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マクニール世界史講義 の商品レビュー

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2016/05/28

中学校や高校時代の世界史でこんな講義を受けていたなら、私の世界史の授業に対する興味は全く違っていたかもしれないと思う内容でした。暗記科目であるという歴史に対する浅はかな認識しか持てずにいたため、やたら覚えることの多い世界史は部分的にしか興味を持てずに、通り一遍でやり過ごしてきたの...

中学校や高校時代の世界史でこんな講義を受けていたなら、私の世界史の授業に対する興味は全く違っていたかもしれないと思う内容でした。暗記科目であるという歴史に対する浅はかな認識しか持てずにいたため、やたら覚えることの多い世界史は部分的にしか興味を持てずに、通り一遍でやり過ごしてきたのでした。今思うに、何と勿体無いことをしてきたのだろうと思います。 主に近代から現代までの歴史認識をまとめたものですが、それにしても分量は少ない、にも関わらず内容は濃いので、具体的によく分からないところも確かにありました。 それでも以前に「銃・病原菌・鉄」を読んでいたので、この本を理解する上で役立ちました。この本でもこの3つはキーワードとして登場したからです。 世界の成り立ち(構造)は全体を俯瞰しないと見えない。木を見て森を見ずという例えが当てはまると思いますが、その中には時間軸も当然含まれます。人類が過去に辿った足跡を現在起きていることと重ね合わせて見る取り組みが大事であることが書かれています。 生態学の概念から微生物の代謝活動を意味する「ミクロ寄生」と、進化の過程で地球上で最強のハンターとなった人間が、餌となる植物や動物に依存することを「マクロ寄生」と定義しています。マクロ寄生という言葉は更に、人間の集団や階級間の搾取関係に適用して、市場経済や官僚主義による世界の動きを端的に説明することに使われています。 人間の英知は伝染病や飢饉などの災厄との闘いにおいて、勝利と破綻を絶え間なく繰り返す動的平衡を示していて、今後もこのパターンは続くだろうとあります。人間も物理的・化学的世界の一部であることから自然法則を照らし合わせると、現代社会の発展は、脆さと隣り合わせであるということは、もはや様々な場面で立証されていると言えます。あまりの必然性故に未来を憂えたくもなりますが、人間の持つ英知を讃える「過去を前向きに考える歴史家」という筆者の自己認識に同調するのでした。

Posted byブクログ

2016/05/03

「もっと前に知っておけば良かった」という本は多いけれど、これは「もっと前に翻訳しておいてほしかった」という本かな。大学の講義ノートという形で、非常におおくくりに人類史を取り扱う。 人類の歴史の中で、もっとも大規模に、一つの社会が他の社会を飲み込んだ例は無いとしつつ、一方で、そ...

「もっと前に知っておけば良かった」という本は多いけれど、これは「もっと前に翻訳しておいてほしかった」という本かな。大学の講義ノートという形で、非常におおくくりに人類史を取り扱う。 人類の歴史の中で、もっとも大規模に、一つの社会が他の社会を飲み込んだ例は無いとしつつ、一方で、それを可能にしたのは、役人のもとで無言で大地を耕す圧倒的多数の農民達だっともまとめる。こつこつと働き続けるサラリーマンの姿にもかぶってみてた。

Posted byブクログ

2016/04/18

ジャレドダイヤモンドの「銃・病原菌・鉄」は、別に新規の発想ではなく最近の歴史学の常識だということが分かった。

Posted byブクログ