「好き嫌い」と才能 の商品レビュー
実業家との対話本で肩の力を抜いて読めるような内容。あなたの好き、嫌いは何、という切り口から、ビジネスとの本質的な関連性を探る。色んな人が色々言って、楠木建は恐らくは予めから持っていた結論にそれを結びつける。つまり、好き嫌いはモチベーション的に経営者に重要な観点だと。 感じた事を...
実業家との対話本で肩の力を抜いて読めるような内容。あなたの好き、嫌いは何、という切り口から、ビジネスとの本質的な関連性を探る。色んな人が色々言って、楠木建は恐らくは予めから持っていた結論にそれを結びつける。つまり、好き嫌いはモチベーション的に経営者に重要な観点だと。 感じた事を過剰書きして、考えてみる。おじさんでもおばさんでもそうだが、二人で「嫌い」な話で盛り上がるのは生理的に嫌な感じ。相手の「好き」を聞き出すのは逆に面白いが、それがビジネスに直結するという事は事例として多くないし、寧ろ、何かしらの「使命感」で動いていて、好き嫌いだけでは意思決定は出来ない。 人材も客も、嫌いだから避けるというのでは事業が成り立たない。たまに、お金の話は好きじゃないという人に会うが、お金の話をせずに商談はできない。好き嫌いなど、良し悪しや、やるべきか否かと少しでも重なれば幸せだ、という程度だ。重ならない事が大半。例えば、大勢の前でのスピーチは嫌いだが、やるべきを成し遂げた後に達成感や実りがある。英語嫌いが海外駐在し、無理矢理にでも身につけるなど。 努力を努力と思わない。この才能の根源が「好き」という感情だ、というケースもあるだろうか。これも「使命感」で代替できそうだが、分からなくもない。やっている内に好きになる、という事もあるだろう。だから、努力の娯楽化、という考え方も嫌いではない。 もう一歩、考える。努力の娯楽化ではなく、娯楽の努力化。これは、ログインボーナスやゲームキャラを強化するために日々努力するような現象で、本末転倒に思うが、それでも、楽しいのだろう。もしかすると、没頭したり好きになったりする感情の根源には、何かしらの「使命感」と共通するものがあるのかも知れない。ドーパミンが関係するなら、考えてみれば、それはそうだろうという話か。
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好きってなんだろう。改めて問われると即答できない。無邪気にあれが好きこれが好きと言いづらいというか、本当に心から好きなものがわからなくなっているってのもあるかもしれない。そもそも社会人になって最初の配属の時点で全く希望していない部署だったし、好きで今の仕事が始まった訳では全くない...
好きってなんだろう。改めて問われると即答できない。無邪気にあれが好きこれが好きと言いづらいというか、本当に心から好きなものがわからなくなっているってのもあるかもしれない。そもそも社会人になって最初の配属の時点で全く希望していない部署だったし、好きで今の仕事が始まった訳では全くない。だからといって嫌いという訳でもないけれど。とりあえず食らいつきながらやってみたら嫌いではないし向いてない訳でもなさそうと思ってこの世界で仕事をし続けているということかな。結果的にこの世界での経験が自分の武器だし、意義とか目的とか考えると結構好きな部分もあるんだよね。この本で出てきた人のように昔から首尾一貫して好きなことの本質が変わっていないみたいな感じでは全然ないけど、結果として自分の蓄積してきた経験とそこから繋がっていきそうに思える道筋がまぁそこそこ好きかなと思えることはそれなりに幸運に恵まれているってことなのかもしれない。
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この著者の本は全般的に好きなように生きなさいと言われている感じがして、読んでて心地よい。実は、身も蓋もない結構厳しいことを言ってたりもするのだけども。 この人の好き嫌いが大事と言う本は前も読んだことがあるのだが、この本は、ビジネスを中心にスポーツ、学問、芸術の各分野で有名な方々...
この著者の本は全般的に好きなように生きなさいと言われている感じがして、読んでて心地よい。実は、身も蓋もない結構厳しいことを言ってたりもするのだけども。 この人の好き嫌いが大事と言う本は前も読んだことがあるのだが、この本は、ビジネスを中心にスポーツ、学問、芸術の各分野で有名な方々への、好き嫌いと生き方をテーマにしたインタビューの形式をとっていて、非常に読みやすかった。 好き嫌いや考え方はもちろん人それぞれだけど、 著者の質問による誘導で、それぞれの人の芯にある軸みたいなものがあぶり出され、そして多くの場合それは好き嫌いに基づいていたりするので面白い。 物事ってもっと好き嫌いで決めていって良いんだ。 という主張はどこまで出来るかは自問自答しつつ。 色々と勇気づけられる。 人の評価や選考は好き嫌いで決める。 と言い切る経営者やマネージャーの話はなかなか目からウロコ。でも人間そういう人の方が信頼できるよね。
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好きを仕事にしようと言われるとなにが好きなのかわからなくなるけど、楠木さんとかみたいにゆるくでも前に進みながら嫌いなことや気分が乗ることを知っていく、それを積み重ねながら徐々に好きなことにシフトしていくって生き方は自分にもできそうだと思った。たぶんその際に大事なのは自分を客観視す...
好きを仕事にしようと言われるとなにが好きなのかわからなくなるけど、楠木さんとかみたいにゆるくでも前に進みながら嫌いなことや気分が乗ることを知っていく、それを積み重ねながら徐々に好きなことにシフトしていくって生き方は自分にもできそうだと思った。たぶんその際に大事なのは自分を客観視することで、意識して自己分析するというよりは、気分が乗っている時とか逆の時とか何かを感じた時とか何らか心が動いているときにこれが自分の特性なんだと感じとる力が要ると思った。日頃から本とか映画とかいろんなコンテンツを通して人の考えに触れること、それを通して自分の考えを振り返ることが大事で、楠木さんはそれを呼吸するようにやっているんだろうなと思った。
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物事を成し遂げる人は、やはり「好きな事」を極めているのだな、だからパワフルに自分の人生を切り開いているのだなと思った。 そんな中、パワフルとは少し毛並みの違う、米倉教授の肩の力の抜け方がとても魅力的だった。
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※このレビューにはネタバレを含みます
好きこそものの上手慣れが最強理論。 様々な業界で活躍している著名人が、どんなことが好きなのか(嫌いなのか)を赤裸々に記述。 なかなかこのように個人的な価値観に踏み込んだ内容の記事はないので、その人の志の裏側にある価値観を知ることができるのは大変面白い。 大前研一は人々がうまく言語化できないことを「要するにこういう事」というセンスがすごい。 嫌いなことはや手はいけない。 インセンティブでは続かない
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楠木教授と各業界、特に経営者として活躍される第一人者との対談をまとめたもの。 ネスレ日本の高岡さんが面白かった。 ・宮内義彦 「経営者というのは、事業へのミクロの精通と、企業のトップとしてのマクロ観、この2つを持たないと間違える危険性があると思いますね。ミクロはともかく、マクロ...
楠木教授と各業界、特に経営者として活躍される第一人者との対談をまとめたもの。 ネスレ日本の高岡さんが面白かった。 ・宮内義彦 「経営者というのは、事業へのミクロの精通と、企業のトップとしてのマクロ観、この2つを持たないと間違える危険性があると思いますね。ミクロはともかく、マクロ観を培う勉強というと、何もわからないわけです。ものすごく茫洋として幅が広い。実際には興味のあることの積み重ねでしかないと思いますね。」 ・玉塚元一 「…『玉塚君、君は何をやりたいんだ』と聞かれて、僕は『経営者です。商売人になりたいんです。』と答えました。すると、『経営者や商売人なんて、コンサルタントがなれるもんじゃない。なけなしのお金を出して、場末にお店を開いて、一生懸命考えてやったんだけど、シャッターを開けてみたら、誰も来ない。なんで来ないんだろうか。1人来て、2人来た。けれども、何も買わないで出ていってしまった。商品が魅力的じゃないのか、価格が高すぎるのか。それを悩み続けながら、胃の痛む思いをしながらやらない限り、経営者にはなれないんだ』と言われました。」 ・高岡浩三 「このカギは、アンバサダーの方に当社は謝礼を払っていないことです。『オフィスでおいしいコーヒーを飲むための世話係になる』という人の善意が、どれだけビジネスモデルとして機能するか、最初の頃は手探りでした。ところが意外や意外、アンバサダーをやってくださる方は非常にモチベーションが高かったし、同僚の皆さんにも歓迎された。 プラスの効果としては、そこでコミュニケーションが生まれたことです。PCとモバイルフォンの時代、オフィスで会話する機会が少なくなってきています。あっても喫煙所くらいですが、スモーカーは減少傾向にある。ところが、コーヒーマシンが置いてあると、そこにみんなが集まってちょっとした話をする。オフィスの雰囲気が良くなるし、モチベーションも上がるということがわかってきたのです。」 「私たちにとってのヒット商品の定義は、新しいセグメントを作ることです。たとえば、『ネスプレッソ』『ネスカフェ ドルチェ グスト』は、一杯ずつ抽出するカプセル式のコーヒーマシンというセグメントです。…レギュラーコーヒーのなかで、新しいセグメントを作ったということです。現在、日本でのシェアは90%ですが、最初はセグメント自体存在しなかったのですから、ゼロです。ゼロから作って、競争相手がいないなかでシェアを大きくしていくと、利益率が圧倒的に高くなります。」 ・仲暁子 「ダイバーシティの定義を、自分の都合の合うように言っていますよね。ゴールドマン・サックスってすごいダイバーシティのある会社だったのです。でも、そのダイバーシティのなかで、みんなが持っていた価値観というのは一緒で、みんな競争が大好き、お金が大好き、自分が死ぬ気で働くのが大好きという。その中に、黒人とかヒスパニックとか、女性とかがたくさんいたというダイバーシティなのです。」 (楠木) 「それは大切なことですね。要するに、経営の本質は多様性よりも統合ですからね。仕事の組織として成果を出す以上、経営において一義的に大切なものは統合に決まっている。パッとしない会社は、共通の価値観で人々をしっかりグリップできない、すなわち統合能力がないところ。それができないのを正当化するために、ダイバーシティとかいう人がいますが、これもう最悪ですね。」
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「仕事においていちばん大切なのは,人から頼りにされることだと僕はおもうのです」 労働市場では,良し悪しとか,何ができるかというスキルの話になってしまう.「頼りになる」という尺度は経歴書では表しにくいけど,いったん仕事が始まれば,リアルな状況で頼りになるかならないか. で,頼り...
「仕事においていちばん大切なのは,人から頼りにされることだと僕はおもうのです」 労働市場では,良し悪しとか,何ができるかというスキルの話になってしまう.「頼りになる」という尺度は経歴書では表しにくいけど,いったん仕事が始まれば,リアルな状況で頼りになるかならないか. で,頼りになる,っていうの,スキルがあるだけじゃなくて,その仕事にのめり込んで楽しんでやってるかどうか.つまりその仕事を好きでやってる,どうかにかえってくる. 各界の経営者,プロフェッショナルの好き嫌い,エキサイティングでした.
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好きなことをしている人がうまくいくという考え方。 色々な人の好き嫌いを聞いている。 好きがわからない場合は嫌いをやらずに消去法で。 糸井重里事務所の篠田さんのように日常の具体的なことを一段抽象化するのは得意。 異論を唱える義務。
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楠木建さんの本はハズレがないね。相手の思いを引き出すテクニックは素晴らしい。内容も濃くてためになるものばかりだった。
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