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罪の終わり の商品レビュー

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20件のお客様レビュー

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2023/01/20

『ブラックライダー』に引き続き再読。途轍もない傑作。2173年の救世主伝説。自分が六・一六後の世界に生きており、ナサニエル・ヘイレンという実在の人物に関するノンフィクションの翻訳を読み、福音に自分の罪を許されているような気になった。なぜ日本人(台湾生まれの)にこのような物語が書け...

『ブラックライダー』に引き続き再読。途轍もない傑作。2173年の救世主伝説。自分が六・一六後の世界に生きており、ナサニエル・ヘイレンという実在の人物に関するノンフィクションの翻訳を読み、福音に自分の罪を許されているような気になった。なぜ日本人(台湾生まれの)にこのような物語が書けるのだろう。それ自体も奇跡であるように思える。僕はこれからもこの二書を読み返すのだろう。

Posted byブクログ

2020/08/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

アメリカが舞台のSF小説、の中でもディストピア小説に分類されるもの。ジャンルも作者も初挑戦ではあったが、予想していたより鬱々とすることもなく楽しめた。堅苦しいとまではいかないが、慣れれば咀嚼が心地よく思えてくる程度の硬さの文体。唯一無二と思わせるほどぴったりな比喩表現が印象的で、諸所に光る。 「神」が如何にして産まれるか、全編を通してその過程に重きを置かれているので、頽廃し、食人が横行するようになった絶望的な世界が舞台でも、その雰囲気に呑まれることなく、むしろ興味深く読み進めることができた。"辛い"という意味ではむしろナサニエルの少年時代の方が刺さる。自分自身を否定する"空っぽ"のナサニエルが、いかに「神」の依代として有用であり、時代が、人々が、いかに食人の神を必要としていたか。キリストの例を擬えての考察も面白い。結果的に、暗い霧の中に差し込む幽かな光よりも僅かな希望を抱き、"空っぽ"ではなくなりつつあったナサニエルがその矢先に死んだのは、彼にとっても、「神」を必要とした周りの人々にとっても、良いことだったのだろう。人々が勝手だとは思わない。食事や排泄と同じく、生きていく上で必要なことだと思うので。 惜しむらくは、原罪という観念がいまいち身に沁みて理解できないので、食人やその他の罪に対する宗教的な罪悪感が切迫してこないこと。それにしても、皆川博子さんのときも思ったけど、生まれ育ってない国の世界観をこれだけ作り込めるのは本当にすごいと思う。日本が核兵器を隠し持っていてアメリカが激怒したとか、アフリカに逃げたアメリカ人をイスラム原理主義者が殺したとか、世界観を作り込む設定が、いかにも現実に起こり得そうなのも面白かった。 気が遠くなるような長いスパンで、人間社会が頽廃したり発展したりを繰り返す、そのことこそが人間の営みである、という主張も多少あるように私には感じられた。ディストピア小説って、絶望的な状況下で人々がただ痛めつけられるだけのものだと思っていたので、考えを改めます。それにしても、カールハインツがユダの役割を担ったのはすごく切なかったなあ、、、

Posted byブクログ

2018/08/27

『ブラックライダー』と この『罪の終わり』の2冊しか 読んでいないけれど 東山彰良氏が描かれる作品は どうも私の心に引っかかり この方の書かれる物語は 好きなんだと認識。 『ブラックライダー』の前日談としての 『罪の終わり』も宗教的な部分があるけれど これは、舞台をアメリカにし...

『ブラックライダー』と この『罪の終わり』の2冊しか 読んでいないけれど 東山彰良氏が描かれる作品は どうも私の心に引っかかり この方の書かれる物語は 好きなんだと認識。 『ブラックライダー』の前日談としての 『罪の終わり』も宗教的な部分があるけれど これは、舞台をアメリカにしているからで 日本に置き換えても語られるべきことは 同じ罪の重さであり、人間の卑しさ悲哀弱さ。 デストピア小説・ポストアポカリプスでもある 同じような背景の名作『ザ・ロード』に 匹敵すると思う。久々に泣ける作品を読んだ。

Posted byブクログ

2018/07/28

☆4つなのは、自分に知識や読解力が不足しているから。作者のせいではありません。  台風の被害が予想される中読んだので、もう世の中は滅びつつある気がしてならない。

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2018/01/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

伝えたい神とは、なんとなくわかるが、 東山の持つ 独特の文体が失われてしまっていると感じた。 いわゆる人間味があって、オシャレで笑える発言について、 登場人物達ができていなかったように思った。

Posted byブクログ

2017/11/21

ブラックライダー同様、こちらも評価が別れそうな作品。私としてはこちらの方が受け入れやすく読みやすかった。ウディや犬(カール)の設定がありきたりところと、ネイサン(語り手)の口調は気に入らないけれど、景色感はわりとすき。

Posted byブクログ

2017/04/15

純粋と虚無と無垢に泣いた。クライマックスのシーンがとてつもなく鮮烈。 「流」もとてもよかったけれどこちらもとても良かった。

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2017/01/09

思い出したのはマキャモンの「スワン・ソング」。 こちらでは、何が起きて何が設定(キャンディ線)されたのかのはっきりした記述がなくぼんやり。まぁ、書きたかったのはそこじゃなかったからだと思うんだけど、気になって集中できなかったのが現実。残念なわたし。

Posted byブクログ

2016/12/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

アルファベットの題名はBeyond the Block Rider:JESUS WALKING ON THE WATER~私は白聖書派の追跡者で、最初は食人鬼ダニー・レヴンワーズを追っていたが、一緒に行動しているナサニエル・ヘイレンがリストの上に上がってきて変更した。ナットは6.16以前にNYでダンサーになろうとしてヒッチハイクを続けてきた母が男3人に暴行を受け、障碍を持つ兄ウッドロウと共に生まれてきた、母と同じ美貌を持つ男性だ。2173年6月16日小惑星ナイチンゲールが核攻撃で粉々になりながらも地球に衝突して世界は一変した。その時、母親殺しで刑務所に入っていたナットは、政府が東部住民を守るために設定したキャンディ線を越えて西部に踏み出した。食糧が供給されない地域では、人を殺して食べる状況が生じており、人と牛の遺伝子を組み合わせて新たな食肉を生産しようと言う計画もある。南西部に住む人々は罪を背負い、エルモロの落差900mの水場に至る階段を一人で作ったナサニエルを黒騎士と呼ぶようになり、湖を歩いて渡ったイエス様と同じように、救世主と考えるようになったのだ。彼の生い立ちは…、双子の兄はどのように死に至ったのか…、如何に監獄からニューメキシコに至ったのか…、どのように亡くなったのか~台湾を舞台にした小説は何だったっけ? そうそう「流」だった。台湾籍の儘らしくて本名は王震緒で警察の中国人通訳をしていたり、今は大学でも中国語を教えているらしい。未来ものを書くとは思わなかった

Posted byブクログ

2016/11/07

2173.6.16ナイチンゲール小惑星破片の衝突で破壊された北米大陸では食人が生きるすべとなっていた。この世界観に入り込むの時間がかかり、前半はてこずった。序文で概略が示されているので、途中で戻ってもういちど読みこむべきだった。後から知ったのだが、ブラックライダーという作品で設定...

2173.6.16ナイチンゲール小惑星破片の衝突で破壊された北米大陸では食人が生きるすべとなっていた。この世界観に入り込むの時間がかかり、前半はてこずった。序文で概略が示されているので、途中で戻ってもういちど読みこむべきだった。後から知ったのだが、ブラックライダーという作品で設定された世界らしい。 その世界で神格化されていくナサニエル・ヘイレンの贖罪の旅のはなしが、イエスキリストの行跡にも重ねられていく。

Posted byブクログ