世界文学の中の夏目漱石 の商品レビュー
漱石はロンドン留学中に西洋文学を濫読しています。思いは近代小説の最先端を日本で書いてやろうという野心でしょう。漱石は一作ごとに深化するという線的進化の見方がありますが、著者は一作ごとに新たな表現形式に挑戦したといいます。漱石の「文学論」を実践するものです。惜しむらくは「三四郎」を...
漱石はロンドン留学中に西洋文学を濫読しています。思いは近代小説の最先端を日本で書いてやろうという野心でしょう。漱石は一作ごとに深化するという線的進化の見方がありますが、著者は一作ごとに新たな表現形式に挑戦したといいます。漱石の「文学論」を実践するものです。惜しむらくは「三四郎」を頂点として内向化するのです。「私小説」を「内向化小説」と広く捉え、この系列には永井荷風、漱石も入ると指摘しています。
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