このたびはとんだことで 桜庭一樹奇譚集 の商品レビュー
喜怒哀楽全部セットみたいな内容に心が大歓喜しました。 面白さは勿論なんですが不気味さの中に優しさとか、寂しさとか散りばめられていてちょっと泣きそうになるお話なんかもあったりして。 私のお気に入りはモコ&猫と赤い犬花です。 是非読んでいただけたら嬉しいです。
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モコ&猫 触れたい、近づきたいとは思わず、ただ見つめていたい男の話。これを恋や愛と言っていいのかは分からないけれど、感情ってそんな単純なものじゃなくて矛盾を含んだものだよな〜と。 このたびはとんだことで 死後に妻と愛人の争いを見守る男の視点で進む。女の愛とは重いものです、と言わんばかり。 青年のための推理クラブ 誰が現実ではどんな人で、誰になりきっているのか掴むのに若干苦戦。違う人格として過ごす空間が少女たちには必要だったんだなと。 冬の牡丹 今回はこれが一番刺さった。 かつては父に一番に認められている自分を軸に生きてきた、現代的で慎重で"残念な"美しい女性。でも途中から風向きが変わって、結婚していない彼女は家族から下に見られるようになる。どう生きれば良かったのか自問自答する彼女の姿が苦しい。"世間"みたいなものから外れたお隣さんの居心地の良さ。 五月雨 吸血鬼と吸血鬼と戦う町の人間の話。桜庭先生あるあるだけど、島根とか鳥取って妖怪とか怪奇みたいな伝承が根強く残ってたりするのかな?とか思ったり。 赤い犬花 これも良かった。両親の離婚のために一時的に預けられたどこかも分からない田舎で、姉を自殺で亡くした少年と一緒に、姉の死の真相を求めて険しい山奥を目指す話。家へ戻る最後に急に現実に戻る感覚になるんだけど、困難を共にした少年とのある種特別な絆が描かれていて良かった。普通の友達とは違う、特殊な環境や状況でできた友達の感覚ってなんか分かる気がする。
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「モコ&猫」 恋心ではなくて。 抱いている気持ちに簡単に名前をつけられていれば、こんな複雑な想いを味わう事はなかったのだろうな。 「このたびはとんだことで」 ことんとなる度。 女の意地の張り合いのようになっているが、流石にやり過ぎなうえに最後には狂ってしまっていただろう。 「...
「モコ&猫」 恋心ではなくて。 抱いている気持ちに簡単に名前をつけられていれば、こんな複雑な想いを味わう事はなかったのだろうな。 「このたびはとんだことで」 ことんとなる度。 女の意地の張り合いのようになっているが、流石にやり過ぎなうえに最後には狂ってしまっていただろう。 「青年のための推理クラブ」 窓辺から見てた。 偶然が重なったとはいえメールが届いてなければ、大事になり問題になり大変なことになってただろうな。 「冬の牡丹」 自由に生きてる。 心配してくれるのは有り難いことかもしれないが、勝手に段取りを決めて逐一確認されたら無理だろうな。 「五月雨」 最期の一匹とは。 語られた話が本当のことだったとしたら、それは三十年近く前に出会ったものと同一人物だったのかもな。 「赤い犬花」 冒険をした日に。 こんな選択肢を選ばせてしまう前に、悲しみの中で気付いたのかもしれない感情を贈ればよかったのにな。
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奇譚集、と銘打っているだけあって何とも奇妙な感覚をもたらす短編集。ただ設定が異質なのは骨になった男が妻と不倫相手のやり取りを傍観する表題作と、夜のホテルでホテルマンが見た幻の話「五月雨」だけで、他は日常で有り得る話。しかし大学で一目惚れした相手をただ見つめるだけの話「モコ&...
奇譚集、と銘打っているだけあって何とも奇妙な感覚をもたらす短編集。ただ設定が異質なのは骨になった男が妻と不倫相手のやり取りを傍観する表題作と、夜のホテルでホテルマンが見た幻の話「五月雨」だけで、他は日常で有り得る話。しかし大学で一目惚れした相手をただ見つめるだけの話「モコ&猫」が、アパートの隣人との交流から己を振り返る「冬の牡丹」が、田舎での地元の子との冒険「赤い犬花」が予想外の歪さを見せてくる。映写機でのフィルムを見せられているような距離感から急に距離を詰めて揺さぶって来る語りがが桜庭さんらしい。「冬の牡丹」「赤い犬花」に漂うどうしようもない切なさが響いた。
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桜庭一樹さんの神秘的な世界観には 定期的に触れたくなる。 期待に違わず、ちょっとひやっとするようなお話が多くて満足した。 それぞれが独立したお話なので、読みやすい。 すぐに桜庭一樹さんの世界に入れた。 モコ&猫 冬の牡丹 が好きだった。
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【モコ&猫】 普通でない愛 【このたびはとんだことで】 男の骨壺を挟んだ妻と愛人 【青年のための推理クラブ】 と見せかけて? 【冬の牡丹】 残念美人のグダグダ 【五月雨】 吸血鬼もの 【赤い犬花】 少年が田舎で冒険
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心の中に、普段は目を背けているような影を持つ そんな登場人物たち。 苦い笑いを浮かべたくなるような そんな短編集
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完全にノンシリーズで関連なしの短編集。解説にも同じ趣旨の話があったが、長編作品のある一部分を切り取ったかのような味のある作品が揃う。つまり、この続きを見てみたい、とか、彼らのその前の話を見てみたい、という感情が湧き出てくる。それだけ、各編の登場人物は濃く、その設定は魅力的である。「モコ&猫」の好きでいることの不思議な切なさ、「冬の牡丹」に見える漠然とした生き辛さは心に響いた。
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『このたびはとんだことで 桜庭一樹奇譚集』読了。 短編集でとても良かった。どれも読み終わった後に内容から疑問を投げかけられそれに対しいろいろ考えたな。特に「冬の牡丹」は未来図がみえてしまった。自分もこうなるだろうっていう。 2016.7.19(1回目)
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短編集。「モコ&猫」「冬の牡丹」が好きでした。男女の歪なようにも見える濃い関係を描かせるとピカイチな作家さんだなと改めて実感する作品集でした。
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