杏奈は春待岬に の商品レビュー
これをハッピーエンドととらえるかは、人それぞれ、誰に一番感情移入したかとかでかわるのかなぁと思いました. 健志が年老いていってしまう悲しさ、少しでもなにかあれば梓と健志か結ばれる未来があったのではと思う虚しさ.健志は少しでも違っていれば浩志の立場になれたのではという気持ちと、この...
これをハッピーエンドととらえるかは、人それぞれ、誰に一番感情移入したかとかでかわるのかなぁと思いました. 健志が年老いていってしまう悲しさ、少しでもなにかあれば梓と健志か結ばれる未来があったのではと思う虚しさ.健志は少しでも違っていれば浩志の立場になれたのではという気持ちと、この結果の為に健志はあの時杏奈に出会ったのだという気持ちが渦巻きました.
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中高年の根源的な少女愛と、年をとった者にしか書けない恋愛感情の変遷と、愛がいかに呪いへ、約束がいかに束縛へと変質するかを感じた。 袋小路の状況をいかにラストまでにまとめ上げるのか、ただそれだけが気になって読み進めた。最後の20ページほどは食傷抱えながら根性で読了した。 SFにして...
中高年の根源的な少女愛と、年をとった者にしか書けない恋愛感情の変遷と、愛がいかに呪いへ、約束がいかに束縛へと変質するかを感じた。 袋小路の状況をいかにラストまでにまとめ上げるのか、ただそれだけが気になって読み進めた。最後の20ページほどは食傷抱えながら根性で読了した。 SFにしては終盤に緻密さが欠け、仮説と博打にすぎないものが知らぬ間に確実な唯一解となり、科学ではなく愛のパワーでどうにかなりましたといったような大味感。 現在の彼らはそれでいいかもしれんけど、当たり屋か山賊めいたやり方でアレを奪取されるアッチのことはどうでもいいのかよ… 記念となるこの夜に化粧を施したら素顔を凌駕するまばゆいばかりの美しさ、というのも、おっさんドリーム炸裂な蛇足に思えてゲンナリした。 まあ、たった一人永遠に忘れられないファム・ファタールを心に飼っている中年以上の男性には共感、感動できる話なのかもしれない。
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主人公が人生をかけて、春待岬に住む、秘密を抱えた少女を守り、色々な人と協力して少女の願いを叶える物語だった。 表紙のイラストや色合いが好きで、また、たった50ページでこの本の設定や本題に入る前に伝えたいことが全て書かれてあり、とても分かりやすく読みやすかったが、後半になればなるほど恋愛よりもSF要素が多くなり、読みづらかった。 また、変な終わり方をしており、結局この本は何を伝えたかったのだろうかと少し思った。
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数奇な運命の少女杏奈。 杏奈にどうしようもなく惹かれる幼い少年健志。 幼さゆえに純粋な健志の想いが杏奈の運命を動かしていく。 そんな健志を見る梓の心は切なかった。 健志の心は杏奈でいっぱいで、梓には一瞥も与えようとはしないから。残酷なまでに正直な。 時の流れも残酷。 あがいてもあがいても、解決策が見えないまま時だけが過ぎていく。 浩志、そうでないかと思ってたとおりだった。 あれでよかった、んだよね。 ちょっと切ないけど、きっと。
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タイムトラベルロマンスの第一人者である著者が、満を持して放った久々の『リリカル・ファンタジー・ロマンス小説』である。なんと本作を書き下ろしたのは、著者が70歳を目前とした2016年だ。それにしてもよくこの年齢で、こんな純情な恋愛物語を紡ぐことが出来るものだと感心してしまった。き...
タイムトラベルロマンスの第一人者である著者が、満を持して放った久々の『リリカル・ファンタジー・ロマンス小説』である。なんと本作を書き下ろしたのは、著者が70歳を目前とした2016年だ。それにしてもよくこの年齢で、こんな純情な恋愛物語を紡ぐことが出来るものだと感心してしまった。きっと著者はいつまでも若く、澄んだ心の持ち主なのであろう。 春休みのことである。ぼくは祖父母が暮らす天草西の海沿いにある小さな町を訪れた。その町の外れにある『春待岬』には、町の人々との交流を拒絶するかのように、ひっそりと洋館が佇んでいた。 だがその洋館には、大きな瞳に長く黒い睫毛をたたえた美しく優雅な、まるで妖精のような少女が住んでいたのである。 ぼくは息を飲み、あっという間に彼女の瞳に吸い込まれそうになった。これがぼくの初恋、いや永遠の恋の始まりだったのである。 だがその少女と逢えるのは、桜の咲いている間だけであり、さらに彼女はほとんど年を取らなかった。ぼくは時の檻に閉じ込められている彼女を、なんとしても救い出そうと必死に努力したのだが…。 こんな感じでストーリーは進んで行き、一体これからどうなるのかと、するすると頁をめくり続けあっという間に読了してしまった。だが少女は年を取らないのに、ぼくだけがどんどん老けて行くのである。なんとも淋しくて切なくて、とうにもやり切れない。終盤のどんでん返しは用意されてはいるものの、やはり哀しい気分は晴れなかった。
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「つばき、時跳び」の元のタイトルが「つばきは百椿庵に」だったというので、似た雰囲気の物語を想像して読み始めたのだが、生涯をかけた初恋をした、初恋に一生を捧げた男の、あまりに一途な姿には、春と桜と海(岬)という風景とは真逆の影の空気を感じさせられる。 さて、杏奈のことばかりが語られ、家族やまわりの人物との関係はまるで背景かのように味気なくしか触れられれず、特に梓との関係、梓の思いが男に(読者にも)明確に伝わってこないのは、時の間に閉じ込められた少女を待ち続け、流れ続ける時の中で時を止めてしまった男 にとっては、周りの人間との時間の流れに差ができて、 梓に限らず、自分を取り囲む人や世界は、まるで早送りのように流れ去って行ってしまっていた、のではないのか。 そういった想像も踏まえると、ある重大で皮肉な秘密が隠されていて、男が時を止めてしまっているようで、時の速度差、老い、限りある人生という現実も容赦なくのしかかっていた男にとって、ラストはある意味での約束の成就、つまりは自分の人生からの一つの解放、であったのではないか。 時の流れるスピードが異なる男女の姿は「美亜に贈る真珠」も思い起こさせる。あと「ジェニーの肖像」も。 クロノスをジョウントできる(ようになる)人物が登場するのはちょっとしたご愛敬か。
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カジシンらしいと言えばらしいのだが、終盤のあまりの辻褄合わせ的なご都合主義は物語として如何なものかと思った。
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図書館の福袋本。 切ない・感涙などと福袋には書いてあったのですが、読んで涙を流すことはありませんでした。 恋愛小説が苦手だからでしょうか、小学生の頃の初恋に、捕らわれ続ける男(健志・浩志)も、女(梓)も、理解しがたいものがありました。 特に、主人公の健志の、親や祖父母に対する感情が、杏奈との関係に、どう利用できるかという事のみにあるようで、読んでいて不快でした。 祖父の店を継ごうとしたのも、杏奈の近くに居たいが為。 祖父が亡くなって、店の切り盛りをするのかと思いきや、手伝いはするものの、祖母にまかせて勝手気まま。 祖母も亡くなり、父も亡くなり・・・ 店を閉めても、母の元に戻って暮らすのではなく、春待岬の屋敷で暮らし杏奈の帰りを待ち続ける。 杏奈以外の人に対する無情さを見ていると、感涙などどうやっても起きない。 なぜ未来からタイムトラベルしなければならなかったのか。 クロノスの故障を知ってからの高塚と秋彦など。 SF要素が、もっと詳しく盛り込まれていたら、もう少し楽しめたかも知れません。 杏奈に会えた日々と、会えない間の無気力な日々の繰り返しを読むだけで、たいした盛り上がりも無く、正直読むのが苦痛でした。
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桜の咲く時期にだけ現れる少女杏奈を一途に思い続ける健志。隣にいるのが自分ではなくなっても、ただ杏奈のためだけを思う・・・。確かに、究極の恋物語。切ない。
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【ネタバレ】久々のタイムトラベル・ラブロマンス。タイムトラベルについてはちょっと理解できなかったし、ラブロマンスとしては余りに切なすぎてやりきれません。
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