1,800円以上の注文で送料無料

侵蝕 の商品レビュー

3.6

41件のお客様レビュー

  1. 5つ

    5

  2. 4つ

    14

  3. 3つ

    17

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2023/02/05

おもしろかった。少し胸糞悪くなる内容だけど、読みやすいし止まらなくなる。終盤は特に勢いがあっておもしろかった。最後の終わり方もよかった。もう少し、その先を知りたくなるけど、、小説としてはあの終わり方が一番なんだろうな。

Posted byブクログ

2022/08/28

初めて「角川ホラー文庫」を買って読んだ。  きっかけは「死刑にいたる病」の巻末に載っていた。特別な経緯はありません。ホラー小説と言うだけで、作品を前にしてブルブルと震えながら読み始め、何故か途中で止めようとは思わなかった。  物語:皆川家は現在、女四人で暮らしている。留美子は...

初めて「角川ホラー文庫」を買って読んだ。  きっかけは「死刑にいたる病」の巻末に載っていた。特別な経緯はありません。ホラー小説と言うだけで、作品を前にしてブルブルと震えながら読み始め、何故か途中で止めようとは思わなかった。  物語:皆川家は現在、女四人で暮らしている。留美子は、付き合っていた男性の紹介で小姑たちに、「ふしだらな女」呼ばわりされていた。お腹には既に小さな命が宿っていたからだ。「わたし、絶対に彼と結婚しますから」それから留美子は順調に三人の娘を生んだ。三人目を産んだ九年後、四度目の妊娠で検診の結果、男児だった。  あの日の事故を境に、生活のすべてが一変した。以来、留美子は心を塞ぎ「よき母、よき妻」であることをやめた。―智未(長男)のいない我が家なんて、もう見たくない。  玄関先でうつむいたまま、留美子はため息をついた。小さな爪先が視界に入った。顔をあげる。途端、留美子は目を見開いた。目の前に、四、五歳見当の男の子が立っていた。男の子は「トイレ…貸して、下さい」と言い、留美子は場所を教えたが、男の子は間に合わなくて漏らしてしまった。  両方の拳を握り、その場に立ったまま、粗相をした自分を恥じて声もなく泣いていた。  その姿に、思わず留美子は胸を衝かれた。  ちいさい子に、こんな泣き方をさせてはいけない。子供が他人の前でこんな風に声を押し殺して屈辱の涙を流すだなんて、あってはならないことだ  ひどすぎる。この子の親は、どこでどうしているんだろう。靴も履かずに子供一人で徘徊させているだけでも異常なのに、こんなに痩せさせて、お風呂にも入れず、トイレにも行かせないなんて。  その後交番に届けたが、留美子は、亡き長男のこともあり、親が見つかるまでの間だけ預かることにした。  子供に名前を聞くと「朋巳。山口朋巳」という。  勿論、家族の反対があったことはいうまでもない。事故で亡くなった智未は、留美子に溺愛されていた。朋巳が皆川家に来てから三週間、荒んでいた皆川家は、なんとなく落ち着いてきた。ある雨の日の午後、長女琴美が自宅の軒先に立っている女を目にとめた。何とも言えぬ風貌に、琴美は思わず身を引いた。  皆川家の人たちは、女がⅮVを受けていたと勘づいた。  「あのう、もしどこへも行く当てがないのでしたら、よかったらー」と声をかけてしまったのが悲劇の始まりだった。  朋巳の母、山口葉月が住み着いた。巻末に、この小説は単行本『寄居虫女』を加筆、修正の上、改題し文庫化したものです。と書いていた。  冗談キツイぜ‼  あらま、読書は楽しい!

Posted byブクログ

2022/08/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読み進めるのにとてもエネルギーが必要で、読み終えるのに普段の倍くらい時間がかかりました。 洗脳?マインドコントロール?され、少しずつ侵食され壊れていく様を見るのが本当にしんどかった。 葉月がいきなり呆けた状態になって事件が解決するので、少し唐突で消化不良感があった。 でもそのくらい葉月も切羽詰まった状態だったということなのかな? 葉月が元の肌がわからないほど濃く白塗りをしていたのも、大人は欲しがらなそうなフェイクパールのピンキーリングやビーズ細工を盗んでいたのもそういうことか!と納得。 最後はもう少し、美海と学校の友達や先生とのやり取りが深掘りされていると良かったと思う。 信頼できると思って真実を打ち明けた崎田先生に裏切られたのは本当に辛かっただろうな。

Posted byブクログ

2022/07/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

段々と壊れていくさまが怖くて飛ばしてしまった まだミステリーは早いみたい 内容としては段々と崩壊していく家族と最後に別サイドの目線でフィニッシュ 個人的には行なった理由を説明してくれたほうが楽なので良かったけど、その分、ホラーとしてはブレちゃうみたい エンタメって難しい 元気なときしか読めない本です

Posted byブクログ

2022/06/03

マインド・コントロールによって普通の一家が崩壊していく過程を描いた作品。 じわじわと日常が侵蝕されていく様子は、現実にあり得ないことではないと考えながら読むと、猟奇的な事件などとはまた違った恐怖を感じさせてくれます

Posted byブクログ

2022/04/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

最後の参考文献のページを見て、やっぱりあの事件が元になってたのかとさらに心が沈みました。 幕間と皆川家の時間が重なり合う第四章からエピローグ、私は泣かずにはいられなかったです。ホラーで泣いたのは始めてかも。 山口葉月がなぜ長きに渡って色んな家庭に寄生することになったのかまでストーリー掘り下げられてたらもっと良かった。 情状酌量の余地なんかないくらいあの女は酷いことしてきたけど、そう至る背景を見てみたかった。 そもそも理由も無く、なんとなく家庭を壊し続けていたのなら、余計山口葉月という女に恐怖を覚えたことと思う。 読み終わったあと、少しの間だけホラー、イヤミス小説読むの辞めようと思った。 それだけ辛すぎる展開が続く本でした。 家族への愛を失いそうになったら、過去に自分をたくさん愛してくれたことをたくさん濃く思い出して、憎悪をかき消せるくらい強い心を持ちたいと思えました。 実際、皆川家と同じ状況に自分が陥ったらそれは無理かもしれないけど…。 にしても美海ちゃん、最後まで本当によく頑張った。 始めてハグしたい衝動に駆られるほどの登場人物に出会えました。 小説の中の人物とはいえ、この先どうかみんなに幸あってくれと願わずにはいられないです。

Posted byブクログ

2022/02/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「みの多い皆川さん」こと皆川美海。その家族が洗脳され壊されていく。 由衣は、美海の異変にいち早く気づいたのだろう。しかし、その時の由衣と美海の間はぎくしゃくした関係だった。美海は、何かを話しかけようとした由衣を無視した。事件後の美海と由衣との親友関係が修復する描写がほしいところでした。 怖いホラー・サスペンスでした。

Posted byブクログ

2021/12/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ずっと重苦しい。 光は見えない。 家の中、密室。 人間誰もが、もっている「孤独感」「弱さ」に、そっと寄り添う、手をさしのべる女。 少しずつ、確実に心を身体を蝕んでゆく。 優しく、強く、縛りあげる。 人の心を簡単に壊せる方法を知っている女にかかれば、皆、彼女にすがりつく。従順になる。 人間が壊れてゆく描写がとてもリアルで、読んでいてとてもハラハラした。

Posted byブクログ

2021/04/15

家族が他人によって、マインドコントロールされ結果、家族崩壊をする話。 お互い憎しみ合い、自分たちで考えることをやめ、主犯格の命令に従うだけの奴隷と化していく姿は恐怖。オバケや幽霊よりも生きている人間が怖いと感じた。 理性を保ち、正常な判断をするには 適切な食事と睡眠が必要不可欠...

家族が他人によって、マインドコントロールされ結果、家族崩壊をする話。 お互い憎しみ合い、自分たちで考えることをやめ、主犯格の命令に従うだけの奴隷と化していく姿は恐怖。オバケや幽霊よりも生きている人間が怖いと感じた。 理性を保ち、正常な判断をするには 適切な食事と睡眠が必要不可欠であると知った。 あとは自分の悩みを話せる信頼できる人を周りに置くことも大切。 被害者と加害者は表裏一体の時もあることを知った。たしかに世間のニュースでも「恨んで人を殺した」などあるし、自分が常に安全圏にいるのではなく、被害者にも加害者にもなりうる存在だと気付かされた。 自分は他人に支配される訳ないと思っていたが 案外そうでもないかも... 自分の悩みや苦悩を全部さらけ出すのは快感であり、聞き上手な人はそれを受け止めてくれるためペラペラと話してしまうが、 聞いてくれている相手は、実際胸の内でどのように考えながら聞いているのかわからないな、と思い 日々の生活でもプライベート過ぎることは本当に信頼できる人のみに話そうと思った戒めの本になりました。

Posted byブクログ

2020/11/30

見ず知らずの他人が家族の誰かに取り入って家の中に入り込み、いつの間にか支配し家庭を壊していく。話だけ聞くと信じ難いけれど、実際に似たような事件がかつて起きたというから驚く。 不眠による判断力の低下、甘言、暴力と脅し、あらゆる手を使って他人を意のままに操るマインドコントロール。本...

見ず知らずの他人が家族の誰かに取り入って家の中に入り込み、いつの間にか支配し家庭を壊していく。話だけ聞くと信じ難いけれど、実際に似たような事件がかつて起きたというから驚く。 不眠による判断力の低下、甘言、暴力と脅し、あらゆる手を使って他人を意のままに操るマインドコントロール。本当にそんなことが可能なのか分からないけれど、葉月の術中にはまり、互いに憎しみ合う家族の姿がもどかしい。何より身勝手な父親に腹が立つ。 葉月の異様な厚化粧には何か意味があるのかとは思っていたけれど、そう来たか。ちゃんと伏線が張られてたー。 他人に家を乗っ取られる恐さを描いた話だと思っていたら、ちゃんとミステリーだった。

Posted byブクログ