アカガミ の商品レビュー
この小説でいうアカガミの意味は? 設定は2020年東京オリンピック以降の日本。出生率の低下に対して、若者の新たな価値観や、その対策を描く。性的な施策や描写に対し、ギリギリ気色悪くならないラインでの描きは流石の女流。個人の意思とは関係なく支配される世界観に、想像が耐え得るか。しか...
この小説でいうアカガミの意味は? 設定は2020年東京オリンピック以降の日本。出生率の低下に対して、若者の新たな価値観や、その対策を描く。性的な施策や描写に対し、ギリギリ気色悪くならないラインでの描きは流石の女流。個人の意思とは関係なく支配される世界観に、想像が耐え得るか。しかし、結局の所、気付かぬ管理社会で飼い殺されているのは、現実社会もさして変わらないのかも知れない。そう考えると、ゾッとする。
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とてもインパクトのある、読者に様々なことを考えさせる小説だと思います。時代は2030年、渋谷のスクランブル交差点に若者の姿は見当たらない。若者の自殺は増え、平均寿命は40歳ぐらいか・・・。国は2020年に少子化対策として「アカガミ」制度を開始。30歳未満の志願者の中から優秀な男女...
とてもインパクトのある、読者に様々なことを考えさせる小説だと思います。時代は2030年、渋谷のスクランブル交差点に若者の姿は見当たらない。若者の自殺は増え、平均寿命は40歳ぐらいか・・・。国は2020年に少子化対策として「アカガミ」制度を開始。30歳未満の志願者の中から優秀な男女のペアを国が選別し優遇してセックス~妊娠~出産と。サツキとミツキもその内のペア。とても大事にされているけど、隔離されてるとも言えるし、また飼われているような気持ちにも。さて、この「アカガミ」政策の真の狙いは。
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評価に悩む話ですね。設定はいつもの窪さんとは少し異なり面白いと思いました。ストーリーも不安を伴いながら成長や感情の変化も感じられ、良かったのですが、最後の展開には賛否がありそうです。救われたとみるべきなんでしょうけど、放り出されて不安の残る終わりでした。
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アカガミ 著作 窪美澄 生きることの痛みと選択、そして輝きを見つめる衝撃作 ミツキは設定したお見合いのシステム「アカガミ」に志願した。しかし、これはイセイと話すことすらできない彼女にとって国が教える恋愛や家族は異様なもののでパートナーに選ばれたミツキとの団地生活も不安と驚きの連続。 タイムライン https://booklog.jp/timeline/users/collabo39698
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2030年の日本、若者達は生や性に対する興味を完全に無くしていた。 体だけは大人へと変化しているにも関わらず、恋愛感情を理解できない、という。 そんな若者達や日本の将来を憂い、国が作り出した制度「アカガミ」。 志願者をマッチングして一緒に住まわせ子供を産ませる、というもの。 読んでいると怖くなる。 何が怖いって、もしかしたらこんな制度を現代の日本の政府が近い将来、作り出す可能性を否定できないところ。 時代設定もそんなに遠くはない未来の日本。 未婚の若者が増加し出生率も低下している現状を見ると、こんな未来も侮れない。 超合理的な結婚システム。 けれど結婚制度を合理的にはできても、人の気持ちは合理的に操作できない。 「アカガミ」で知り合えた二人の行く末がとても気になる。 本物の家族となり自分達の力で真の幸せを掴み取ってほしい。 戦時中、赤紙を受け取った若者達はお国のために戦場で敵と戦わされた。 近未来の日本における「アカガミ」もまた少子高齢化に歯止めをかけるため、お国のために産めよ増やせよ、と若者達から自由を奪おうというのか。 いつの世も犠牲になるのは発言力のない年若き者達…皮肉なものだ。 「あなたのことを誰かが好きになれば、少なくとも、その誰かはあなたの顔を忘れないわ。万一、あなたが恋をして結婚して、子どもを産めば、その子どもは母親の顔を忘れないわ」 結婚とは家族をつくるとは、本来そういうものと信じたい。
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少子化、後期高齢者の時代、、、未来は、どうなる? 題名の「アカガミ」も、戦争を知らない私でさえ、最初は、戦争もの?なんて思ってしまったが、これは、国と子どもを持つ親との戦争(?)みたいなものである。 住居費も食費も要らず、出産にかかる医療費も無料という甘い餌が、どのような結末に...
少子化、後期高齢者の時代、、、未来は、どうなる? 題名の「アカガミ」も、戦争を知らない私でさえ、最初は、戦争もの?なんて思ってしまったが、これは、国と子どもを持つ親との戦争(?)みたいなものである。 住居費も食費も要らず、出産にかかる医療費も無料という甘い餌が、どのような結末になるのか? 国が生み出した策略は、結婚出産支援制度 生と性の行方は? 新しい家庭とは、、、 話は、2020年のオリンピック以降の十数年後が、描かれているのだが、、、、 青年の鬱、自殺も描かれて、そして、結婚離れ、、、、 、赤ちゃんを見かけることが、少なくなってきていると、、、そして、親の看護も、、、 しかし、今世界を眺めると、中国より、インドの出産率が、多くなり、これからの日本もグローバル化していき、日本で、日本人を見かける事が、少なくなるかもしれない方が、リアルではないか?と、思いながら読み進んでしまった。 まだまだ、後20年後程は、このような事態には、ならないであろう、と、思った。
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タイトルと設定でちょっと躊躇ったんだけど、2人が惹かれ合う恋愛要素や、ミツキの親子関係もあって読み始めるとどんどん読めてしまった。 窪さんの作品には介護職のリアリティが詰まってる。
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恋愛、結婚、セックスをしなくなった若者たち。 少子化に拍車がかかり、『アカガミ』という国が作ったお見合い制度に参加する男女たちを描いたディストピア的な小説。 序盤から何だか不穏な空気が漂っていて、途中まではカズオ・イシグロの「わたしを離さないで」を読んだ時の感覚に似てるなぁと感...
恋愛、結婚、セックスをしなくなった若者たち。 少子化に拍車がかかり、『アカガミ』という国が作ったお見合い制度に参加する男女たちを描いたディストピア的な小説。 序盤から何だか不穏な空気が漂っていて、途中まではカズオ・イシグロの「わたしを離さないで」を読んだ時の感覚に似てるなぁと感じる。 ただ終わり方が少し残念。 ハッピーエンドともバットエンドとも取れるラストだったのだけれど、どうせやるならもっと極端にしてくれたらSFとして楽しめたなぁ。
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本当に一気に読みきってしまいました。 最初から最後まで、どうなるの、何が起こるのという興味と衝動がおさまらず、そしてラスト衝撃の結末。 もしかしたらそう遠くない未来に起こり得ることなのかもと思うと、背筋が寒くなる思いでした。 晩婚化や未婚、少子化、自殺者の増加が進む現代。 それ...
本当に一気に読みきってしまいました。 最初から最後まで、どうなるの、何が起こるのという興味と衝動がおさまらず、そしてラスト衝撃の結末。 もしかしたらそう遠くない未来に起こり得ることなのかもと思うと、背筋が寒くなる思いでした。 晩婚化や未婚、少子化、自殺者の増加が進む現代。 それでも性に対する衝動は本能的に抑えられるものではないと思っていたけれど…。 作中の世界では、10代、20代の2000年以降に生まれた男女は恋愛や結婚はもちろん異性にすら興味を失い、40を超えてなお生きながらえることに恐怖を感じ大半が自殺の道を選んでいます。そこに現れた『アカガミ』という国家的お見合いシステム。果たして男女が出会い、結婚し、子供が産まれ新しい家族を作っていくことの『システム』を、国が無償で提供する目的はどこにあるのか…? もう一度読みたい!と思うような作品ではないけれど(失礼)いろんな人にこの本を紹介して読んでもらって、どんなことを感じたか語り合いたい。そんなことを思いました。
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近未来の日本を描いた小説。SFの要素が大きいながら本当に将来の日本にこのような制度ができてしまうのではないかと感じる。 少子化が進み、若者が異性への興味も結婚にもそして「生きる」と言うことにも興味がなくなり、若者の自殺者が多い未来の日本。 そこに登場するのが「アカガミ」という制度...
近未来の日本を描いた小説。SFの要素が大きいながら本当に将来の日本にこのような制度ができてしまうのではないかと感じる。 少子化が進み、若者が異性への興味も結婚にもそして「生きる」と言うことにも興味がなくなり、若者の自殺者が多い未来の日本。 そこに登場するのが「アカガミ」という制度。コンピュータ等により自分に最適と思われる異性を紹介され、結婚、妊娠して子供をもうけるというシステムだ。言うなれば、現代のお見合い制度や婚活産業を国が率先して行うということ。ここで出会う若いカップルの恋愛小説のように思われるのだが、終盤は…というお話である。 若い二人の出会いと恋愛に至る初々しい感情の変化などまるで初恋物語のようである。その感情表現はきめ細やかで、恋愛小説としても文学的に卓越した文章だと感じた。 最後に二人の取る行動はSFとはいえ、「愛」の物語の結末ともいえるものだろう。 恋愛小説としても、SF小説としても楽しめる作品だ。
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