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20億の針 の商品レビュー

3.8

10件のお客様レビュー

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2022/07/30

2艘の宇宙船に乗ったゼリー状の宇宙人が地球に不時着、乗っていた犯罪者とそれを追う捕獲者が宿主の人間と協力し追跡劇を行う。 寄生獣に影響を与えたと思われる本書は、子供の頃に「姿なき宇宙人」として出版されていたらしい。読んだ記憶がある。 捕獲者と主人公ボブのやり取りは、宇宙人の上から...

2艘の宇宙船に乗ったゼリー状の宇宙人が地球に不時着、乗っていた犯罪者とそれを追う捕獲者が宿主の人間と協力し追跡劇を行う。 寄生獣に影響を与えたと思われる本書は、子供の頃に「姿なき宇宙人」として出版されていたらしい。読んだ記憶がある。 捕獲者と主人公ボブのやり取りは、宇宙人の上から目線が気になるし、犯人探しのストーリーはご都合主義なのだが、初期のSFだということで。 新訳本の表紙はかっこよい!

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2020/02/14

#日本SF読者クラブ 70年前に書かれたハードSFの古典的名作。帯に「寄生獣」「ヒドゥン」など、共生生命SFの原点となったとある。個人的には、コミックの「鉄腕バーディー」(ゆうきまさみ)もこのバリエーションに入ると思う。ハードSFと言っても、現在のような科学知識を基にしたトンガッ...

#日本SF読者クラブ 70年前に書かれたハードSFの古典的名作。帯に「寄生獣」「ヒドゥン」など、共生生命SFの原点となったとある。個人的には、コミックの「鉄腕バーディー」(ゆうきまさみ)もこのバリエーションに入ると思う。ハードSFと言っても、現在のような科学知識を基にしたトンガッたものではない。南の小さな島が舞台となっていて、どこか牧歌的な雰囲気がただよう。

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2017/03/21

二隻の宇宙船が南太平洋に墜落した。 一隻に乗っていたのは捜査官。もう一隻に乗っていたのは犯罪者。 宇宙から来た生物体である彼らは、何かに寄生しなければ生きていかれない。 捜査官は見つけた少年に寄生し、恐らく別の人間に寄生したであろう犯罪者を捜すことにした。 こういったSFで、設...

二隻の宇宙船が南太平洋に墜落した。 一隻に乗っていたのは捜査官。もう一隻に乗っていたのは犯罪者。 宇宙から来た生物体である彼らは、何かに寄生しなければ生きていかれない。 捜査官は見つけた少年に寄生し、恐らく別の人間に寄生したであろう犯罪者を捜すことにした。 こういったSFで、設定としては映画にもなった「寄生獣」に似ているらしい。 「寄生獣」は映画も原作もよくは知らないのだが、寄生体と宿主が友好的な関係で、互いに協力しあって目的を遂行しようとする物語だと思う。 わたしは常々SF映画の設定によくある、宇宙人が地球征服を目論んで人類に攻撃をして絶滅させようとするというのが納得出来なかった。 宇宙から地球まで来られる高度な文明を持つ宇宙人が、話し合いの機会も持たずにいきなり攻撃などしてくるだろうか。 話し合いによる平和な共存か、人類を上手く利用して征服する方が肉体的にも経済的にも遥かに得だと思う。絶滅するには自分の身にも危険が及ぶのだから、人類を上手く利用した方が絶対的にリスクが少ない。 この作品では宇宙から来た捜査官である“捕り手”は、宿主である少年ボブと平和に共生して、犯罪者である“ホシ”を捜す。 こういう血生臭くないSFを待っていた気がする。 この作品はSFという要素の中に、地球上のどの人間に寄生したのかわからない犯罪者追跡というサスペンス、更に少年ボブの冒険と成長とが描かれている。 ボブと捕り手のコンビも面白い。 続編もあるらしいので、是非読んでみたい。

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2017/01/23

外宇宙から飛来した二艘の宇宙船が、地球の南太平洋に不時着する。一艘に乗っていたのは極悪非道の犯罪者、もう一艘に乗っていたのはそれを追う捜査官。どちらも宿主を介して活動する、不定形の寄生体。不時着直後の困難をくぐり抜けて何とか地球人の少年・ボブの体内に侵入できた捜査官の前に立ちはだ...

外宇宙から飛来した二艘の宇宙船が、地球の南太平洋に不時着する。一艘に乗っていたのは極悪非道の犯罪者、もう一艘に乗っていたのはそれを追う捜査官。どちらも宿主を介して活動する、不定形の寄生体。不時着直後の困難をくぐり抜けて何とか地球人の少年・ボブの体内に侵入できた捜査官の前に立ちはだかるのは、誰が犯罪者を宿しているのか全く判別できない約20億の地球人類。聡明なボブとのコミュニケーションに成功した捜査官は、彼の協力を得ながら犯罪者を追跡する。稲藁の中から一本の針を探すような絶望的な状況の中、ボブと捜査官はどうやって犯罪者を突き止めるのか? ハードSFの古典中の古典、ハル・クレメントの代表作の一つ。 ストーリーだけを追うと、典型的な「SFミステリ」です。が、ミステリとしての面白さは正直なところ今ひとつ。そもそも「20億の地球人類の中からどうやって犯罪者を捜すのか」という命題がミステリとしての醍醐味だと思うんですが、この点はかなりご都合主義的な展開であっという間に解決してしまい、途中から登場する有力な協力者も大して活かせずに「え?」ってな感じで物語が収束しちゃいます。 と説明するとつまらない話のように思えるんですが、これがそれなりに面白いんだからSFは侮れませんよ。クレメント作品の欠点として良く挙げられる、「宇宙人なのに価値観やものの考え方が地球人類そのもの」という欠点は、この作品でも確かに見られます。そんな欠点を差し引いても、なお瑞々しいSFとしての躍動感、登場人物の心の動き。「科学的にウソをつかない」ハードSFとしての完成度はもちろんのこと、一人の少年の成長譚としても、読み応えのある作品です。 今読むと、正直「古さ」は否めませんが、それでもなおSFの代表作として語り継がれる価値のある作品だと、鴨は思います。続編も新訳で出して欲しいなー。

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2016/11/11

嵐の夜、2隻の宇宙船が南太平洋に墜落した。1隻に乗船していたのは捜査官。もう1隻に乗船していたのは捜査官に追われる犯罪者。そんな彼らは、宿主なしには生きることができないゼリー状の半液体生物である。地球に降り立った2匹の寄生生命体は、それまでの宿主を失い、新たな宿主を確保する。捜査...

嵐の夜、2隻の宇宙船が南太平洋に墜落した。1隻に乗船していたのは捜査官。もう1隻に乗船していたのは捜査官に追われる犯罪者。そんな彼らは、宿主なしには生きることができないゼリー状の半液体生物である。地球に降り立った2匹の寄生生命体は、それまでの宿主を失い、新たな宿主を確保する。捜査官が選んだのは、南太平洋に浮かぶ島の住人にして、15歳の少年ボブ。では犯罪者は誰に寄生したのか。少年ボブと彼に寄生した捜査官がくりひろげる捜査劇。疑わしきは、地球上の全人類、その数20億人! ハル・クレメントの代表作である本書は、寄生獣をはじめとする異生物共生系(人間と寄生した異星人が共生する)の原点とされる作品とのことです。タイトルにもなった「20億の針」とは、犯罪者が寄生した可能性のある全人類の総数をあらわしており、その数なんと20億人(一応、舞台は20世紀半ばとのことで、その当時は大体20億人ぐらいだったようですね)。そんな途方もない容疑者を相手にどう対処するのか…と思っていたら、意外と早いうちに容疑者はボブと同じ島の住人に絞られまして、なんだかスケールが一気にちっちゃくなった感じが笑 とはいえ、そこから容疑者を特定する過程は、なかなかスリルがありました(ただ、寄生生命体の偉そうな態度が鼻に付く感じでしたが…)。 どうやら続篇「一千億の針」も新訳版で出版されているようで、また機会があれば。とはいうものの、まずは著者代表作の「重力の使命」に挑戦してみたいと思っているところです。

Posted byブクログ

2016/10/03

ハードボイルドなタッチで進行していくが少年が主人公ということもあり最後はほほえましい。寄生ものの先駆的小説とのことで設定は秀逸ですね。科学・医学的描写が世界観を裏打ちしている。

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2016/07/29

もちろん異なる星から来た生物が寄生しているのだけど、 一寸ぼんやり読んでいると、単純に夏と海を楽しむ ティーンエイジャーの島の男の子の日常冒険物語。 寄生している側の方が精神面で成熟していて しかし制約があって宿主の行動にやきもきするあたり、 読み手は捕り手に近いのかも。 ハード...

もちろん異なる星から来た生物が寄生しているのだけど、 一寸ぼんやり読んでいると、単純に夏と海を楽しむ ティーンエイジャーの島の男の子の日常冒険物語。 寄生している側の方が精神面で成熟していて しかし制約があって宿主の行動にやきもきするあたり、 読み手は捕り手に近いのかも。 ハードSFとして濃くはなくミステリーとしても同じ。 夏の日差しの下で、若者の溌剌としたエネルギーを 感じながらSFとミステリーとして 軽く読むのもいいのでは。

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2016/07/11

今からかれこれ50年近くも昔、俺が初めて読んだSFが、このお話をベースにしたジュブナイルでした。原著が書かれたのは1950年ですから小さな瑕疵はいくつもあれど、SOWにあふれる王道SFと言って間違いありません。船の進入路を確保するために珊瑚礁をマイトで爆破するって記述には思わず笑...

今からかれこれ50年近くも昔、俺が初めて読んだSFが、このお話をベースにしたジュブナイルでした。原著が書かれたのは1950年ですから小さな瑕疵はいくつもあれど、SOWにあふれる王道SFと言って間違いありません。船の進入路を確保するために珊瑚礁をマイトで爆破するって記述には思わず笑ってしまいました(笑。今だったら考えられないよね

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2016/07/10

ようやく読むことができました! 本作を初めて読んだのは、小学校の図書室で出会った抄訳版の名作SFシリーズの一冊「宇宙人デカ」(余談ですが、本書の解説にもそのタイトルの説明があり嬉しかったです) それ以来、40年近くを経ての正式な完訳版。 いやがうえにも高まる期待を十分に満足させて...

ようやく読むことができました! 本作を初めて読んだのは、小学校の図書室で出会った抄訳版の名作SFシリーズの一冊「宇宙人デカ」(余談ですが、本書の解説にもそのタイトルの説明があり嬉しかったです) それ以来、40年近くを経ての正式な完訳版。 いやがうえにも高まる期待を十分に満足させてくれる一作でした。 宇宙船を駆って逃げる犯罪者、それを追う捜査官(本作では"捕り手"と呼ばれます)。彼らの宇宙船は地球の南太平洋のとある島の近くに墜落してしまいます。 高度な知性を持つ彼らですが、ゼリー状の生命体であり他の生物に寄生しなければなりません。 捜査官は15歳の少年ボブに寄生することになりますが、犯罪者は誰に乗り移ったのか? ボブと捜査官のコンビによる捜査が始まります。 ここまでのあらすじだけでも、そうですね… 初代「ウルトラマン」の初回オープニングシーン、映画「ヒドゥン」、漫画「寄生獣」などなどが思い浮かびますね。 ただ、前述した作品たちのように、捜査の過程で派手なアクションがあったり、血なまぐさい事件が起こるわけではないんです。そこは主人公が15歳の少年ですから学校をはじめとする日常生活もありますので。 それでも、テンポよい展開(人によってはご都合主義と言われかねない部分もあるかな)とストーリーは、抄訳版を読んでいるときの小学生の僕が感じていたのと同様のドキドキとワクワク感を再現してくれました。 個人的にお気に入りなのは、捕り手がボブに寄生してから、その体内組織を調べ順応し、彼をとおして人間のことを知り学習していく場面。そして捕り手がボブに自分が体内にいることを知らしめる場面。 クラシックなSFの雰囲気を大いに堪能することができます。 ある意味、ジュブナイルと言ってもいいかも知れないですね。改めて、僕はこういう話が好きと再認識できました。子供から大人までお勧めできます。 続編の「一千億の針」も新版が出たので、こちらも初読みしたいです。

Posted byブクログ

2016/06/14

1950年に発表されたSF。古典と言っても良いぐらいのクラシカルな年代に書かれた本書だが、新訳という事もあり読みやすい日本語で、一晩で読めてしまった。内容もなかなか「読ませる」内容で好感。 南太平洋に2隻の宇宙船が墜落するところから物語は始まる。一方の宇宙船には捜査官(捕り手)...

1950年に発表されたSF。古典と言っても良いぐらいのクラシカルな年代に書かれた本書だが、新訳という事もあり読みやすい日本語で、一晩で読めてしまった。内容もなかなか「読ませる」内容で好感。 南太平洋に2隻の宇宙船が墜落するところから物語は始まる。一方の宇宙船には捜査官(捕り手)、もう一方には追われている犯罪者(ホシ)が乗っていた。 彼らは高度な知能を持つゼリー状の生命体であり、宿主なしでは生きられない。捜査官は少年(ボブ)の体に寄生し、犯罪者もまた誰か別の人間に寄生してる・・・。誰に寄生しているのか? この犯人捜しというかマンハントが物語の軸になるわけだが、ただの犯人捜しだけの物語になっていない。 墜落した直後、捜査官が新たな宿主を探す描写、捜査官に寄生された少年の驚き、とまどい、好奇心が丁寧に描かれていて、序盤からストーリーの中にスッと入っていける。 特に初めて捜査官と少年が言葉で交信するシーンなどは、名シーンと言っても良いと思う。 物語を通じて捜査官は分別のある大人、少年の方は聡明だが思考より行動が先になるタイプとして描かれていて、このコンビが友情?のような感情を育みながら犯罪者を探し出す様子は、睡眠時間を削っても先を読みたいと思わせる文章。 20億と言うのは、この作品が描かれた当時の世界の人口で、20億人の中から針(犯罪者)を探す、という意味だけど、実際には、少年の暮らす島(人口160人程度)の中での犯罪者探しとなる。その中でも、特に少年と親しい友だち5,6人が「容疑者」として挙げられており、その中の誰が犯罪者に寄生されてるのか?という謎解きテイストも味わえる。 捜査官と少年が互いの意見を交換しながら推理をすすめてるうちにも、小さな事件が一つ、また一つと起こり・・・。 でも、誰かが死ぬこともないし、読んでいても心地よい文章(訳文の上手さかな)。 どのような方法で犯罪者を見つけるのか?見つけた後はどうなるんだろう?というミステリーな味付けに加えて、南太平洋の風景の描写も良かったなぁ。海で遊ぶ少年たちの姿や彼らの日常が躍動感ある描写で描かれているのも好感。 SFであって純粋なミステリーじゃないので、結末は驚くようなものではないけど、犯罪者が寄生してる宿主を推理する過程は良く描けているし、犯罪者(厳密にはゼリー状の知的生命体)との対決シーンなんかは、さすがにドキドキさせられたな。 ストーリーの性質上、中盤~後半はSF臭が薄れるんだけど、この点は、SFマニアには物足りないかもしれないし、逆に言えばSFが苦手な人には受け入れやすいかもしれない。 最後の1ページ、少年の洒落た言葉でこの物語は幕を閉じるのだが、ハッピーエンドで良かった。 ☆4個 背表紙~ 2隻の宇宙船が南太平洋に墜落した。1隻に乗っていたのは捜査官、もう1隻に乗っていたのは犯罪者。両者とも人間ではない。高度な知性をもったゼリー状の生物であり、彼らは宿主なしには生きられない。捜査官は一人の少年の体内に宿り、犯罪者は別に人間にとりついている。だがいったい誰に?容疑者は地球上の人間全員、20億人。様々な寄生生命SFの原点となった歴史的傑作。 マンガ「寄生獣」は読んでいたけど、明らかに本書の影響を受けてると納得。

Posted byブクログ