土蛍 の商品レビュー
これが最後の作品なら 心残りですねえ! 千蔭と梅ヶ枝は どうなるのでしょう? 続きが出ないとさみしいですね!
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猿若町捕物帳シリーズ5作目。期間はこれが最後であるが,出版されたのはもう7年も前のことで,これで打ち止めと考えたほうが良いだろう。メインの登場人物たちの先行きについては気になることが多いので続きがないことは残念だ。こういう時よく読者が各自の想像力で考えれば良いというようなことを言...
猿若町捕物帳シリーズ5作目。期間はこれが最後であるが,出版されたのはもう7年も前のことで,これで打ち止めと考えたほうが良いだろう。メインの登場人物たちの先行きについては気になることが多いので続きがないことは残念だ。こういう時よく読者が各自の想像力で考えれば良いというようなことを言うが,自分で考えたって面白い話にはならないから読者に徹しているのであって,全く見当違いと言って良い。 「むじな菊」 「だんまり」 「土蛍」 「はずれくじ」 しかし実際,事実上の最終話で話をまとめるようなことはしておらず,しかも「はずれくじ」に至っては書籍化のためページ数を合わせるために書いたようなおまけ的小品であり,近藤史恵さん自身は続きを書くつもりでいたのかもしれない。出版社が変わったり,未だ電子化されていないことを考えるとセールス的にあまり成功していなかったのかもしれない。十分面白んだけどなぁ。千蔭の嫁取りがどうなるのかくらいは書いてほしかったな。
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「近藤史恵」の連作短篇時代小説集『猿若町捕物帳 土蛍』を読みました。 「近藤史恵」作品は、一昨年前の8月に読んだ『タルト・タタンの夢』以来なので、約1年半振りですね… 「松本清張」作品に続き、時代小説・捕物帳が続いています。 -----story------------- 南...
「近藤史恵」の連作短篇時代小説集『猿若町捕物帳 土蛍』を読みました。 「近藤史恵」作品は、一昨年前の8月に読んだ『タルト・タタンの夢』以来なので、約1年半振りですね… 「松本清張」作品に続き、時代小説・捕物帳が続いています。 -----story------------- 南町奉行所の定町廻り同心「玉島千蔭」は、猿若町の中村座から三階役者が首を吊ったと知らせを受ける。 早速かけつけた「千蔭」は、骸があった場所でその死に不審を抱く。 調べを進める「千蔭」の前に明らかになってきたのは、芝居の世界に横たわる漆黒の「闇」だった(表題作『土蛍』)。 人気シリーズ、待望の第五弾は、珠玉の短編四編を収録。 読者を唸らせる時代推理小説の大傑作。 ----------------------- 2013年(平成25年)に刊行された猿若町捕物帳シリーズの第5弾作品で、現時点では最新作のようですね… 本シリーズ、初めて読みましたが、平易な文章で読みやすく、さらっと軽く読めて良かったですね。 ■むじな菊 ■だんまり ■土蛍 ■はずれくじ ■解説 門井慶喜 『むじな菊』は、身重の「良江」が、自分を捨て芸者の元に行った夫「長六」を取り戻すため、自分に気のある差配人の「銀治」に手にかける物語、、、 「良江」は、賭け事が好きで荒くれものの兄「作二郎」の犯行に見せかけようとするが、「千蔭」は、そのトリックを解き明かします… 女の嫉妬、愛憎の恐ろしさを感じましたね。 『だんまり』は、不出来で博打狂いの兄「権三(利十郎)」と振り回される妹「お鈴」の物語、、、 頻発する髷切りの犯行と、兄の借金を返済するために吉原に売られていく覚悟を決めた「お鈴」のエピソードがひとつの事件としてつながり… 「権三」にとっては人生をやり直す、良いきっかけになったんじゃないですかね。 『土蛍』は、妻の心中に気がつかず遊女を見受けしようとする武家「小野外記」の物語、、、 中村座の役者「新八」が首吊自殺に見せかけられて殺害された事件とあわせて物語は展開… 美しい女をいくら抱いても幸せになれない男、他の男の子どもであっても受け入れて幸せな男、年を重ねた女の男を思う気持ち・業の深さ、男女の機微や相剋を背景に「千蔭」の名裁きが愉しめる内容でした。 『はずれくじ』は、不幸にまみれた男「直吉」が、富くじ購入を頼まれたことから運命を狂わせてしまう物語、、、 「直吉」は、再起を思いながら、富くじを買うために預かったお金で隣に住む若者のために翡翠の根付けを買い、結局それで原因で殺されてしまうことに… もう少し人の気持ちがわかれば、もしくは、あっさり富くじを買っておけば、こんなことにはならなかったのに と思わずにはいられない展開でした。 なかなか面白かったです… 本シリーズ、機会があれば別の作品も読んでみたいですね。
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猿若町捕物帳シリーズ第5弾。表題作含む4編収録の連作短編集。 人の情や業が今まで以上に強く感じる作品が多いように思う。それはなかなか他人には分からないもの。物事の判断基準も人によってそれぞれ異なる。それだけに、今回収録された作品は今まで以上に不可解なものが多い。人間というのは...
猿若町捕物帳シリーズ第5弾。表題作含む4編収録の連作短編集。 人の情や業が今まで以上に強く感じる作品が多いように思う。それはなかなか他人には分からないもの。物事の判断基準も人によってそれぞれ異なる。それだけに、今回収録された作品は今まで以上に不可解なものが多い。人間というのはことごとく不思議な生き物だということを改めて感じる。 他人のことを理解するのは難しい。だからこそ、こうした人間模様は面白くも感じるのかもしれない。
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2014.9/9 なんだかやけに登場人物たちのキャラクターがしっかりしているとおもったら、やっちまいました、まさかのシリーズ最新5作目っ...(T ^ T) 面白い筈ですよ。分かりました、1作目「巴之氶鹿の子」から始めます...
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同心、玉島千蔭シリーズの5冊目。 武骨な老岡っ引き、ハ十吉をして「歯がゆい」とまで言わしめる千蔭の生真面目さ。それを補ってあまりあるレギュラー的登場人物のキャラの濃さ、華々しさがこのシリーズを余計に盛り立てている。
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猿若町捕物帳シリーズ5作目。 長屋の大家に店子の諍いを仲裁して欲しいと千蔭が頼まれていた矢先、大家が殺されてしまうという「むじな菊」、髷を切られるという事件が続発する「だんまり」、中村座の人気役者の弟子が自殺し、そして同時に梅が枝の身請け話が持ち上がるという「土蛍」、人生貧乏く...
猿若町捕物帳シリーズ5作目。 長屋の大家に店子の諍いを仲裁して欲しいと千蔭が頼まれていた矢先、大家が殺されてしまうという「むじな菊」、髷を切られるという事件が続発する「だんまり」、中村座の人気役者の弟子が自殺し、そして同時に梅が枝の身請け話が持ち上がるという「土蛍」、人生貧乏くじばかりだった男が頼まれた富くじを買った後死んでしまった謎を解く「はずれくじ」の4編を収録。 くどくどとした描写は全くないのに、人物のさりげない言動や所作から行間を読ませる手法で、その者の特徴や性格を見事に表現するという筆力。 その上、テンポ良く動きのある場面と静謐なそれが物語に緩急のリズムを作っているところも読みやすさを助長しています。 今までのシリーズ同様、事件の裏に垣間見える人間の業の深さにはやるせなくなります。 千蔭にとうとう年の離れた妹ができるのですが、赤ちゃんの無垢な様子が事件と対比していて、人間の欲望の果てしなさがより際立っていると思いました。 ほんとに、必要以上に求める人の飽くなき欲望って、いらぬ苦しみを招く悪の元だなーとしみじみ考えさせられました。 いっとき欲望が満たされて満足しても、すぐに足りなくなってまた欲求が止められなくなるという人間の本能的なサガが怖くなります。 足るを知るって大事だよな・・・と読後に痛感しました。
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安定の猿若町捕物長シリーズ。 間隔が空いてしまったので登場人物の関係を思い出すのにちょっとかかったけれど。 見方によって菊の花の文様が貉の毛並みにも見えるという「むじな菊」がよかったな。 玉島千蔭の探索は、ほぼ聞き込みの調査のみ。 ふと気がかりになった事を掘り下げてさっと解決に導...
安定の猿若町捕物長シリーズ。 間隔が空いてしまったので登場人物の関係を思い出すのにちょっとかかったけれど。 見方によって菊の花の文様が貉の毛並みにも見えるという「むじな菊」がよかったな。 玉島千蔭の探索は、ほぼ聞き込みの調査のみ。 ふと気がかりになった事を掘り下げてさっと解決に導く。 あとから見れば序盤にちゃんと布石が置かれているという寸法。 さすが文章の手練れだ。
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南町奉行所の定町廻り同心・玉島千蔭は、猿若町の中村座から三階役者が首を吊ったと知らせを受ける。早速かけつけた千蔭は、骸があった場所でその死に不審を抱く。調べを進める千蔭の前に明らかになってきたのは、芝居の世界に横たわる漆黒の「闇」だった(表題作「土蛍」)。人気シリーズ、待望の第五...
南町奉行所の定町廻り同心・玉島千蔭は、猿若町の中村座から三階役者が首を吊ったと知らせを受ける。早速かけつけた千蔭は、骸があった場所でその死に不審を抱く。調べを進める千蔭の前に明らかになってきたのは、芝居の世界に横たわる漆黒の「闇」だった(表題作「土蛍」)。人気シリーズ、待望の第五弾は、珠玉の短編四編を収録。読者を唸らせる時代推理小説の大傑作。
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