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エムブリヲ奇譚 の商品レビュー

4.1

25件のお客様レビュー

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2024/05/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

迷い癖のある旅本作家・和泉蠟庵と、荷物持ちとして彼の迷子に付き合わされる耳彦の奇譚集。 面白かったです。好きな世界観でした。 蠟庵先生は迷った先で名所や温泉に出くわすので道がわからず旅本に書けないし、耳彦は博打好きで借金をこさえがち。懲りないな。。 だいたい耳彦が命の危機寸前までいくけど、間一髪で蠟庵先生がきたりする。最終話もそうだけれど、見える範囲にいるのに迷子になる先生がこういうときはちゃんと辿り着くのでなんかあるのかなぁ。 お話はとくに、表題作と「あるはずのない橋」「「さあ、行こう」と少年が言った」が好きでした。 エムブリヲの健気さがかわいい。 「〆」は凄かった……小豆との顛末も、村で出てくる食べものに全て人の顔みたいなのが付いてるというのも強烈でした。 山白朝子さんが一番好みだと再認識しました。単行本で読んだのですが、山本タカトさんの装画も素敵です。 温泉に行きたくなる。異界はそこかしこに口を開けてて、迷い込む人を待ってるんだろうな…とか、思ってしまいます。

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2024/03/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読みやすくサクサクと読み進められる連作短編集。 耳彦がかなりのクズっぷりを発揮する「〆」がきつい。 「地獄」は読んでいて元ネタはホラー映画好きにはアレだとピンとくるね。 最後の章で迷い癖が単なる迷い癖ではないことが明らかになって驚く。 とりあえず温泉に行きたくなりました、満足です。

Posted byブクログ

2024/02/23

旅本を書く和泉蝋庵とそのお供をする耳彦が遭遇する怪異を扱った連作短篇集。 人の情念が成るものが恐ろしさや憐れさをもたらす。少々単調に感じられる側面もある。 「地獄」の描写がグロテスクできつかった。

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2024/02/18

乙一さんの繊細な世界観が好きだなぁ。 一つ一つの短編が短くてさっくり読めた。内容はそれぞれが濃くて、満足感がある。 地獄という話では久々に乙一さんのダークな部分が全面に出されていて懐かしかった。 私も不思議な旅をしてみたい。

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2023/06/18

9つの連作短編集。 どの話も奇妙で不可思議、そして時にはおぞましくもある。この世ならざる場所へと踏み込んでしまう蠟庵と耳彦の珍道中が面白い。 特に好きなのが『ラピスラズリ幻想』と『「さあ、行こう」と少年が言った』 好きというか、おぞましさ大爆発なのが『地獄』……そ、そんなに耳彦、...

9つの連作短編集。 どの話も奇妙で不可思議、そして時にはおぞましくもある。この世ならざる場所へと踏み込んでしまう蠟庵と耳彦の珍道中が面白い。 特に好きなのが『ラピスラズリ幻想』と『「さあ、行こう」と少年が言った』 好きというか、おぞましさ大爆発なのが『地獄』……そ、そんなに耳彦、悪いことしたかなぁ!?ダメ男だけれども、そんな酷い目にあわなくてもいいんじゃない??

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2023/04/14

フォローしている方々が次々に読んでいて、じわじわ読みたくなってきていた乙一さん(山白朝子という筆名もあるんですね!)をついに読む。 結果、とっても好みだった!奇妙さと切なさが絶妙なバランス。 『湯煙事変』『顔無し峠』『「さあ、行こう」と少年が言った』の少し温かみのある切なさが、...

フォローしている方々が次々に読んでいて、じわじわ読みたくなってきていた乙一さん(山白朝子という筆名もあるんですね!)をついに読む。 結果、とっても好みだった!奇妙さと切なさが絶妙なバランス。 『湯煙事変』『顔無し峠』『「さあ、行こう」と少年が言った』の少し温かみのある切なさが、特に好きだった。 グロ多めの『〆』『地獄』も、怖いもの見たさで読み返したくなる。

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2023/02/26

作者の前作は正に怪談だったけれど、こちらはお伽噺のような連作集。 収録作品の中では「地獄」が好き。幽霊よりも、人間の狂気の怖さがいい。しかし、続刊を読むのはいつになることやら。

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2022/04/25

荒唐無稽な設定。最早ファンタジー。途中で中弛み的な感じもあったけど総じて面白く読んだ。最後はこれで賛成票を集められるものなのか?いやこれはファンタジーだから。ラストは予想通りだったが、そうこなくちゃ!

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2022/04/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『私のサイプロクス』よりおぞましい内容が多かった。 続編の輪は人生何度目だったんでしょう? 地獄には行かないで、何度でも蝋庵や耳彦と旅をする人生を選んで欲しいです。

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2023/07/11

ああ、いいなぁ、これ。 まるで期待せずに読んだ。 この人の作品はハマるときはハマる。 中には「はぁ?」と首をひねりたくなる著書もあるのだが、今作はすべて良い。 短編集というものは、気に入ったものが1つか2つあればいいかとおもっていたが、9作品のすべてが好きだ。 これは自分的には...

ああ、いいなぁ、これ。 まるで期待せずに読んだ。 この人の作品はハマるときはハマる。 中には「はぁ?」と首をひねりたくなる著書もあるのだが、今作はすべて良い。 短編集というものは、気に入ったものが1つか2つあればいいかとおもっていたが、9作品のすべてが好きだ。 これは自分的には結構珍しい。   時代はいつ頃だろう? ざっくりと、江戸と明治のあいだくらいかな。 今で言うところの、旅行ガイドブックを書くのを生業としている和泉螂庵と荷物持ちの耳彦が各地をまわり、奇妙な体験をする物語。 まるであの「乙一さん」のような余韻の良さ。 奇妙で、悲しくて、怖くて、せつない。   ちなみに表題にあるエムブリヲとは、人間の胎児の、まだ赤ん坊の姿に成長する前の状態らしい。   続編も出ているそうなので、ぜひ手に入れようと思う。

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