あの素晴らしき七年 の商品レビュー
おもしろかった。 クスッと笑いながらも、いろいろと考えさせられて、心に静かに何かが蓄積されていく感じがとても心地良かった。 世間のニュースを見ていると、答えのない問いや、善悪が混濁した事件がいっぱいあって、自分がどんな感想を持っていいのかすら分からなくなることが多いけれど、ああ...
おもしろかった。 クスッと笑いながらも、いろいろと考えさせられて、心に静かに何かが蓄積されていく感じがとても心地良かった。 世間のニュースを見ていると、答えのない問いや、善悪が混濁した事件がいっぱいあって、自分がどんな感想を持っていいのかすら分からなくなることが多いけれど、ああそうか、こんな風に感じればいいのか、と思いました。歩き方とか呼吸の仕方のような、非常に根源的な対処法を教えてもらった気がします。
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イスラエルで生まれたそのほかrあ、過去数隻にわたってヨーロッパで怒ったことは一連の迫害やポグロムに他ならないということを教わり、常識が支持するにも関わらず、そこで得た教訓は腹の中でわだかまり続ける。
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イスラエルに住むユダヤ人作家が、息子の誕生から父親が亡くなるまでの7年間、時系列的に語ったエッセイ集。 イスラエル国内でおきている事実、海外で感じだ事、子供の成長、そして父親の病気、日々の生活。 彼はしっかり時代を見続けていて、それを時にシニカルに表現している。しかしまた、彼の...
イスラエルに住むユダヤ人作家が、息子の誕生から父親が亡くなるまでの7年間、時系列的に語ったエッセイ集。 イスラエル国内でおきている事実、海外で感じだ事、子供の成長、そして父親の病気、日々の生活。 彼はしっかり時代を見続けていて、それを時にシニカルに表現している。しかしまた、彼の視点は優しく、自分に正直。 その淡々とかかれたエッセイは非常に興味深く、また面白い。 彼の書いた長編と、さらにいまの日々を綴っているエッセイがあるのであれば、リアルタイムで読んでみたい作家だと思う。 一つ感じたこと、イスラエルに生活するということは、普通に爆撃や、ミサイル攻撃にさらされる可能性があるということ。それも生活の一部だということ。 イスラエルが他国を攻撃することを、ただ悪者と決めつけることはできない。
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ほんの数ページの掌編エッセイで、笑わせてしんみりさせる、なんだか職人芸を見ているかのような珠玉のエッセイ。 息子が生まれてから、父が亡くなる間の七年間の日常を切り取っている。 自分ながらに恥ずかしいのだが、あらためてイスラエルでも当たり前の日常があり、人々は普通に暮らしているのであり、愛し合ったりふざけ合ったり悪口を言い合ったりして生きているのだ…と実感した。本当に恥ずかしい。 ああ、でもやっぱり、イスラエルは戦時下なのだ。 ばかばかしくも愛らしい両親と幼子の「パストラミ・サンド」ごっこ。ママが地面に伏せ、上に息子が乗ったその上にパパが乗って「パストラミ・サンド!」と叫ぶ。 楽し気なこのふざけっこは、空襲警報が鳴ったため、道端で伏せなくてはならないからだ。警報が鳴って「キンチョーしちゃう」息子のために。 自分の家からそう遠くないところに墜ちた爆弾のかけらを拾えたらいいな、と思っている息子。 この作家、2014年に文芸フェスのため来日していたそうだ。ああ悔しい。話を聞きに行きたかった、本当に。
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面白い! ユーモアと苦さ。 ヴォネガットやアイザック・B・シンガーを彷彿とさせられる。 昨年、「突然ノックの音が」の刊行イベントで、氏のトークを拝聴したが、あの語り口そのまま、と感じた。 その時は、空襲の合間に今日はサイレンが鳴らないといいねなどと言い合いながら息子を学校に送っ...
面白い! ユーモアと苦さ。 ヴォネガットやアイザック・B・シンガーを彷彿とさせられる。 昨年、「突然ノックの音が」の刊行イベントで、氏のトークを拝聴したが、あの語り口そのまま、と感じた。 その時は、空襲の合間に今日はサイレンが鳴らないといいねなどと言い合いながら息子を学校に送っていく…という日常などをユーモラスに語られていて、そのギャップにギョッとしたのだけれど。 よく出来た短編小説のような味わいすらある。
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自伝的エッセイ。家族。イスラエル。ユダヤ人。『波』にて。掌編小説のように綴られた7年間のエッセイ。世界各国で翻訳され、日本語版は20番目の兄弟。父母兄姉、妻息子、友人知人、そして自分を取り巻く世界の厳しさやしんどさを綴っているのに陰鬱じゃなく、ユーモアがあふれてる。全世界の人がこれを読めばいいんだ。きっと心に火がともる。
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