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冷戦構造の崩壊後の“ヨーロッパの危機"に書かれたものであることを鑑みると、やはり、その後の新自由主義の流れは、恐ろしく政治的な局面を複雑にしてしまったなと思う。いや、デリダがここで警鐘していることが、ある種そうなってしまったということでもあるが。いま生きていたらなにをどう書くのか...
冷戦構造の崩壊後の“ヨーロッパの危機"に書かれたものであることを鑑みると、やはり、その後の新自由主義の流れは、恐ろしく政治的な局面を複雑にしてしまったなと思う。いや、デリダがここで警鐘していることが、ある種そうなってしまったということでもあるが。いま生きていたらなにをどう書くのか。
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デリダの中ではかなり読みやすい論文である。現代までつながるヨーロッパの「自己」と「他者」の問題であり、現代のヨーロッパの移民の問題、テロの問題を考えるのであれば是非読んでほしい作品である。デリダ自身のアイデンティティかなり影響しているのだろうか。 本書でも言及のあるポール=ヴァレリーの『精神の危機』と合わせて読むのも良いだろう。近代と現代でヨーロッパが感じる「危機」の変化が分かるだろう。
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ポール・ヴァレリーの問いかけをベースに、Capという言葉を、資本、首都、岬、帽子などなどと意味を変えながら、ヨーロッパと民主主義を脱構築し、開かれたヨーロッパと来るべき民主主義を展望する、というところかな??? ベルリンの壁の崩壊、ペレストロイカの進展、そして湾岸戦争直前とい...
ポール・ヴァレリーの問いかけをベースに、Capという言葉を、資本、首都、岬、帽子などなどと意味を変えながら、ヨーロッパと民主主義を脱構築し、開かれたヨーロッパと来るべき民主主義を展望する、というところかな??? ベルリンの壁の崩壊、ペレストロイカの進展、そして湾岸戦争直前という政治的な状況のなかで、ヨーロッパや民主主義について、語る。しかも、その掲載されたのは、新聞の特別号ということから考えると、デリダのなかでは、分かりやすい類いに属する本のはず。 最近、デリダの入門書を読んだので、なんとかなるかな、と思って、トライしてみたが、やっぱり、なんのことだか、な文章であった。 あんまり、こういうのを真面目に理解しようと思わず、たんなる言葉遊びと思って読んだ方が、精神衛生上よさそうだな。
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