自動車の基礎をハイブリッド車技術から学ぶ の商品レビュー

坂本俊之(著者)

2021/12/26

　色々と中途半端。図やグラフと解説を見開きでい項目になっているが、その図やグラフと解説が上手くリンクしていないと感じるものが多かった。例えばエンジンの調整でエンジンの外観写真が掲載されているが、その写真からは調整がどういうことか分からない。また、得意分野とそうでない分野の温度差があり、得意と思われる運動系は細かく解説しているが、苦手と思われる電気電子、半導体は公式や一般的なグラフ、半導体の断面図と回路図が示されているにとどまっている。また、解説も先輩と後輩の会話形式にはなっているが、後輩の質問に先輩が一言答えてすぐに地の文での解説が始まるため会話形式にする意味が無い。会話形式にするなら数回のやり取りは必要だろう。そしてこれが一番の問題なのだが、ハイブリッド車の全体像が示されていない。個々の部品や機能、効果は説明されているが、それがハイブリッド車のどこに使われているのか、どう使われているのか、どう連携しているのか、なぜ必要なのかは示されていない。自動車という装置は多くの部品がお互いに連携して動作しているし、必要があってその部品が使われている。したがって、個々の部品だけを理解しても自動車の理解にはならない。