タイの基礎知識 の商品レビュー
タイ旅行にあたって読了。 •タイも仏教だが、日本と流派が違う。日本は大乗仏教でタイは上座仏教。大乗仏教は他者を救済することを目的としているが、上座仏教は自己の救済、自身の徳を積むための行為が、来世ののより良い生活に結びつくと考える。 •タイには精霊侵攻があり、ピーと呼ばれて...
タイ旅行にあたって読了。 •タイも仏教だが、日本と流派が違う。日本は大乗仏教でタイは上座仏教。大乗仏教は他者を救済することを目的としているが、上座仏教は自己の救済、自身の徳を積むための行為が、来世ののより良い生活に結びつくと考える。 •タイには精霊侵攻があり、ピーと呼ばれている。祖先の霊、地域の守護霊、自然に宿る霊など…。タイの街(ムアン)には必ず町の守護霊をまつるラックムアンという柱もある。
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タイに行った前後で一読。 政治状況、国王について、周辺国との関係、日本との関係、国民の気質、宗教観など、ガイドブックでは決して得られない知識を学べた。
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日本人がなぜタイに惹かれるのか。それは、次の理由があるという。 ○日本に似た景観-伝統的に稲作に立脚した社会と木造家屋の組み合わせが、深い郷愁に駆られる。車も左側通行。 ○多様な観光資源-遺跡、寺院、リゾートビーチ、ショッピング ○食べ物の類似点-米(但、インディカ種)と魚は食べ物の主役。魚醤の存在。 ○宗教-国民の9割以上が仏教徒(但、上座部仏教)。日本の神道のような精霊信仰もある。 ○居心地の良い社会―「ピー・ノーン」(保護・被保護)の二者関係が重要な社会。個人主義的な傾向が強く、よそ者に対しても包容力がある社会。微笑の国(the Land of Smiles)。「マイペンライ(大丈夫、気にしない)」 タイ系民族を大きく分けると、中部から南部にかけてのシャム(サヤーム)と北部から東北部にかけてのラーオ(ラオスの主要民族とタイ東北部のラーオは元々同じ民族。1893年にメコン川を境に東側がフランスに割譲されたため分断)。シャムは、アユタヤの崩壊(1351-1767)後、トンプリー朝(1767-82, ビルマから独立を回復したタークシンが中国福建省の潮州系華人の支援を得て成立)を経て、ラッタナコーシン朝(アユタヤ王家の血を引くラーマ1世が1782年に開く)を興し、現在に至る。タイではシャムの文化が規範となっており、1939年までの正式国名はシャムであった。 冊封体制を基盤とする東南アジアの国際秩序は、ヨーロッパ諸国の侵出により崩壊。特にフランスは強欲で、トンブリー朝(1767-87)時のタイの領域は、現在のラオスとカンボジアも含んでいたが、フランスは1863年にカンボジアを保護国とし、1887年にフランス領インドシナ連邦を成立させると、1893年に仏泰戦争を経てラオスを連邦に編入。1863から1907年まで5度にわたりタイはメコン川流域の支配域を割譲している。このため1940年から41年に、「タイ・フランス領インドシナ紛争」が勃発。1941年に日本が仲介役を果たし失地回復している(cf. Victory Monument)。 「プラーサート・プラウィハーン(プレア・ビヘア)寺院」(9世紀末にクメール人が建設したヒンズー教寺院)を巡るタイとカンボジアの軍事衝突に見られるように、国境線問題は今も顕著である。
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ハードカバーですが、平易に書かれていてとても読みやすかったです。大学の先生が長年の研究を踏まえて体系的にまとめられた本がとても読みやすく、知識を得やすい点で本書は良書と言えます。
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タイトルにもある通り、この本を読めばタイについての基本的なことは大体わかります。まじめに学術的に書かれているので、多少読むのに時間がかかりました。 国際関係の中でも特に周辺諸国との関係が興味深かったです。植民地になったことがないという点で、日本との共通点も多いと感じました。
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