プリニウス(Ⅳ) の商品レビュー
地震、落雷、彗星、火山噴火の予兆などあらゆる凶相が現れるローマ、悪妻に翻弄される皇帝ネロ、政治の崩壊も示唆され暗雲立ち込める様子が描かれてました。
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やはり面白い。 巻末対談にあるように大地震、幽霊、稲妻、呪い人形、謎の占い師、彗星、と不穏な予兆ばかり。 そしてイエスの使途。 そんな中プリニウスが吐く言葉がいちいち含蓄がある。
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フェリクスの魅力爆発の第4巻。当時の軍団上がりの典型的な人ってこんな感じなんじゃなかろうかと思わせる。 ウェスウィオスやポンペイなど、歴史を知る我々は先がわかっているが、それを予測しようとするプリニウスに感服。
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ただただポッパエアが恐ろしかった。それにひきかえ、ネロの存在感の無さったら。ポッパエアはアグリッピナと性格が似ていたそうですが、そういう選択をしてしまうのはマザコンだからでしょうか。
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ポッパエアとネロの話はモンテヴェルディのオペラ「ポッペアの戴冠」にも詳しい。 合わせて鑑賞すると面白いかも。 ローマ世界を堪能したい人向き。
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古代ローマ人にとってのリアルを現代人の視点から描く手法が、オカルトを多く扱ってますます楽しい。現代科学的にある物とない物、歴史的事実とフィクションが渾然として、独特の酩酊感がある。電子版は表紙が「オビ付き」しかないのがドン引き。
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ポンペイの地震……から幕開けの4巻。地震、火山どっかで……と思ったらTDSのプロメテウス火山近辺はこの辺の話がモデルだ!と気が付きました。フォートレスクスプロレーションには絵もあったはず。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
面白いなあ、としみじみ思うのは幽霊についてプリニウスとフェリクスが押し問答をする所。 単純に「見える人」と「見えない人」の構図であるし、「科学」対「迷信」でもあるし、「前進する意思」と「後悔の念」でもある。ヴェスヴィオスの大地震の甚大な被害の後で語られるから、もちろん震災後の日本人にも重ねられているのだと思う。 揺れ続ける最中も常に明日への一手を考え行動する彼らが心強い。 さてあと半分はポッパエアが舞台の中央に躍り出てきた。セネカもブッルスも彼女を見くびっていたのだろうか?類い稀な理性や頭脳が駆逐されてしまった原因がわからない。 幼稚な自己愛がふりかざす狂気!それを利する策謀家も登場して、ダークなフォースがローマに満ちて来ました。均衡が傾いて暗黒面が勢力を増大中!魔女のお婆さんがヨーダ的にカッコいい。(オビのイラストの人物) そしてユダヤ人によるキリスト教伝道者の迫害。うおーなるほどなあー。当時は異端だもんなあ。おもろいー。
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