官能と少女 の商品レビュー
宮木あや子さんの短編集。 どのお話に出てくる少女も、哀しくて痛々しくて。 官能部分の描写がストーリーの邪魔をしているようにも感じながら読んでいた。 最後のモンタージュに来て、他の話からの意外な流れに感動。 人間の精神は、危うい。
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センセーショナルなタイトルで手を出しかねていたのですが「悪意」というキーワードを見かけて手を出すことに。 確かに「官能」と少女(というか発育不良の女性)の物語です。 しかし、何とも靭い物語。 その底には虐げられた、あるいは挫折した人々の切ない愛が流れているようです。
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朝日の書評で見て興味を持ったので。女性の視点で性が描かれている。が、ロリータ、軟禁されている少女、生徒と関係をもつ養護教諭、アイドルの夫を待つ幼妻など、そのシチュエーションは様々。著者の作品は『校閲ガール』を読んでいるが、トンマナが全く違う。著者の、女性の、2面性が垣間見れている...
朝日の書評で見て興味を持ったので。女性の視点で性が描かれている。が、ロリータ、軟禁されている少女、生徒と関係をもつ養護教諭、アイドルの夫を待つ幼妻など、そのシチュエーションは様々。著者の作品は『校閲ガール』を読んでいるが、トンマナが全く違う。著者の、女性の、2面性が垣間見れているのか。
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昔から図らずして、日日日「ピーターパン・エンドロール」、村田沙耶香「ギンイロノウタ」や、ドラマCDのCLOSED/UNDERGROUND「幻想廃人 或いは某K氏の手記」、松永天馬「少女か小説か」といくつかの作品に出会ってきました。だから、この「官能と少女」には、出会うべくして出...
昔から図らずして、日日日「ピーターパン・エンドロール」、村田沙耶香「ギンイロノウタ」や、ドラマCDのCLOSED/UNDERGROUND「幻想廃人 或いは某K氏の手記」、松永天馬「少女か小説か」といくつかの作品に出会ってきました。だから、この「官能と少女」には、出会うべくして出会ったとしか思えないのでした。 この子達は私にとっておんなじ部類に入っていて、それは「空想で生きる少女」とでも言えばいいのかと言葉に悩むのですが。なにかが違う少女たちはとびきり魅力的で、気持ちの悪い後味を残して忘れられなくなるので、何時までもこう覚えているわけです。 「官能と少女」は、猥雑に堕ちきらぬ描写とその少女趣味がとても好みでした。 確かに「少女」とは言いがたい年齢の主人公もいますが、誰もが「少女」を確かに孕んでいる。 病的で陰鬱で救いのない、だからこそ愛らしく蠱惑的で心奪われる少女を好む方は是非。お勧めします。 この作品が好きな方は最初にあげた作品も気にかけてみていただけましたら。
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こういう独特のエロティシズムのある雰囲気はとてもとても好き。 漫画とかで読めたらまた違った印象だったかもなぁ。 大学時代にでも読んでたらどっぷり浸かったような気がする。
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2012年刊行の単行本を文庫化。 宮木あや子は初期の作品を幾つか読んだっきり、暫く読んでいなかったのだが、本作は初期作品っぽい雰囲気で、久しぶりに買って良かった。青春小説っぽいものも書いていたような記憶があるのだが、割と作風の振れ幅が大きいタイプなのだろうか。
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