甲鉄城のカバネリ 暁 の商品レビュー
カバネの疑いをかけられた、お菊が逃げ出すことによって間接的に問題が起こり、お菊を追いかける生駒や来栖が巻き込まれていく。群像劇ほど入り組んではいないが、生駒たち技工と来栖たち侍は会いはしない。 ノベライズなんて大したことないのが常だが、この小説はよく書けていた。本編の補足をし...
カバネの疑いをかけられた、お菊が逃げ出すことによって間接的に問題が起こり、お菊を追いかける生駒や来栖が巻き込まれていく。群像劇ほど入り組んではいないが、生駒たち技工と来栖たち侍は会いはしない。 ノベライズなんて大したことないのが常だが、この小説はよく書けていた。本編の補足をしているような描写が多くて、侍や民の生活スタイルも細かいところまで書いていた。 生駒は一般人だから虐げられているだろうとは思っていたが、もともとスラム街に暮らしていたことは初情報だ。生駒の過去や人物描写も掘り下げられていて、逞生と仲良くなるきっかけも語られる。 来栖たち侍にしても上侍、下侍という暗黙の位付けをされていて、来栖たち下侍は虐げられていた。下侍は過去にカバネが現れた時に、囲いを作るより戦おうとした人々の末裔。彼らは戦ってほとんどが死んだ。問題が片付いてエピローグではこの制度もなくなるような書き方をされていた。本編では意識できなかったのでたぶん消えたのだろう。 著者はアニメでは設定統括を担当していた。小説を普段書いていないにしては上手く書けていた。ラストの生駒がカバネから逃げるシーンの描写が、絵を見て書いているのかなと思うくらい細かくて、何も見れない読者には分かりにくいところもあったが、それを差し引いてもよかった。文章の所々から芳しくない情勢が見て取れて、それに合わせて来栖や生駒の境遇の悪さによって、陰鬱な雰囲気がラストに軽く薄まり本編へ繋がる感じがする。 ほのぼの短編集とかも書いて欲しい。
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