シーラスと黒い馬 の商品レビュー
(あらすじ) シーラスは旅芸人の一座で生まれ育った。リーダーのフィリップからサーベル呑みの芸を強要され、それが嫌で逃げて来た。お腹を空かせてヘトヘトな所を馬商人のバートリンに助けられる。 バートリンはシーラスを馬小屋の下働きに雇おうとしたがシーラスは嫌がり馬がほしいと言い出す。...
(あらすじ) シーラスは旅芸人の一座で生まれ育った。リーダーのフィリップからサーベル呑みの芸を強要され、それが嫌で逃げて来た。お腹を空かせてヘトヘトな所を馬商人のバートリンに助けられる。 バートリンはシーラスを馬小屋の下働きに雇おうとしたがシーラスは嫌がり馬がほしいと言い出す。しかも一番上等の黒い馬がほしいと言う。もしもあの馬を上手に乗りこなせたらあげようと馬商人は約束し、シーラスは見事に乗りこなしバートリンの所を出て行く。 が、次に行った村では食事と一緒に酒を飲まされ、寝ている間に馬を奪い取られ、オールのないボートに乗せられ川に流される… ーーーーーーーーーーーーーーーー 最初のページから語り口が上手く、ぐいぐい読まされた。ストーリーの展開も悪くない。 主人公のシーラスはこれまで苦労してきたので、決して子どもらしい純真さはない。が、大人の狡さに立ち向かって行く勇気と、少し狡猾な所を合わせ持っている。これは一種のピカレスク小説であり、シーラスの高い身体能力で難を逃れるというエンターテイメント性もある。 ここ出てくる大人達は悪人とまではいかないが、皆何処かズルい。その中でシーラスが親しくなる少年、ビン・ゴーヂックの母親ヨアンナと、カワウソ猟師のアーロンだけは好人物で安心させられる。 これもシリーズもので、全部で14巻もあるらしい。ちょっと大変そうだけど、そのうち読んでみたい。
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