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自民党ひとり良識派 の商品レビュー

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9件のお客様レビュー

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2023/10/05

村上誠一郎さんの考え方や価値観は、至極真っ当だと思う。 「第2次安倍政権が誕生してからというもの、かつてのよき自民党の姿は消えつつある。」 これは、安倍政権が独裁色を強めてきた2016年に自民党議員の村上誠一郎さんが発した言葉。 時の総理を名指しで、「やっていることは間違いだ...

村上誠一郎さんの考え方や価値観は、至極真っ当だと思う。 「第2次安倍政権が誕生してからというもの、かつてのよき自民党の姿は消えつつある。」 これは、安倍政権が独裁色を強めてきた2016年に自民党議員の村上誠一郎さんが発した言葉。 時の総理を名指しで、「やっていることは間違いだ」と批判する自民党の政治家は村上誠一郎しか知らない。 石破茂や河野太郎や小泉進次郎ですら口を閉ざすことを平気で言う。 近年発言を控えがちな小泉進次郎には「言うべきことを言う信念を持った政治家であって欲しい」と苦言を呈している。 小泉純一郎も「自民党は総理に何を言おうが自由だった。ただ、決まれば従う。今は決まる前から総理のご意向に黙っちゃうから、おかしいよね」と言っていた。 村上誠一郎さんが最も憤慨しているのが、【集団的自衛権の行使容認】を"憲法解釈の変更"で決めてしまったこと。 自民党60年の歴史の中で、議論の末に憲法9条に反すると結論付けていた「平和主義」をあっさり捨ててしまった。 時の首相によって安易に法律を変えることができる実績をつくってしまった。 プーチンが兵役義務の招集令状を出しているように、日本もこれからは閣議決定ひとつで若者が戦場に送り込まれる可能性ができたということだ。 安全保障とは「敵を減らし、味方を増やす」外交努力にかかっている。 外交努力を怠って、集団的自衛権を行使することで物事を解決しようとする政治は危険。 もう一つ挙げれば、【特定秘密保護法】の関係政令や運用基準を"閣議決定"で決めてしまったこと。 特定秘密保護法は国民の知る権利をはく奪するものだ。 政治家は、特定秘密保護法を適用して質問に応えなくてよいという逃げ道が使えるようになる。 集団的自衛権も特定秘密保護法も日米安全保障条約と密な関係があり、アメリカの言いなり感が強い。 2016年出版なので、アベノミクスや安倍政権が行って来たことへの意見が当然多くなっているが、 小泉政権や民主党政権での失敗なども振り返っており、安倍政権の批判本ではない。 自民党の議員が自分の意見を言わなくなったことを批判している本だ。 この10年程の自民党の内情がよく分かる。 結局のところ、議員は次の選挙で当選するためには、どう行動するのが良いかを気にして、政策より政局重視になっている。 議論をして実施する政策を決めるという、政治のプロセスを取らない方針決定が増えている。 派閥内での勉強会も減り、若手議員も育っていないようだ。 こんな政治家が増えてしまった原因は、現在の選挙制度である小選挙区比例代表制にあるようだ。 党の公認候補になれば、選挙で(某宗教団体のような)固定票が見込める。 選挙区で落選しても、比例代表順位が上位なら復活当選できる。 選挙制度を変えないと、政治家の行動は変わらなそうです。

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2020/05/07

政治は政策本位で選ぶ必要があり、政治家は政策立案能力を磨くことの重要性が訴えられている。 しかし、現在の自民党は、政策の議論が出来ず、総裁による独裁状態であることが本書を読むとわかる。 現在の政治体制の問題点を把握したい人におすすめ。

Posted byブクログ

2018/05/13

小生は「リベラル」を自称しているが本書には共感した。 著者はテレビ「時事放談」でよく拝見し、その持論や人となりをよく存じ上げている思いがある。 昨今の安倍官邸に辟易する中で、本書には安心と希望の灯りを感じた。 小生の支持するリベラルは所詮社会では少数派でしかない。現実の政治は不...

小生は「リベラル」を自称しているが本書には共感した。 著者はテレビ「時事放談」でよく拝見し、その持論や人となりをよく存じ上げている思いがある。 昨今の安倍官邸に辟易する中で、本書には安心と希望の灯りを感じた。 小生の支持するリベラルは所詮社会では少数派でしかない。現実の政治は不満はあっても自民党に任せざるを得ない。 願わくば著者の様なバランスのとれた政治家が政界に増えてほしいと心から思った。 自分で「良識派」という人間に良識派はいないというのが通例だが本書は数少ない例外のようだ。一気に読み終えた。 2018年5月9日読了。

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2018/03/24

いささか自己弁護的に過ぎる点やノスタルジィ(昔は良かった論)に傾斜している点など、100%納得できる内容とは言い難い。それに、1章~3章で展開される安倍政権への批判にしても、これまで野党やジャーナリストたちによって指摘済みな内容であり、既視感が拭えなかった。むしろ興味深かったのは...

いささか自己弁護的に過ぎる点やノスタルジィ(昔は良かった論)に傾斜している点など、100%納得できる内容とは言い難い。それに、1章~3章で展開される安倍政権への批判にしても、これまで野党やジャーナリストたちによって指摘済みな内容であり、既視感が拭えなかった。むしろ興味深かったのは後半。小泉政権時代を振り返る4章、ネガティブイメージのある「派閥」や「官僚主導」の良い面を主張する5章・7章、「対案」を提示するラストの第8章はかなり得る物が多く感じた。 それで……。 刊行からすでに1年半が過ぎた。それで安倍政権がどうなっているかというと、本書で村上代議士が挙げた問題点とあまり関係がないモリカケ疑惑でシッチャカメッチャカになっている。なんともはや(村上代議士、モリカケ疑惑に関してもかなり気勢を上げてらっしゃいますなぁ)。

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2017/09/02

書いてあることはしごくまっとうなのだが、これが行われていないなら自民党は大問題ということになる。 いまの二回生議員や、そもそも自民党の議員の「職に対するモラルのなさ」は大問題である。たしかにだましだましではあるが公害対策や男女平等、憲法を変えずに来た(これは3分の2という大きな壁...

書いてあることはしごくまっとうなのだが、これが行われていないなら自民党は大問題ということになる。 いまの二回生議員や、そもそも自民党の議員の「職に対するモラルのなさ」は大問題である。たしかにだましだましではあるが公害対策や男女平等、憲法を変えずに来た(これは3分の2という大きな壁があるが)、その他の功罪双方あるとはいえ政治を担ってきたのは自民党であった。当時の政治家は政策の勉強をし、忌憚ない議論がなされてきたそうだ。 その自民党の「よさ」なるものが、「政治改革」の名のもとにすべて吹っ飛ばされてしまったと嘆いているのだろう。角を矯めて牛を殺すと言いたいのだろう。しかし次第に世論の支持を失ってしまった、そのことについて、どう思っているのだろう・・・?

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2017/08/04

村上氏は特定秘密保護法、公務員法の2014年改正、集団自衛権の閣議決定、安保法案に一貫して反対してきている。この著の発刊後も今年の共謀法案への反対を主張していたことも知っている。アベノミクスが破綻していることもこの著書の中で明確に宣言している。野党の主張のように感じるほど痛快な主...

村上氏は特定秘密保護法、公務員法の2014年改正、集団自衛権の閣議決定、安保法案に一貫して反対してきている。この著の発刊後も今年の共謀法案への反対を主張していたことも知っている。アベノミクスが破綻していることもこの著書の中で明確に宣言している。野党の主張のように感じるほど痛快な主張である。「丸山眞男先生の無責任の体系論は、安倍首相、自民党の全政治家に読み直してほしい」とまで書いている。三木武夫、河本敏夫の系譜を継ぎ、平和主義・リベラルな立場に立つ人だ。自民党の中にこのような良識的な人物が未だに残っているということは心強い次第だが、逆に言うと1人しかいない!のは恐ろしいことだと心細くなる。谷垣禎一氏や小泉進次郎氏はなぜ口を閉ざしてしまったのか!村上氏が愛媛2区で、今話題の今治市を選挙区としているというのは、何とも皮肉なことである。著者は過去の三角大福中、竹下・宮沢時代の良き自民党の伝統を力説し、それを壊したのが小選挙区、小泉改革、郵政選挙だと力説している。これについては、他の要素がないのか、私としてはよくわからない部分。しかし、自民党内の勉強会で若手議員が「勉強会に出席している自分の姿」をアピールするために、スマホで写真を撮り、パソコンに向かうという姿が滑稽!!

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2016/08/31

そもそも自民党はタカ派、ハト派、リベラル、政治の百貨店みたいな政党だった。 中曽根さんはタカ派だったが官房長官がリベラルな後藤田さんだったのが良かったとのことだが、これは田中角栄からの差し金だから、中曽根さんの本意ではないと思う。 清和会は右派。

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2016/08/13

消費税増税10%及び移民政策推進についての村上氏の考え方には私は反対であり、その点でマイナス1評価となる。 しかしながら、今の自民党で安倍首相にこれだけはっきりと異を唱える勇気には拍手したい。気骨のある政治家だ。 小選挙区と公務員法「改正」の問題点を指摘している。 1952年...

消費税増税10%及び移民政策推進についての村上氏の考え方には私は反対であり、その点でマイナス1評価となる。 しかしながら、今の自民党で安倍首相にこれだけはっきりと異を唱える勇気には拍手したい。気骨のある政治家だ。 小選挙区と公務員法「改正」の問題点を指摘している。 1952年生東大法学部卒

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2016/07/19

まず自民党内にありながら、このような勇気ある発言を本にした村上氏を心から応援したいと思った。私は自民党は嫌いだが、彼のような良心の人がまだ自民党内にいることが唯一の救いであり可能性であると思う。村上氏が自民党から出るのではなく(もちろん出ないと思うが)、自民党内に残り闘い続けるこ...

まず自民党内にありながら、このような勇気ある発言を本にした村上氏を心から応援したいと思った。私は自民党は嫌いだが、彼のような良心の人がまだ自民党内にいることが唯一の救いであり可能性であると思う。村上氏が自民党から出るのではなく(もちろん出ないと思うが)、自民党内に残り闘い続けることにこそ意味があり、それをやり続けるのであれば本当に応援したい。そのような良心を持ち合わせた人が、自民党内に少しずつ増えればいいのだが。もう今の暴走を止められるのは、自民党内の良心でしかないのではないだろうか。 今の安倍政権になるまでに小泉政権が果たした負の役割が大きかったということに気がついた。小沢政権による小選挙区制の導入、小泉政権の郵政改革、安倍の特定秘密保護法、公務員法改正、集団的自衛権の行使容認と、現在に至る布石がすでに20年前からうたれていた。そして国民の多くは、それがどのような破滅的影響を与えるのかに十分気がつかないまま、今に至ってしまった。小泉政権の時に直感的に感じた気持ち悪さは、やっぱり本当だったのだなと、この本を読み返して改めて思った。

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