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困難な成熟 の商品レビュー

4.3

37件のお客様レビュー

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2016/04/24

「困難な成熟」というタイトル自体が私のためにあるようなものだ。 いつもの本同様、「この話はいつもの話だ」というのも多かったが、それはそれで、大事な話は何度でも聞きたいから良い。 第5章の、「トラブルは『問題』ではなく『答え』である」という段は、細かい状況は私の問題と一致はし...

「困難な成熟」というタイトル自体が私のためにあるようなものだ。 いつもの本同様、「この話はいつもの話だ」というのも多かったが、それはそれで、大事な話は何度でも聞きたいから良い。 第5章の、「トラブルは『問題』ではなく『答え』である」という段は、細かい状況は私の問題と一致はしないんだけど、もう身につまされて、タイムリーすぎて、内田先生の本を読むことがやめられないのは、これだからだと思った。 「未来に高い確率でトラブルが起きることを、実は無意識のうちに予測していた」とか 「トラブルを無意識のうちに『自分で招き寄せている』」とか 「『こいつは嫌なやつだ』という自分の判断の適切さを、その人がほんとうに自分に対して「嫌なこと」をしかけるように仕向けることで証明しようとする。」とか。 あー、私は「自分の人物鑑定眼が適切であることを確認する」よう、「長い時間をかけて仕込んできた」のか。 全くそんなこと思ってもいなかったが。 "自分が選択したこと、自分がやっていること、自分が考えていることの適切さについて第三者的、価値中立的な視点から吟味できないことを僕たちは「頭が悪い」と言います。そして、第三者的、価値中立的な視点から自分自身の推論や判断を吟味するというのは言い換えると「自分の頭の悪さを点検する」ということなのです。 つまり、「頭の悪さ」と「頭の良さ」を分岐するのは、「自分はもしかすると頭が悪いんじゃないか?」という自己点検の装置が起動しているか起動していないか、それだけの違いなんです。 「自分は頭が悪いんじゃないか?」という疑問に捉えられて、それゆえメタ認知的に自分の思考を自己点検できるひとはあまりひどい失敗はしない。" 184ページ ひどい失敗ではなかったと思いたい。

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2016/03/22

「責任を取ることなど誰にもできない」という言葉は衝撃的だ。しかし、よくよく読まされると納得させられる。 ルールをめぐる混乱は「真実」と「方便」の区別のつかない人が「方便」の部分をかたくなに守ろうとすることから生じるものと、どうせ「方便」なのだから制定時点での「真実」を検証しなくな...

「責任を取ることなど誰にもできない」という言葉は衝撃的だ。しかし、よくよく読まされると納得させられる。 ルールをめぐる混乱は「真実」と「方便」の区別のつかない人が「方便」の部分をかたくなに守ろうとすることから生じるものと、どうせ「方便」なのだから制定時点での「真実」を検証しなくなることから生じるものがある。まったくその通り。 「努力できる」という状況にいられるのは、それだけでもかなり幸運であるということに気づかなければならないし、それは世界的にも歴史的にもほとんど奇跡的であるということ。 「青年」は創り出されたものだという考えは明治期の文学を説明するのにかなり有効である。

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2016/02/24

相変わらず「同じようなこと」を手を変え品を変えおっしゃってるんだけど、 「あぁ、そうですよね。うんうん。」 みたいな感じで読み進めてしまう。 あとがきにぐっときたので星4。 折にふれて 「内田先生はなんておっしゃってたんだっけ?」 と振り返る本になると思う。 ここでおっしゃっられ...

相変わらず「同じようなこと」を手を変え品を変えおっしゃってるんだけど、 「あぁ、そうですよね。うんうん。」 みたいな感じで読み進めてしまう。 あとがきにぐっときたので星4。 折にふれて 「内田先生はなんておっしゃってたんだっけ?」 と振り返る本になると思う。 ここでおっしゃっられるために用いられた理路や含意はまだわからないんだろうけど、今はそれで良いと思う。

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2016/01/24

大学の、フランス文学ゼミの先生が内田さんの本を薦めていて。何か繋がりがあったと思うけど忘れちゃった。 子育てについて、父親と母親は違う方針を持っていた方がいい。その葛藤の中で子どもはすくすく成長します、というところでおぉっと思った。うちの両親もそういえばそうだったなぁ〜と。 他に...

大学の、フランス文学ゼミの先生が内田さんの本を薦めていて。何か繋がりがあったと思うけど忘れちゃった。 子育てについて、父親と母親は違う方針を持っていた方がいい。その葛藤の中で子どもはすくすく成長します、というところでおぉっと思った。うちの両親もそういえばそうだったなぁ〜と。 他にも沢山気づきをくれた本でした。 こういう本もたまには読まないと考える力が衰えるな… ぱっとみ難しそうだけど、読んでみるとすっと頭に入ってくる。それでも14歳にはかなり理解しづらい内容だと思う。

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2016/01/17
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人生相談の質問に答えたメールマガジンの書籍化。読みやすいものでもないし、鵜呑みにするのも何か違うような感じがするけれど、読みがいは感じられる。 困難であっても人としての成熟を目指すこと、それは共同体感覚をもって生き延びようとすること、自らを取り巻く世界に有り難さを認め感謝の返報をすることを教えてもらってように思う。 16-8

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2016/01/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

たつるさん とお読みするのですね。 恥ずかしながらこの度知りました。 大人になると、一年が早く経ち、 子供の成長を横目に見ながら 自分は変わってないなと少し残念な気持ちになる年末年始を迎えている。 成長、って探るから はて?となるわけで、 成熟、という言葉なら なんとか、進んでるってちょっと胸が落ち着く。 この本は、 ノルアドレナリンが分泌される。 アドレナリンではなく。 頭んなかのいつも使わない部分がとても使われた。 面白かったです。 腑におちる文章、やっぱりわかんない思想の話、心に抱いていきたい言葉、いろいろありました。 自分の大事な手帳にそのいくらかを 書き写しました。 それを読み返したら、なんだかうれしい気持ちがした。 生き延びるためのヒントや かかわっていこうとしてる教育の世界での自分のスタンスの原点になることが、明確になる。 エッセンスが凝縮されていた。 これらは自分で咀嚼し、勝手に血肉にすればよいんだろう。 ひとつ、確信を得たことがある。 前からうっすら意識していたことだけど。 人を必要としていこう。必要であると伝えていきたい。 このひとつから、人々が強くたくましく元気に生き延びることに繋がる。 私の大事な行動指針になる。

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2016/10/31

わたしたちは既にパスを受け取った。 次のプレイヤーへパスしなければならない。 よきパッサーたれ。 【神戸市外国語大学 図書館蔵書検索システム(所蔵詳細)へ】 https://www.lib.city.kobe.jp/opac/opacs/find_detailbook?k...

わたしたちは既にパスを受け取った。 次のプレイヤーへパスしなければならない。 よきパッサーたれ。 【神戸市外国語大学 図書館蔵書検索システム(所蔵詳細)へ】 https://www.lib.city.kobe.jp/opac/opacs/find_detailbook?kobeid=CT%3A7200183288&mode=one_line&pvolid=PV%3A7200456430&type=CtlgBook

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2016/01/09

生きていく上で新たな考え方を与えてくれる本。人は不完全だからこそ、悩み、迷い、そして自分なりの答えを見つけていく。その助けになる1冊だとおもう。

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2015/12/28

メルマガ連載のまとめ本。 市民的成熟とは何か?ということが、 様々な切り口から語られている。 大人とはどんな人なんだろう? 責任をすすんで引き受ける人。 情理を尽くして語ろうとする人。 答えがある問ではないけれど、 それを考える価値があることを 感じさせてくれる一冊。

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2015/12/27

「人間が不機嫌なとき、暗い気持ちのときに下した判断は、だいたい間違っている」 1番最初の”責任は取れない”の話が特に面白かった。責任は取れないけれども、責任を取る意気込みがなければ、問題が発生してしまう。これは言葉遊びのようにも見えるが、確かにそうだと思える考えである。 他に...

「人間が不機嫌なとき、暗い気持ちのときに下した判断は、だいたい間違っている」 1番最初の”責任は取れない”の話が特に面白かった。責任は取れないけれども、責任を取る意気込みがなければ、問題が発生してしまう。これは言葉遊びのようにも見えるが、確かにそうだと思える考えである。 他にも、”赦しは裁きの後”がいい。これは上記の責任とも関係しているだろう。結果に対してなんらかの報いは受けなければならない。しかし、その後に赦しがなければならない。 ”消費量が増え、労働が増える”は、逆に考えると、”消費量が減り、労働が減る”になる。最近では、好景気になり需要が増え(=消費量が増え)、求人倍率(=労働)も上がっている。 ”贈与は主体的な行為ではない”もやはり言葉遊びのようで核心をついている。与えられたからこそ、与えなければと思い、与える。それはきっと無意識下の行動原理なのだろう。

Posted byブクログ