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中央銀行が終わる日 の商品レビュー

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14件のお客様レビュー

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2016/07/13

金融政策とビットコインの話。 ビットコインについては技術論がメインだったように思える。鍵やハッシュのところがわかりにくかった。また実際を知らないのでピンとこない部分もあった。 仮定の話も多く,どこまで妥当性があるのかの判断がつきにくかった。 各国の中央銀行が金融政策で協調す...

金融政策とビットコインの話。 ビットコインについては技術論がメインだったように思える。鍵やハッシュのところがわかりにくかった。また実際を知らないのでピンとこない部分もあった。 仮定の話も多く,どこまで妥当性があるのかの判断がつきにくかった。 各国の中央銀行が金融政策で協調するなか,通貨の選択ができない状態になっている。そんななか通貨の保有から不動産等の保有ではなく,ビットコインやその類似の通貨を選択するかどうか。ビットコインやその類似の通貨は選択肢たりうるかどうか。 他方,「流動性の罠」のなか,中央銀行のおこなう景気対策としての金融政策(量的緩和,異次元緩和等)は有効か。 中央銀行の機能の議論とビットコイン等の議論が交差することがでてくるかどうか。今後の推移を見守りたい。。。 とりあえず,基本から学び直さないと,この本は理解できないと思った。

Posted byブクログ

2016/07/03

中央銀行が通貨の独占発行権を持ち、金融政策による景気対策を行うという現状が既に限界を迎えているとの認識の下、今後の中央銀行はどうあるべきかを、ビットコインをはじめとする仮想通貨のテクノロジーを参照しながら探っていく。 通貨を自由競争市場に委ねるハイエクの思想、貨幣自体にマイナス...

中央銀行が通貨の独占発行権を持ち、金融政策による景気対策を行うという現状が既に限界を迎えているとの認識の下、今後の中央銀行はどうあるべきかを、ビットコインをはじめとする仮想通貨のテクノロジーを参照しながら探っていく。 通貨を自由競争市場に委ねるハイエクの思想、貨幣自体にマイナス金利を付せるようにするゲゼルの思想、ビットコインのブロックチェーン技術を応用したデジタル銀行券…と、著者の提示する技術は、現下の閉塞状態を乗り越え、明るい未来を示すものに見える。 ただ、その(技術的な意味ではなく、政治的・社会的な意味における)実現可能性を考えると、手放しに楽観視はできない。 著者の前著『貨幣進化論』と併せて読むのがよりベターだろう。

Posted byブクログ

2016/05/22

前著「貨幣進化論」に続く、日銀出身者による貨幣論。前著と同様に現下の金融政策は限界に来ているとの認識に立ちつつ、今作は実社会でも徐々にそのプレゼンスを高めつつあるビットコインのメカニズムを下敷きに「良い通貨」とは何かを論じ、それが金融政策のぶち当たっている壁を破る可能性を示してゆ...

前著「貨幣進化論」に続く、日銀出身者による貨幣論。前著と同様に現下の金融政策は限界に来ているとの認識に立ちつつ、今作は実社会でも徐々にそのプレゼンスを高めつつあるビットコインのメカニズムを下敷きに「良い通貨」とは何かを論じ、それが金融政策のぶち当たっている壁を破る可能性を示してゆく。 第1章で前著のアウトラインを大まかになぞった後、第2、3章でビットコインの成り立ちやロジック、今後の展望が解説される。そこではマイナーたちの私利追求がこの管理者不在のいわば「ソーシャルコモンズ」的システムの基盤を成していること、そしてプロトコル次第で様々な目的指向に応ずる通貨が設計可能性であることが示される。そして第4章で低成長時代における金融政策の限界が論じられた後、いよいよ第5章では仮想通貨の方法論を用いた「貨幣利子率」を通じ、中央銀行の通貨独占発行権を排した、多頭的な通貨政策で「流動性の罠」を迂回する方法が模索される。 現行の日銀の金融政策については相変わらず辛辣な論調だが、いよいよ手詰まり感の彩りを濃くする現状を目の当たりにすれば、如何に上げ潮派であっても本書の提案を一部でも真剣に受け止めねばならない時期に来ているのではなかろうか。無論、本書の提案がすぐに現実の政策に適用可能というわけにはいかず、現時点では思考実験的な領域に止まるものも多い。しかし「そもそも通貨とは何か」を考える上でも、ビットコインを題材とした本書の議論は極めて有用と思う。 基礎的な暗号理論にまで立ち返った説明は個人的に馴染みの薄いものだったが、これまで読んだどの仮想通貨本よりも丁寧で解りやすかった。また、中央銀行のバランスシートを投資信託のそれに擬して説明される「決済通貨」と「価値尺度測定通貨」の分離などは、極めて直感的で納得的。マイナス金利等のニュースに接するうち、「通貨って何だかよくわからなくなってきた」と感じ始めた向きに是非お勧め。

Posted byブクログ

2021/12/25

師、岩村先生の最新作。ブロックチェーンについては野口悠紀雄先生と並ぶ日本の2トップだけあり、ブロックチェーン、特にビットコインについて、本質的な示唆を与えてくれ、読みながら、何度も頷かされた。でも最も面白いのは、あとがきである「おわりに」。先生らしいなと、ニヤリとさせてくれる。

Posted byブクログ