アカガミ の商品レビュー
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読み始めたら止まらなかった。 ミツキとサツキ、初対面で一緒に暮らすようになり、二人がすこしずつ歩み寄って、夫婦になっていくさまがとてもよかった。初々しくて、どきどき、そわそわして。ふたりの性格も好きだな。だから、ちょっと重たいお話でも読み進めれたのかもしれない。 ラストはなかなかザワッとする感じだった。 国がすべてサポートしてくれるけれど、手厚すぎてこわいな・・と思ってたんだよね。 でもほんとに未来にこんなことになってしまったら・・なんて思うとほんとこわい。自殺が増えてるというのもリアルだったしね。 いつもの窪さんとはすこし感じが違うくて、これもまた興味深くおもしろく読めた。また窪さん読みたくなってきちゃったな。。やっぱり好き。嘘がなくて。
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近未来、若者の草食化が進み、彼らは異性を求める欲求がなく恋愛も結婚もしない。自殺も多く平均寿命が40歳という世の中。 渋谷で出会った謎の女性・ログの勧められ、ミツキは国が設立したお見合いシステム「アカガミ」に志願した。 謎が解明されない、非常に気になる終わり方。 ラストは結構意外だった。
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窪さん二冊目。「アカガミ」なんて不穏なタイトルなんだ、と発売当初から思っていたけど、読み始めて、この近未来、それもとても近い近未来の味気のなさ、ザリザリした空気の感触になんだか気持ちが灰色に満たされていくような気持ちになった。 主人公のミツキには父の不倫で心が壊れた母親と二人暮らし。若者は減る一方だけど、介護を必要とする老人は増える一方の都心。そこで介護の仕事をしているミツキは自殺をしようととあるバーでお酒と薬を飲む。しかし彼女は助かってしまう。店に居合わせたログという女は彼女に自殺をするなら人の迷惑のかからないところでするように言い渡される。そんな出会いから交流を持つようになったミツキとログ。ある日ログからミツキは国が秘密裏に行っている「アカガミ」というプログラムに参加しないかと持ち掛ける。 他人への興味も性欲も希薄な世代のミツキ。彼女たちの世代は四十台で死んでしまうと言われていた。そのためか自殺者も多い。そんな若者たちに相手をマッチングし、つがいになる場所を提供し、そこでつがいになった二人は子供を授かると、また場所をうつし、子育てに最適な環境を提供される。このプログラムに参加していれば、住む場所、食事、家族の生活を保障される。 ミツキはつがいに選ばれたサツキは家族を食べさせるためにこの制度に参加した。 二人はいつしか惹かれ合い、そしてまぐあう。そして子供を授かる。大きくなっていくお腹。手厚すぎる保護を受けて、二人の生活は進んでいくが、互いに胸の内側で言い表す言葉が浮かばないような不穏を感じていた。 そして出産のとき。 二人には思わぬ悲劇?ーーが。 窪さんの文章ってこんなんだったっけ、と最初は戸惑った。かなりぶっきら棒。無反応、無感動な主人公を描くのにはこれくらい色のない文章の方が自然なんだろうけれど。この無色無味の世界が、サツキとの出会いで色のあるものになっていく過程、緊張が解けていくみたいでいい。 最後、彼はこれでよかったと心から思ってくれてよかった。ハルノさんはどうなっていくんだろう。適合だった子供はどうなっていくのか、そしてその親は?そこがかなり気になる。ログという人には罰則とかあるんだろうか。
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作者の本心でなく、内容に則すための表現なのだろうが、産まない女性を否定されてる点は読んでいて気分が悪い。ただ、結末は⚪。良かったね、と主人公に安心する。
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恋愛どころか人との交流さえも希薄になっている未来は想像に容易い。システムとして続けられていく営みにはきっちりした枠があり、そこからはみ出すものは除外されるということ。義務的なきっかけでも、人を想うことを知り、互いを求めて信頼し合う場面にはグッときた。
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2000年以降に生まれた若者の寿命は四十歳までもたないかもしれない。 今いる数の少ない若者は長生きできず、五十年後には日本は老人だらけの国になる。 その為に、 国家を挙げたプロジェクト。 「アカガミ」 お見合い制度。 性欲。無欲。 生きる意欲さえも無くなった 若者たちを、出逢わせ...
2000年以降に生まれた若者の寿命は四十歳までもたないかもしれない。 今いる数の少ない若者は長生きできず、五十年後には日本は老人だらけの国になる。 その為に、 国家を挙げたプロジェクト。 「アカガミ」 お見合い制度。 性欲。無欲。 生きる意欲さえも無くなった 若者たちを、出逢わせ、 赤ちゃんを産ませる。 なるほど!なるほど! なかなか、おもしろい。 最後。 えー!びっくり! この本の続きが 読みたいです。
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若者のほとんどが恋愛も結婚もせずに一生を終える選択をするような時代。 高齢化社会は進み、自殺志願者の若者が続出。 そんな中、国が打ち出した対応策が『アカガミ』と呼ばれるお見合い制度。 これは悲劇的な結末なのか、ハッピーエンドなのか…。
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何故?アカガミという題名なのかは最後の方で分かったような気がした。今の風潮をかなり飛躍して発想した作品だ。今から数十年経つとどうなるんだろう?などと考えながら読み終えた。主人公が最後に笑うという件りで終わったのは自分なりに理解できてると思うが、そもそもこの物語はそんなオチで終わる...
何故?アカガミという題名なのかは最後の方で分かったような気がした。今の風潮をかなり飛躍して発想した作品だ。今から数十年経つとどうなるんだろう?などと考えながら読み終えた。主人公が最後に笑うという件りで終わったのは自分なりに理解できてると思うが、そもそもこの物語はそんなオチで終わる位のストーリーだったんだ!?
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近未来のちょっとありえるこわい話。 自殺、うつ、人との関わりを避ける、家族を作ることもない、そんな若者を救済するかのようなシステム=アカガミ。 マッチングされた男女が同居し、子どもを作り、そして… 前半じわじわと関係を作り、後半一気に加速するストーリー。
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図書館で2回にわたって借りてきた。後半は、ほぼ一気読みだった。衝撃のラストとか言っていたけど、そういう衝撃を売りにする小説ではないな。ディストピア小説。未来を描いているように見せて、もちろん今の社会のありようをつき進めたときの怖さを書いている。面白かった。あのラストシーンは、むし...
図書館で2回にわたって借りてきた。後半は、ほぼ一気読みだった。衝撃のラストとか言っていたけど、そういう衝撃を売りにする小説ではないな。ディストピア小説。未来を描いているように見せて、もちろん今の社会のありようをつき進めたときの怖さを書いている。面白かった。あのラストシーンは、むしろ救われたということなんだろうな。実際のあの社会、アカガミの正体がどんなものだったのか。怖いもの見たさで、知りたかった気はする。ログが、あとから知ったのはなんだったのか、とかね。
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