私の浅草 の商品レビュー
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1908年浅草に生まれ、22歳まで浅草で過ごした沢村貞子さん。1989年に女優を引退、1991年海が見える湘南のマンションに転居、1996年没。「私の浅草」、2016.6発行。みんなからお貞(てい)ちゃんと。兄からは貞坊と。3つ上に兄(沢村国太郎)、3つ下に弟(加東大介)。
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「パン屋のしろちゃん」という話が小学校の教科書に載っていたのを読みたくて、掲載されている本を探して手に取りました。借りたのでしろちゃんだけ見て返しても良かったのですが、思いがけず良かったので全部読んでしまいました。1908年生まれの著者が子ども~高校生位の思い出を綴っているものな...
「パン屋のしろちゃん」という話が小学校の教科書に載っていたのを読みたくて、掲載されている本を探して手に取りました。借りたのでしろちゃんだけ見て返しても良かったのですが、思いがけず良かったので全部読んでしまいました。1908年生まれの著者が子ども~高校生位の思い出を綴っているものなので、たかが100年前のことなのに、凄く日々の生活が違う。そして、人間関係・夫婦の在り方なども。それが短い文章でしっかり現されていて見事としか、いいようがない。 母親が見栄の良い浮気者の夫に文句一つ言わずに自分はお多福だからと卑下ているところ、家事のあれこれ、丸髷(まるまげ)を母親が髪結いさんがきて家で結ってもらっている所(みんなどうやって寝ていたんだろう…無理)。おそらく美人だったであろう筆者に懸想した名も知らぬ男性からのアプローチが古風!反応も!バナナの叩き売りなどの江戸っ子口調の描写。また、一つ一つが短くて読みやすいです。
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女優・沢村貞子さんのエッセイ。 生まれ育った浅草の風景、役者になった弟の付き人時代など、自分自身の「女優以前」の思い出を語っている。
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“ジャケ買い”もするし、本好きを知っている友人・知人からいただく書籍も多い。 蔵書も1000冊を超えて(たぶん)くると、「なんでこの本が家にあるのだろう?」という書籍も増えてくる。本書もそんな一冊だ。 著者は、「昔、ドラマに出ていたおばあさん」くらいのイメージ。浅草も特別...
“ジャケ買い”もするし、本好きを知っている友人・知人からいただく書籍も多い。 蔵書も1000冊を超えて(たぶん)くると、「なんでこの本が家にあるのだろう?」という書籍も増えてくる。本書もそんな一冊だ。 著者は、「昔、ドラマに出ていたおばあさん」くらいのイメージ。浅草も特別縁がある土地でもない。が、なぜか年末の大量廃棄にも巻き込まれず、生き残っていた。味わい深いイラストが「持っておきたい」と思わせたのか、よくわからないから「なんでこの本」なのだが。。。 が、読み始めるとはやかった。 今とは違う暮らしぶりが、次々に浮かんでくる。たかだか100年前の話なのに、家はすごく寒そうだし、食べ物にしろ、着るものにしろ、布団も、あらゆるものが手づくりだった。 さすがは第25回日本エッセイスト・クラブ賞受賞作というべきか。 私自身は、あまり「昔はよかった」と思わないどころか、「現代サイコー!」というタイプなのだが、時間の流れがゆったりしていた時代(当時の人は必ずしもそう思っていなかったかもしれないが…)は少々うらやましい。歌舞伎役者の一家なのに、あまりリッチな感じがしないのは、国全体が貧しかったせいかもしれない。 今はもうない浅草の芝居小屋・宮戸座や遊園地となる前の「花屋敷」のエピソードは、貴重な記録でもある。 丸髷(まるまげ)とか、炭団(たどん)とか、令和の時代を生きる人間にはイメージしづらい言葉なのだが、ググったらすぐに写真が出てきた。やっぱり、「現代サイコー!」だ。 続けて著者のことも検索してみたところ、その系譜に驚いた。「昔、ドラマに出ていたおばあさん」は、“華麗なる芸能一族”の一員だったのだ。
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何十年ぶりだろうか。 久しぶりに再読。 今はない下町の暮らしや 人々の心がけ、心映え。 もう、今はないと思われるような 美しい日本の暮らしや 心意気が読んでいて 心地良かった。
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