素晴らしいアメリカ野球 の商品レビュー
新潮文庫の「村上柴田翻訳堂」から手にした一冊。70年代の半ばに出た「集英社版 世界の文学」に収められた小説が、柴田元幸の味わいある注釈と「村上柴田翻訳堂」の主人二人による対談形式の解説によってよみがえった。 ハナシとしては、もうとんでもない大ぼら。ナショナル、アメリカンの両リーグ...
新潮文庫の「村上柴田翻訳堂」から手にした一冊。70年代の半ばに出た「集英社版 世界の文学」に収められた小説が、柴田元幸の味わいある注釈と「村上柴田翻訳堂」の主人二人による対談形式の解説によってよみがえった。 ハナシとしては、もうとんでもない大ぼら。ナショナル、アメリカンの両リーグの他に「愛国リーグ」なるものが存在し、そこに所属するマンディーズというチームには、52歳の現役選手、片腕がない選手、身長1mに満たない小人選手がいたり、しまいには共産主義のスパイまで。 虚実ないまぜどころか、虚ばかり。しかも文庫640ページを超える長編ときているから、もう腹いっぱいを通り越して苦痛すら覚える。 原題は「The Great American Novel」で、文字通りに訳せば「偉大なるアメリカの小説」こんなけったいなタイトルを付けた背景は主人二人の対談に詳しいが、このタイトルをつけた本書が世に出たのはウォーターゲート事件が起きた1973年。偉大なるアメリカにほころびが出始めた頃。村上春樹の「ある種、その幕引きとしてこういう作品をロスが書いたという意味は大きいですよね」というコメントに妙に説得力を感じる。
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大学でアメリカ文学勉強している人にオススメ。 モビーディックや緋文字やヘミングウェイなどとにかく巨匠のパロが目白押し。 最高に面白かった。
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翻訳では「素晴らしいアメリカ野球」だけれど、原題は「素晴らしいアメリカ小説」。そのくらい翻訳の難しい話だし、虚構の塊だし(一応、最後の最後で野球ではなく小説と言えるようになるけれど、ほぼ全編、アメリカ野球の話)、この小説、アメリカでどのくらいの人が読んだんだろう。同じようにメルヴ...
翻訳では「素晴らしいアメリカ野球」だけれど、原題は「素晴らしいアメリカ小説」。そのくらい翻訳の難しい話だし、虚構の塊だし(一応、最後の最後で野球ではなく小説と言えるようになるけれど、ほぼ全編、アメリカ野球の話)、この小説、アメリカでどのくらいの人が読んだんだろう。同じようにメルヴィルの「白鯨」をアメリカでどのくらいの人が読んだんだろう。まして日本で「白鯨」を読み終えた人の数は知れていると思う。 それにしても読むのが困難な文章ってあるんですね。いやはや。
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架空の野球チームの物語ってことで「ユニヴァーサル野球協会」を思い出したりもしたんだけど、読んでる最中に思い出したのは「愉楽」かな。障碍者の扱いがひどくて「怒られるだろコレ」という点で。野球好きとしては「おもしろいけど、もう野球関係なくね?」という部分の不満は伊坂の「あるキング」を...
架空の野球チームの物語ってことで「ユニヴァーサル野球協会」を思い出したりもしたんだけど、読んでる最中に思い出したのは「愉楽」かな。障碍者の扱いがひどくて「怒られるだろコレ」という点で。野球好きとしては「おもしろいけど、もう野球関係なくね?」という部分の不満は伊坂の「あるキング」を思い出したり。送りバントをせずにエンドラン多用理論は「マネーボール」より先に行ってるな、とも思った。あれはある種の定説なんかな? ということで何かもう一つハマれず。荒唐無稽過ぎる?いや、荒唐無稽でもええねんけど何やろな… あと、井上ひさし解説。井上ひさしって吉里吉里人くらいしか読んでないけど、この解説は高橋源ちゃんっぽかった。いや、高橋源ちゃんが井上ひさしっぽいのか?
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問題のある選手たちで構成される放浪球団のお話。とにかく話がどんどん広がり続けていく。面白い部分もあるし、だれてくる部分もある。 アメリカ文学についてよく知っていればもっと楽しめる作品だろうなぁ…と思う。 あと柴田元幸が注釈。
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「悪ふざけ」と評sれているけれども、悪趣味とのぎりぎりの線まで行ってしまうところがアメリカらしいということだろか。その一方できちんとっ文学的んい評価されているところが凄い。日本では小林信彦とか筒井康隆なんかがやっているけれども、お遊びという評価にとどまっているところが悲しい。
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