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大正箱娘 見習い記者と謎解き姫 の商品レビュー

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21件のお客様レビュー

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2023/07/15

★すべての箱を開けることが、正しいことだとはうちは思いません(p.189) ・文章に書かれたとき初めてこの世界に現れてきたような、それまでの人生、これからの人生が感じられない書き割り的キャラクタたち。女性と社会、女性の生き方などが表面的なテーマかと。実際には「箱娘」という発想を追...

★すべての箱を開けることが、正しいことだとはうちは思いません(p.189) ・文章に書かれたとき初めてこの世界に現れてきたような、それまでの人生、これからの人生が感じられない書き割り的キャラクタたち。女性と社会、女性の生き方などが表面的なテーマかと。実際には「箱娘」という発想を追求しただけかも? ずっと以前読んだ『ミミズクと夜の王』の前半がユニークだったので手に取りました。 「箱娘」記者。箱娘。甲野スミ。呪いの箱。 「今際女優」自殺した戯曲家扶桑牧ヲ。今際女優と呼ばれる出水エチカ。 「放蕩子爵」秘密を暴く怪人カシオペイヤ。自殺した娘。 「悪食警部」甲野スミ。事件。紺は容疑者に。警視庁の室町警部。 ■箱娘についての簡単なメモ 【一行目】新聞記者である英田紺がその屋敷を訪れたのは、陽の落ちかけた夕刻のことだった。 【英田紺/あいだ・こん】→紺 【出水エチカ/いずみ・えちか】女優。今際の際の演技が上手い。《芝居のような生き方しか、知らぬだけなのかもしれない。》p.103。《人は人が、死ぬところを見たいのよ》p.106 【潮/うしお】甲野家の女中。 【うらら】回向院うらら(えこういん・うらら)。「箱娘」と呼ばれる。《開けられぬ箱はありませんし、閉じられぬ箱もまた、ないだけです》p.117。なにをもって「箱」とするか。 【回向院うらら/えこういん・うらら】→うらら 【大奥方様】甲野家の現当主。 【小布施/おぶせ】紺の上司。太っている。自分ではうららと会おうとしない(理由があるのかもしれない)が紺にはつなぎを持たせたいと考えている。ぶっきらぼうなところはあるが突き放したり丸投げしたりすることはない。 【怪人カシオペイヤ】盗賊。金でも人間でもなく、秘密を盗む。 【甲野栄之助/こうの・えいのすけ】スミの再婚相手。婿として入った。 【甲野スミ/こうの・すみ】呪いの箱が出てきたN野の甲野家の未亡人。帝都出身。最近、蔵から出てきた刀のせいで夫を亡くした。 【紺/こん】英田紺(あいだ・こん)。帝京新聞記者。担当は三面記事の怪異譚。童顔の十七歳。物怖じしないタイプ。ひとりよがりな正義を振りかざすが理由はある。《男も女も、生きてこそだと思います》p.106。《わたしは、嫌なんです。女が、尊厳なく扱われることが》p.111。とはいえ自己の価値観に合わない生き方をしている女性を勝手に救いたいと思ってしまうのでかなり傲慢なタイプかもしれない。 【紺の出自】T県K市S町生まれ。父は英田善治(よしはる)、母は英田ハツ、妹は英田泉(みず)、祖父は英田善悟(ぜんご)、元陸軍憲兵少尉で剣道師範。 【叉々/しゃしゃ】うららのところの使用人? 《うららが出たいと言った時に、いつでも出してやるのが俺の仕事なのさ》p.92 【ダブル】時村燕也が入り浸っている撞球場。 【手紙】《手紙というものが、紺は好きではない。ナイフを持って封を開ける。破った紙の隙間から、こぼれ落ちてくるものがある。それが、呪いではないと一体誰が保証してくれるのだろう。》p.155 【時村燕也/ときむら・えんや】丸岡潔子の婚約者。時村子爵家の三男坊。 【徳三】甲野家の下男。栄之助の少し前に入った 【呪いの箱】N野の甲野家の蔵から出てきた。正確にはその家では蔵から箱が出てきたらそれが呪いの箱となる。女を近づけてはならない。ちなみに刀が出てきたら男を近づけてはならない。 【箱】《箱はいいものですよ、記者さん。閉じ込められる箱は息苦しいけれど、閉じこもる箱は安心する。母親の腹の中のように》p.85 【箱娘】→うらら 【扶桑牧ヲ/ふそう・まきを】戯曲家。 【丸岡佳枝/まるおか・かえ】自殺した。その事件は「文通心中」と呼ばれた。怪人カシオペイヤに秘密を暴かれ逮捕された鉱石密輸事件の主犯と思われる豪商の末娘。 【丸岡潔子/まるおか・きよこ】佳枝の姉。紺と同じ十七歳。 【泉/みず】紺の妹。十三歳で嫁ぎ、嫁ぎ先で死んだ。 【室町稀彦/むろまち・まれひこ】警視庁の警部。口八丁で真実をねじ曲げ自分の好きなように事態をおさめる。真実を暴くよりもおさめる方に主眼を置いている柔軟なタイプとも言える。

Posted byブクログ

2023/06/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

家を飛び出して、新米新聞記者として働く英田紺。 旧家の蔵で見つかった呪いの箱の処分を依頼された紺は、上司の紹介で神楽坂の箱屋敷に住む、うららと出逢う。 「箱と名のつくもので、うちに開けられぬものもありませんし、うちに閉じられぬ、ものもありませぬ」 けれどね、記者さん 「開けないほうが、よい箱もありますよ」 表紙とタイトルから、袴姿のお嬢が活躍するのかなと思っていたら、過去を抱えて家を飛び出した新米記者と、謎めいた箱娘が暴く怪しくて仄暗い人の闇のお話。 地方の旧家の呪いの箱 身分違いの男女の悲恋を描く舞台の台本の行方 姉の婚約者に文を贈っていた妹の真実 旧家の嫁からの再びの文 じっとりとまとわりつくような闇。 それぞれの事件がじりじりと紺の心の蓋を開いていくよう。 家長や因習に逆らえず、生きる女性たち。 彼女たちを救おうと奔走する紺、なんだけど、女性の立場が!とか、女性の幸せは?!とか声高に描くけれど、何気に男性が雑に扱われてる気が。 刃に触れて亡くなった彼も、死が舞台のヒットに繋がった彼も、こんな手紙を何通も受け取った彼も、最後の婿殿たちも、なんだかお気の毒。 続編があるそうなので、紺と家の確執とか、うららの秘密もだんだんと明らかになるのかな。

Posted byブクログ

2021/06/15

ラノベ感があったけど、表現や言葉の言い回しは好きかなーと思いつつ。 『箱』の定義が様々で、それも箱なのかーと思いつつ。 次回作に続くのかな。

Posted byブクログ

2020/07/05

開けぬ箱も閉じれぬ箱もないと言う少女。新米記者の元に舞い込む謎。大正時代の女たちの物語。舞台が整い人物が揃い謎と秘密が開かれる。 実に好みの要素の詰まった作品でした。既視感も強いが時代が持つ女というものに焦点を合わせた点が面白い。

Posted byブクログ

2020/07/23

かわいらしいお話だろうと気楽にページをめくったら、横溝正史とか江戸川乱歩とか小野不由美とかみたいな、濃ゆい大正推理不思議ホラーテイスト小説でした。 レイワの世ですが、一見持ち上げられているよううでいて、とかく女の歩く道は開けていない気がする。 続きが気になりました。

Posted byブクログ

2020/03/24

http://denki.txt-nifty.com/mitamond/2017/11/post-ea53.html

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2019/08/13

 時間がなくて、積んでた本を読む。  いや、正しくは感想を書いてなかっただけで、本当に積んでいたわけではない……          それはさておき。  今日もう一回読んだので書こう。  物語は、新聞記者見習いと箱娘のお話。 「箱娘……?」と、なりましたが、「箱娘」とはなんなの...

 時間がなくて、積んでた本を読む。  いや、正しくは感想を書いてなかっただけで、本当に積んでいたわけではない……          それはさておき。  今日もう一回読んだので書こう。  物語は、新聞記者見習いと箱娘のお話。 「箱娘……?」と、なりましたが、「箱娘」とはなんなのか、はこの巻だけでは語られていなくて、きっとこの先に語られる話。今はただ、箱にまつわる出来事をどうやこうやできる少女――くらいの認識でいいのだと思います。  そして話は短編形式で、一冊の文庫本の中に4つくらいの話が入っています。  すべてが女の話で、「生きてこそ」であって、「死んではいけない」のでした。  何を言っているのかわからないかと思うのですが、読んだらわかる……はずだ……  個人的に一番驚いたことは書かずにおいておく。  けれど、主人公がそうだとは思いませんでした。  新しいですね……(万感の思い)  そして、好きです←

Posted byブクログ

2019/06/14

読む前は、大正ロマン溢れる可愛らしいお話を想像してました。が…読みにくいσ^_^;句読点の位置が最後まで慣れませんでした。妖しい作風を狙っていたのはなんとなくわかります。あとがきにあるように、横溝正史を意識したのもわかりますが個人的には横溝正史なの⁇と疑問です。男尊女卑の時代を描...

読む前は、大正ロマン溢れる可愛らしいお話を想像してました。が…読みにくいσ^_^;句読点の位置が最後まで慣れませんでした。妖しい作風を狙っていたのはなんとなくわかります。あとがきにあるように、横溝正史を意識したのもわかりますが個人的には横溝正史なの⁇と疑問です。男尊女卑の時代を描きたくて大正なんでしょうが、これなら明治でも昭和初期でも良かったような…謎解き要素もちょっとありつつ、解決はなんとなくボンヤリ。残念。続編もあるようですが手に取るかは微妙。

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2018/03/02

新米記者は取材のために、旧家に出向き、箱を手に入れ 閉じるも開けるも自在の『箱娘』の所を訪れる。 連続短編集になっていますが、この時代 女性は生きにくいです。 閉じ込められているのか、閉じこもっているのか。 それは本人がどこで生きようとするかによって 変わってくる世界、だと思い...

新米記者は取材のために、旧家に出向き、箱を手に入れ 閉じるも開けるも自在の『箱娘』の所を訪れる。 連続短編集になっていますが、この時代 女性は生きにくいです。 閉じ込められているのか、閉じこもっているのか。 それは本人がどこで生きようとするかによって 変わってくる世界、だと思います。 外に出る事を選んだ主人公と、中にいることを選んだ娘。 そういえば、登場人物はほとんどが中を選んだ人ばかり。 そこから脱出したのは…妹さん、だけでしょうか? これを脱出、というならば。 その話の主人公は、なんだかうっかり惚れそうなほどの 行動力でした…w

Posted byブクログ

2017/10/14

電撃文庫の『ミミズクと夜の王』を読んで雰囲気が好きだった紅玉さん。文体がやっぱり独特だなーと、改めて思った。詩的というか、文と文の間とか空気感がいい。

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