てんからどどん の商品レビュー
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わたしはあの子と違うから。 今井さんのように1人だったら、めんどくさいこともないのではないか。友人たちに嫌なことを言われたかりんはそう考えた。高倉さんのようにかわいく生まれていればよかった。自分の容姿に納得がいかない莉子はそう考えた。2人がエレベーターに乗ったとき、雷が落ち、彼女はいいなぁ、と思っていた2人は入れ替わってしまった。 羨ましいと思っていた相手にも、入れ替わってみると色々と悩みがあることがわかり、というのは児童文学の定番になりつつある。かりんのよいところは、前向きで素直なところである。勉強を嫌がっていたが、それは考えたことを口に出す前に頭の中で落ち着かせるという方法を覚えれば、先生になりたいという夢を持つかりんはきちんと取り組むことができた。莉子はまさに「自分のことを棚に上げて」周囲を呪っていたが、かりんが内側に入った自分の変身を見て、またかりんに引っ張られて変わっていく。否定から入らない、というのは大事なことだ。 森田くんのことも含め、ちょっとかりんに贔屓だと思うが、まぁ大人的に好ましい子ども像を描くならこちらの「明るく、前向きに、みんなと交流するようになって」の方向か、と思う。最後の黄色の帽子の男は、2人が変わるきっかけを与えにきた神様的存在でよいのだろうか。事件の後消えてしまったような書き方だったし。
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高学年向け。 ある日、明るくて明るい女の子と暗くてちょっと太っている、髪もボサボサの女の子が、雷で入れ替わってしまう。入れ替わったことで、同じマンションに住むお互いの部屋を行き来しながらあれこれ話すことに。お互いの長所や短所を話し合い、克服していく姿に希望を見出せるお話。
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5年から。前向きで明るいかりんと、後向きで地味な莉子が入れ替わる。お互いの良い面、周りの見方が変わり、自分を見つめ直し、本当の希望と挑戦する姿が描かれる。タイトルの不思議さがあるので、キミノベルの表紙の方が、児童にとっては楽しさも伝わり手に取りやすい。
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久し振りに魚住さん読了。YAで執筆されていたんですね。 確かにそう言う系統のお話の方ですが、以前読んだ作品は特別YA系のレーベルではなかったので。気付けばきちんとそう言うカテゴリに分かれていたのか、と。出版者側の事情? 最初はサスペンスなのかな? と思うようなひやりとした場面から...
久し振りに魚住さん読了。YAで執筆されていたんですね。 確かにそう言う系統のお話の方ですが、以前読んだ作品は特別YA系のレーベルではなかったので。気付けばきちんとそう言うカテゴリに分かれていたのか、と。出版者側の事情? 最初はサスペンスなのかな? と思うようなひやりとした場面から始まったけれど、見た目も性格も環境も全然違う女の子が入れ替わっちゃうSFっぽい感じのお話。 それぞれ、良くも悪くも思春期の悩みと問題を抱えていて別の立場になったことで少しずつ自分自身の欠点に気付き、長所もあるのだと分かっていく過程が良かった。 道徳の教科書的ではあるけれど、見んな違ってそれぞれいいのだというテーマでYAを読む年代の子が気持ちよく読み終えることができたなーと。
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魚住直子は、ちょっとダークな味わいの作品も書くので、こういういかにも中学生うけしそうな本でも意外に面白いかもと思ったのだが。 容姿に自信のない女の子がネットに「わたしを殺して」と書き込みするシーンから始まるので、学校に置くような本のわりにちょっと過激なスタート。 勉強はできるが学校では孤立しているイケてない女子と、勉強はできないがクラスのトップグループに属するルックスのいい女子が、雷をきっかけに中身が入れ替わってしまう。男女が入れ替わるわけではないので、性的なドキドキはなし。 イケテない女子は自分の頑なさに気づき、イケてる女子は自分の軽はずみな言動の罪に気付く。そして自分の良さを客観的に評価してもらうことで自信も持てるようになる。ちょっと道徳の教科書みたいだが、そこの書き方は、そんなに悪くない。 しかし、冒頭の「殺してくれ」メッセージの処理がつまらない。中身はイケてる女子がちょっといじられ気味の男子を好きになるのもリアルじゃない。あと、決定的にガッカリなのは、結局はみんないい子で、みんな仲良くなれたね!という終わり方。深刻な悩みはあまりない、読書経験の浅い、というかまあ、そんなに賢くないというか、幼い読者にはこれでいいのかもしれないけどね。先生も安心の結末。 中学生位の自分がイケてると思ってる女子の残酷さは、世の中を知らないだけに、語彙力がないだけに、かなり怖いところがあるし、子どもだろうが大人だろうが、気の合わない人間は必ずいる。それを描いた上で、でも、なんとかやっていこう、人生そんなに悪くないって感じに書いた方が、現実に悩みを抱えている子どもは救われるんじゃないかと思うけど。 それに、いくら容姿がいまいちでも、中学生になれば、成績トップクラスは、一目おかれるもの。地味なルックスなら先生からも信頼されやすい。逆に成績下位でおしゃれにうつつを抜かし、軽はずみな言動で人をキズつけるような子がいきなりいじめの対象になるってこともあり得る。この登場人物は友達を「黒豚」とまで呼んでるんだからその可能性は十分にある。 絵が今どきの子どもうけするものだし、挿絵もあるので、日頃あまり読まない子どもでも読みやすい。でもやっぱりマンガやゲームの方が面白いね、と思われそう。
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憧れるような人も、 きっと悩みがあるのかもしれない。 人のいいところ、自分のいいところ みんなそれぞれ。
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・かりんと莉子とつぜん入れかわってしまい、それぞれ相手の生活を楽しんで、周りの人にバレナイように話したりして仲よくなっていくところが、面白いです。 ・この本は、エレベーターにかみなりがおちてきて、太った人とスポーツ万のうの人が、入れかわるお話です。そのまますごすうちに、だんだん...
・かりんと莉子とつぜん入れかわってしまい、それぞれ相手の生活を楽しんで、周りの人にバレナイように話したりして仲よくなっていくところが、面白いです。 ・この本は、エレベーターにかみなりがおちてきて、太った人とスポーツ万のうの人が、入れかわるお話です。そのまますごすうちに、だんだんもとにもどりたくなり、二人でいっしょに願いをかなえる場面が好きです。
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勉強は得意だけど見た目はいまいち、友だちもいない。コンプレックスだらけの今井莉子。長身で顔は可愛く、明るく元気、単純で小学生男子みたいな性格の高倉かりん。「高倉さんみたいに可愛くなってみたい」「女子ってめんどう。今井さんみたいに一人でいると気楽かな」。偶然出会ったエレベーターで互...
勉強は得意だけど見た目はいまいち、友だちもいない。コンプレックスだらけの今井莉子。長身で顔は可愛く、明るく元気、単純で小学生男子みたいな性格の高倉かりん。「高倉さんみたいに可愛くなってみたい」「女子ってめんどう。今井さんみたいに一人でいると気楽かな」。偶然出会ったエレベーターで互いに互いのことを考えた瞬間、見た目も性格も真逆な二人が入れ替わっちゃった!入れ替わってみて気づく、先入観ばかりで考えたこともなかった他の人の気持ち、そして自分自身の良いところ。自分を好きになるための一歩を踏み出す勇気をくれるお話です。
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