え方の核心となる。

Posted byブクログ

2018/10/23

東大の政治思想史の専門家が、保守主義について述べたもの。歴史上の思想家、哲学者、政治・経済学者によるさまざまな考え方を紹介し、保守とは何かを追及している。いろいろな変遷を経て現在に至っていることを理解した。学術的で説得力があり有意義な本であった。 「かつて間違いなく、人々が進歩...

東大の政治思想史の専門家が、保守主義について述べたもの。歴史上の思想家、哲学者、政治・経済学者によるさまざまな考え方を紹介し、保守とは何かを追及している。いろいろな変遷を経て現在に至っていることを理解した。学術的で説得力があり有意義な本であった。 「かつて間違いなく、人々が進歩を信じていた時代があった。昨日より今日、今日より明日と、社会は良いものになっている」piv 「自分の家族や仲間、地域コミュニティ、その歴史や文化、技能や伝承、さらに自然環境や景観などを、人は守ろうとする。そして何かを守ろうとするとき、人は少しだけ、勇気や誇りを感じる」p5 「(アンソニー・ギデンズ)伝統ですら、その根拠を示さなければならないのが現代である。グローバル化が進み、多様な人々がともに暮らす現代社会で、何が伝統であり、何が権威であるかは、当然ながら自明性を失う」p7 「(エドマンド・バーク)革命とは、すべてを更地にして、その上に理想的な政治制度を、一から作り直そうとする試みである。とはいえ、そのような急ごしらえの建物が堅固なものになるはずがない。むしろ、もともとあった美点すら失い、やがてすべてが崩壊してしまう。そのようなバークの予言は、ジャコバン派の恐怖政治とナポレオンの独裁によって実現することとなる」p11 「(エドマンド・バーク)通常、習慣といえば、無思考的な同一パターンの繰り返しと理解されがちであるが、社会を構成する多様な集団に自らの役割と任務を教え、偏見の中に秘められた知恵を形にするのは習慣である。人間は習慣という衣をまとうことではじめて人間となる」p59 「(ハイエク)社会の複雑性を無視して単一の目的を押しつけてはならない。特定の人間の意志ではなく、価格という非人格的なメカニズムの支配が望ましい」p89 「ハイエクが問題としたのは、自分はすべてを把握しているという人間の傲慢さであった。彼はフェビアン協会を主導したウェッブ夫妻など、社会主義に共感を示す当時の英国知識人にその種の傲慢さを見出した」p90 「制度や習慣はつねに歴史の中でふるいにかけられ、そこで生き残ってきたものである」p91 「(マイケル・オークショット)人間にとって大切なことは、自己のめぐり合わせに対して淡々としていること、自己の身に相応しく生きていくこと、自分自身にも自分の環境にも存在しない一層高度な完璧さを、追及しようとはしないこと」p98 「間違いないのは、アメリカが現代の先進国で例外的に宗教的な国家であるという事実である。しばしば指摘されるように、アメリカでは90%を超える人々が神、または普遍的な霊魂の存在を信じている。特に人口の約8割を占めるのはキリスト教徒であり、その多くは神による天地創造を信じていて、むしろ進化論を支持する人間の方が少数派である。このような数字は、世俗化の進んだ他の先進諸国には見られないものであり、アメリカの顕著な特徴となっている」p119 「(トクヴィル)アメリカ社会を支えているのは、一握りの知的エリートではない。地位も学歴もないけれど、生活に根ざした健全な判断力を持つ普通の人々こそが、アメリカ社会の根底にある」p122 「特殊利益団体はひとたび生まれると、自らの存続を自己目的化してしまうのである。権限をもった官僚たちもまた、国家全体の利益よりは、自らの組織の発展を考えるようになる。政府の役割は止めどもなく拡大していく」p130 「(ロン・ポール)政府の権限の拡大と増税による個人の経済的自由を厳しく批判するポールは、政府の力を借りて、他人の税金によって自らを豊かにすることを「合法的な略奪」と呼ぶ。連邦政府の権限は憲法によって定められた最小の規模にすべきであり、政府の支出は必要最低限でなければならない」p136 「アメリカの伝統的な保守主義は孤立主義の傾向が強い」p144

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2018/03/03

進歩主義に対立する概念としての保守主義。しかし、進歩主義が停滞する中で保守主義も相対的な価値だけでは意義を持たなくなりその対立概念を模索する中で変節してきている。そもそも保守とは何を保守するのか?をバーグやエリオットからフリードマンに至るまでの主張を示しながら説明してくれており非...

進歩主義に対立する概念としての保守主義。しかし、進歩主義が停滞する中で保守主義も相対的な価値だけでは意義を持たなくなりその対立概念を模索する中で変節してきている。そもそも保守とは何を保守するのか?をバーグやエリオットからフリードマンに至るまでの主張を示しながら説明してくれており非常にわかり易い。その中で我国の状況は伝統や歴史に謙虚である側面が極端に弱まっており、傲慢さを感じざるを得ない。保守が持つ多様性を包摂する構えに期待したい。

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2018/01/27

保守主義は伝統や慣習に固執する考え方だと思っていたが,この本ではバークをベースにしながら,伝統や慣習などを重視しつつ漸進的に改革していく考え方と定義されていたように思う。こうした保守主義は参照するところがあると思った。

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2017/10/09

リベラリズムやポピュリズムに比べ焦点の当てられることの少ない保守主義について取り上げた一冊。 どちらかといえば地味な立ち位置であるため、目を向けにくい部分ではありますが、これまで語り継がれてきた「伝統」を守るという意味で必要な考え方かもしれません。 主義というと凝り固まった考え方...

リベラリズムやポピュリズムに比べ焦点の当てられることの少ない保守主義について取り上げた一冊。 どちらかといえば地味な立ち位置であるため、目を向けにくい部分ではありますが、これまで語り継がれてきた「伝統」を守るという意味で必要な考え方かもしれません。 主義というと凝り固まった考え方になってしまいますが、進歩主義と保守主義の良いところを抽出した見方を持つことが重要だと感じました。

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2017/06/25

進歩主義に対抗して生まれた保守主義は、それゆえにその内容は不明確な部分が多く、何なのかが分かりにくいところがあります。それは何故なのかについて、その歴史的な成り立ちを解説することで解かれています。時代時代でその主人公は変わりますが、保守たる意義を受け継いで、保守の定義を守り続ける...

進歩主義に対抗して生まれた保守主義は、それゆえにその内容は不明確な部分が多く、何なのかが分かりにくいところがあります。それは何故なのかについて、その歴史的な成り立ちを解説することで解かれています。時代時代でその主人公は変わりますが、保守たる意義を受け継いで、保守の定義を守り続けること、これが弛まなく続いて来たのだと分かります。保守というが何を守っているのか。本書を読むことで彼らの成さんとするところを知ることができました。

Posted byブクログ

2017/05/14

保守とは昨今人口に膾炙する言葉ではあるが、定義するのはなかなか難しい。そんな中で、保守主義についてコンパクトにまとめた本。特に日本の保守主義についての部分が示唆に富む。

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2017/03/03

名著。 保守主義の祖であるエドマンド・バークの思想から説き起こし、保守主義とは何か、保守主義と伝統主義、復古主義、原理主義との違いを明確に説明している。 その後の保守主義の世界的な流れも押さえ、明治以後の日本に保守主義はあったのか、丸山真男と福田恆存の議論を引きながら検討する。 ...

名著。 保守主義の祖であるエドマンド・バークの思想から説き起こし、保守主義とは何か、保守主義と伝統主義、復古主義、原理主義との違いを明確に説明している。 その後の保守主義の世界的な流れも押さえ、明治以後の日本に保守主義はあったのか、丸山真男と福田恆存の議論を引きながら検討する。 保守とは何かを守るものだが、その「何か」が明確ではない現代においての保守主義の難しさが明確になる。 現在の保守主義者の多くは「自称」に過ぎないことが分かるはずだ。過去や伝統が自明でない時代に、何を守るのか、自分に問いかけるためにも参考になる。

Posted byブクログ

2017/03/02

これまでいい加減に考えてきた、保守、革新、右翼、左翼ったものについて、ちゃんと整理できてよかったと思います。 その上で保守についてのイメージがだいぶ変わりました。守るべきものは何か、そしてそれは、どういう歴史的経緯で守るべきとされているのか、その自覚がなければだめなのですね。

Posted byブクログ