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はるひのの、はる の商品レビュー

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22件のお客様レビュー

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2024/07/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

一作目の主人公サヤの息子ユウスケと彼の成長の折に出会う人々の物語。 前二作で活躍した登場人物たちは出番がほとんどない(実はユウスケも前半はあまり出番がない)のが少しさみしくもあるが皆元気そうで安心する。 後半は並行世界。ややこんがらがったが再読して理解。 父母に似て優しい少年に育ったユウスケ。 サヤがユウスケを守ってきたように、今度はユウスケがサヤと華を守っていくんだろうなと思う。 ※個人的私感になるが、さやさんに思い入れがある一読者としてはプロローグで“それ以上に”とは言わないでほしかったなぁ。

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2022/11/04

「理解しよう」と思って読んではいけない。活字の中へ身を投じ、そこにあふれる光を愛で、風を感じ、聞こえる音に耳を澄ます。そして目の前に繰り広げられる出来事を見つめているうちに、暖かな感動の波にゆっくりと包み込まれていく、この本は、きっとそういう本だ。 最初から種明かしされている通...

「理解しよう」と思って読んではいけない。活字の中へ身を投じ、そこにあふれる光を愛で、風を感じ、聞こえる音に耳を澄ます。そして目の前に繰り広げられる出来事を見つめているうちに、暖かな感動の波にゆっくりと包み込まれていく、この本は、きっとそういう本だ。 最初から種明かしされている通り、本書は「ささら、さや」から始まる三部作の、最終章にあたる、と言っても、本書だけで独立した一冊として成立しているので、前作たちを読んでいなくても、きれいさっぱり忘れていても(^ ^; この本だけで楽しめる。 内容は...「壮大な、超個人的な事情」と言うか(^ ^; 章ごとに主人公が変わったり、幽霊が見えたり見えなかったり、殺人事件があったり無かったり、未来人と出会ったり、ドッペルゲンガー(?)と出会ったり... 時間も場所も人間関係も、かなりあちこち行き来しつつ進む。同じ話が、後から微妙に「ずれて」再登場したり... ...という訳で、脳が硬化しているおぢさんは「理解する」のを諦めました(^ ^; ゆったりと温かい活字の流れに身を委ねていれば、上流から「感動」がドンブラコ、と流れてきます(^ ^ 分かってはいても、まんまと感動させられてしまうのは、これぞ「筆力」といふものなのでせう(^ ^ 結構なものを読ませていただきました(^o^

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2022/08/26

霊視のホラーミステリーですね。 久しぶりに加納さんの作品を読みたくなって、積ん読の本棚から抜き出してみました。 「ささら さら」を読んでから随分たちますが、ユウスケの成長後の話ですね。父親の霊から護られる優しい母子と、母子の暮らしを支える住民との心温まるハートフルミステリーでした...

霊視のホラーミステリーですね。 久しぶりに加納さんの作品を読みたくなって、積ん読の本棚から抜き出してみました。 「ささら さら」を読んでから随分たちますが、ユウスケの成長後の話ですね。父親の霊から護られる優しい母子と、母子の暮らしを支える住民との心温まるハートフルミステリーでした。 今回も短編連作で、ユウスケと「はるひ」の命を守る不思議なハートフルミステリーでした。「はるひ」が謎の少女でタイムトラベラーのようでもあり、ユウスケと様々な霊をふくめて出会いと結び付きを演出します。物語は複雑と混迷を醸し出していきますが、加納ワールドの謎解きで秘密が明らかにされていきます。 加納さんの澄んだ爽やかなでアイロニー豊かな文章に久しぶりに浸れて楽しい時間を過ごせました。 ホラー系は余り読まないのですが、たまには良いかな。 心温まるホラーミステリーだからこそ読みたい作品でした。

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2021/09/04

「ささらさや」「てるてるあした」に続くシリーズ最終巻。 ユウ坊も保育園児となり大きくなってと思っていたら、話が終わる時にはいい大人になっちゃった、あれよあれよ。 赤ちゃんの頃に亡き父の幽霊が視えていたユウ坊だけど、まだ幽霊が視えるようで、そこに未来から来た(?)と言う”はるひ”...

「ささらさや」「てるてるあした」に続くシリーズ最終巻。 ユウ坊も保育園児となり大きくなってと思っていたら、話が終わる時にはいい大人になっちゃった、あれよあれよ。 赤ちゃんの頃に亡き父の幽霊が視えていたユウ坊だけど、まだ幽霊が視えるようで、そこに未来から来た(?)と言う”はるひ”という女の子が絡んで進む物語。 この作者らしい雰囲気でそれぞれのお話は楽しめたのだけど、“はるひ”の正体や不思議な出来事の謎は、種を明かされても前に戻って読み直しても、私の頭ではよく分からないところがあったよ…。 ユウ坊が立派に育ってくれて良かったな。

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2021/08/25

 ここ数年、ちゃんと本を読んでおらず、しばらく前に買い込んだ本たちも積んだまま手にも取らずに放置してた。何か理由があるわけではなく、例えばようやく地元に帰れたり、それに伴って通勤時間が激減したり、そうこうしてるうちに疫病が蔓延し始めて在宅勤務が続いたり、といった色んな要素が積み重...

 ここ数年、ちゃんと本を読んでおらず、しばらく前に買い込んだ本たちも積んだまま手にも取らずに放置してた。何か理由があるわけではなく、例えばようやく地元に帰れたり、それに伴って通勤時間が激減したり、そうこうしてるうちに疫病が蔓延し始めて在宅勤務が続いたり、といった色んな要素が積み重なった結果かなと思う。まあ、その前から、若い頃に比べて本を読まなくなっちゃった所はあるのだけど。歳のせいというより、スマートフォンでのゲームとか、まあそういう諸々のあれがあれで。  ということで、しばらく前に購入したまま積んでいた本書をふと手にとって、読み始めたら止まらなくなった。気がついたら最後まで一気読みして、満足のため息を一つ。  昔から、ほんと初期の頃から加納朋子の大ファンなのだけど、こんなに巧かったっけと思ってしまうくらい、物語に引き込まれた。  連作短編で紡がれていく大きな物語というのは著者の持ち味で、伏線という意味では本作は決して巧みではない部分もあったように思うのだけど、そういうギミックではないところが本当に巧いなと唸らされた。  決して派手な作品ではないし、驚天動地といった大掛かりな仕掛けがあるわけでもない。静かに優しく滑らかに紡がれていく物語の手触りが、なんとも言えず心地いい。  個人的には、「はるのひの、あき」が最高だった。この展開はちょっと想像してなかったし、そうくるかあと唸りつつ感動で胸が一杯になった。  やっぱり加納作品はいいなあ、としみじみ思わせてくれました。オススメ。  あと、解説で書かれていたエピソードを読んで思わず吹き出し、読後の感慨がどっか行きましたw

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2020/04/05

これで完結となる「ささら」シリーズですが締めくくりにふさわしい良いお話でした。ものすごく語りたいのだけど、ネタバレするのが勿体無いから一言だけ。読んだ誰もが二度読みすること間違いなし!!

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2018/05/27

タイムスリップもの。はるひでタイムスリップで、これまた憂鬱な……とは全然違うから大丈夫。たまたま、たまたま。ユウ君が良い子に育ってて、良い娘と出会って、「ささら」シリーズもまぁるくおさまって、めでたしめでたし。

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2017/12/08

加納朋子のはるひのの、はるを読みました。 ささらさやシリーズの3作目でした。 ささらさやでは赤ちゃんだったユウスケが少年から大人に成長していくときに、ときどきはるひという少女が現れてユウスケにお願い事をしていきます。 ユウスケは幽霊を見ることができて、その幽霊と話をすることもで...

加納朋子のはるひのの、はるを読みました。 ささらさやシリーズの3作目でした。 ささらさやでは赤ちゃんだったユウスケが少年から大人に成長していくときに、ときどきはるひという少女が現れてユウスケにお願い事をしていきます。 ユウスケは幽霊を見ることができて、その幽霊と話をすることもできることがあります。 それぞれの短編で起きた事件が最後のエピソードに収束していきます。 それぞれの短編は面白く読みましたが、時間を超えた物語であることでちょっと全体が分かりにくかったのが残念です。

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2017/07/27

シリーズで一番ファンタジーなお話しでした。 加納さんの紡ぐ温かい物語が大好きです。 ユウスケ、大きくなったなあ。テルちゃん、働くお母さんになったのか。サヤさん、意外にちゃんと母親してるじゃないの。と親戚のオバチャンの気分で読んだ。

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2017/02/05

「ささらさや」から始まる佐々良シリーズの3作目にして最終巻。前2作で赤ん坊だったユウスケが成長して、主人公に"昇格"しています。「はるひの」って小田急線みたいだなあと思っていたら、本当にそこがネーミングの由来だそうで。そう言えば加納作品って、町田や相模大野辺り...

「ささらさや」から始まる佐々良シリーズの3作目にして最終巻。前2作で赤ん坊だったユウスケが成長して、主人公に"昇格"しています。「はるひの」って小田急線みたいだなあと思っていたら、本当にそこがネーミングの由来だそうで。そう言えば加納作品って、町田や相模大野辺りの風景が出てくる事が多々ありましたね。 さて、内容はと言えば、丁寧に散りばめられた伏線、ハートウォームなファンタジー、ちょっとした謎、パッチワークがはまっていく終盤の爽快さ、そして涙がホロリ。まったくもっていつもの加納先生です。大病から無事復帰をされて、またこんな素敵な作品に出会えた事を嬉しく思います。 ただ、正直に言ってしまうと、この作品は佐々良シリーズじゃなくても良かったような気がします。他作品の設定をあえて引きずらなくても、一からキャラクターを造形して生き生きとした物語を紡ぐ事が出来たのではないでしょうか。中学編のテンポ良いやり取りが大層お気に入りなのですが、前2作ってこんなノリだったっけ…?という疑念がかすめた事も確かです。個人的には、シリーズに組み入れた事で星ひとつ損した感が。うーん、贅沢な注文でしょうか。

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