陽炎の門 の商品レビュー
この作品は、江戸時代を舞台にしているけど、本当の人としての「義」を貫いた武士を描いていて、清々しい。江戸時代は、徳川幕府の政策のために、「愚かな主にでも忠節を尽くすのが武士道」などという馬鹿げた思想が、蔓延っていたので、この作品のような「義」を通す話は、気持ち良い。
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親友の罪を証言し、その親友の切腹に立ち会い首を落とした主人公の桐谷主水。その事もあり、「氷柱の主水」と呼ばれて下士から執政に昇り詰める。親友の娘を娶るが、その弟が真犯人が居るとして主水を父の仇と藩に敵討ちを求める。元々、周囲は主水に批判的で失脚した方が良いという雰囲気。監視が付き...
親友の罪を証言し、その親友の切腹に立ち会い首を落とした主人公の桐谷主水。その事もあり、「氷柱の主水」と呼ばれて下士から執政に昇り詰める。親友の娘を娶るが、その弟が真犯人が居るとして主水を父の仇と藩に敵討ちを求める。元々、周囲は主水に批判的で失脚した方が良いという雰囲気。監視が付き、これが非常に嫌な奴。ここまで読むと非常に重く陰鬱で、読む気が失せてくる。 真犯人探しが始まると急転してゆく。ミステリの要素が増えてくる。元対立派閥のトップに面談したことにより、原因と犯人が分かる。他の執政達は知っていて隠蔽していた。敢然と闘おうとする主水。 秘策を以って敵討ちに臨む。最後は意外な人物が手助けする。ただ、一番最後に詳細な事実が明かされるが、何だか安っぽい話しに落とされたような気分になる。
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葉室麟の本はいつも面白いが、本作もその通り。本作は終わり方も比較的明るくて良いと思う。前半は主人公がかなりの窮地に追いやられ、読んでいて苦しく感じるほど。それだけ感情移入できるということだし、ストーリー展開も自然で納得できる。心洗われる読書をしたい人にはオススメの作家。
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飼い犬の苦労などたかが知れておるわ。その日の飯にも困り、寝る場所を探して風雨にさらされる世過ぎ味わえば、綺麗事は言っておられるようになるのだ 生きたいと思って生きているものは存外、少ないものだ。皆、死ぬのも嫌だから、仕方なく生きておるだけじゃ 正義を振りかざし、悪を倒すのもいわば己の立場を守らんがための方便でなのではありますまいか 人生は選択の積み重ねである
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面白かった 時代小説ながらもミステリー ミステリーとして読むと、ちょっといまいちなところはありますが、最後のどんでん返しもあって、楽しめました。 ストーリとしては 下士あがりで執政に昇り詰めた桐谷主水が主人公。 初登城では四面楚歌。親友を見捨てて出世した卑怯者として、周りから疎...
面白かった 時代小説ながらもミステリー ミステリーとして読むと、ちょっといまいちなところはありますが、最後のどんでん返しもあって、楽しめました。 ストーリとしては 下士あがりで執政に昇り詰めた桐谷主水が主人公。 初登城では四面楚歌。親友を見捨てて出世した卑怯者として、周りから疎まれます。 10年前、主水の親友綱四郎が前藩主を中傷する落書を書いたとして疑われ、主水はその筆跡が綱四郎と証言。結果、綱四郎は切腹、介錯は主水が行うことに。 出世のために親友を見捨てたとみなされます。 そして、その娘を妻に迎えて暮らしてしますが、綱四郎の息子が10年前の事件の犯人が綱四郎ではないという証拠をもって、仇討ちに現れます。 10年前の事件は冤罪だったのか? 事件の真相を調べなおそうとしますが、主水の監視役に与十郎がつけらえます。 与十郎は敵なのか?味方なのか? 落書に署名されていた「百足」の文字 百足はだれなのか? 事件の真相は? といった展開です。 そして明らかになる驚きの真相。 悪人たちに対して、反撃する主水 半沢直樹を彷彿とさせます(笑) そして黒幕が明らかになったとき、哀しく、苦しい想いも明らかになります。 ここが葉室麟なのねって感じ。 とってもお勧め
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「人生は選択の積み重ねである」と解説で述べられてあるが、人生の岐路の立っての判断ともいえるだろう。 些細な日常でも、右か左か正か否か、読者もまた様々な局面で判断を強いられているだろう(コロナウイルス騒動の現在も)。 過去に下した己の判断の正否が、心の重荷になっている主人公。冷酷非...
「人生は選択の積み重ねである」と解説で述べられてあるが、人生の岐路の立っての判断ともいえるだろう。 些細な日常でも、右か左か正か否か、読者もまた様々な局面で判断を強いられているだろう(コロナウイルス騒動の現在も)。 過去に下した己の判断の正否が、心の重荷になっている主人公。冷酷非情に藩命を遂行し、「氷柱の主水」とも仇名されている。 著者の小説の大概を占める清廉潔白な主人公とは一線を画する人物設定。 事件の鍵となる落書の真相を巡って窮地に陥ると、謀計術策を駆使し、局面転回を図る。 誰が味方で誰が敵か、ミステリアスな展開に、夫婦愛や男の友情も加わり、読者の目をくぎ付けにさせる時代小説。
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前半孤立していた桐谷主水が、後半過去の事情が明らかになり、反撃をしていくところが見どころです。 鬼畜な藩主に向かって「それがしは、不忠、不義の悪臣、桐谷主水でござる」と言い放つシーンはスキッとしました。 早瀬与十郎の言動が不可解でしたが、ラストの手紙で彼の“複雑すぎる”心境がそうさせていたのだな、と納得しました。
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内容紹介 下士上がりで執政に昇り詰めた桐谷主水。執政となり初登城した日から、忌まわしい事件が蒸し返され、人生は暗転する。己は友を見捨て出世した卑怯者なのか。三十半ばにして娶った妻・由布は、己の手で介錯した親友の娘だった。自らの手で介錯した親友の息子・喬之助が仇討ちに現れて窮地に至...
内容紹介 下士上がりで執政に昇り詰めた桐谷主水。執政となり初登城した日から、忌まわしい事件が蒸し返され、人生は暗転する。己は友を見捨て出世した卑怯者なのか。三十半ばにして娶った妻・由布は、己の手で介錯した親友の娘だった。自らの手で介錯した親友の息子・喬之助が仇討ちに現れて窮地に至る主水。事件の鍵となる不可解な落書の真相とは――武士の挫折と再生を切々と訴える傑作。 (解説・大矢博子) 著者史上、最上の哀切と感動が押し寄せる、直木賞作家・葉室麟の傑作! 峻烈な筆で武士の矜持を描き出す渾身の時代長編。 下士上がりで執政に昇り詰めた桐谷主水。執政となり初登城した日から、忌まわしい事件が蒸し返され、人生は暗転する。己は友を見捨て出世した卑怯者なのか。三十半ばにして娶った妻・由布は、己の手で介錯した親友の娘だった。自らの手で介錯した親友の息子・喬之助が仇討ちに現れて窮地に至る主水。事件の鍵となる不可解な落書の真相とは――武士の挫折と再生を切々と訴える傑作。 令和元年7月12日~14日
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まさかまさかの展開。四面楚歌の主人公の味方にこの人物が。そして切ない別れ。読んで良かった珠玉の作品。
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過去が今の私を襲ってきた。過去が今の私を救うのか?それとも殺されてしまうのか?ミステリーがらみの時代小説。
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