プラハの墓地 の商品レビュー
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最後の一行 「ガヴィアーリが最後の注意をしてくる。『ここに気をつけろ、そこに注意するんだぞ』 まったくなんてことだ、私はまだ老いぼれじゃない。」
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二人が二人とも、所謂 " 信頼できない語り手 " っつー奴で、近代イタリア・フランス史はサッパリで、もう振り回されっぱなしだったけど、ちょいちょい美味しそうなのが挿入されてて読んじゃった。ゴッドファーザーのカンノーリとか。そしたら巻末に、章題とプロットとストーリーの対応表があった!先に出せよ〜( ̄▽ ̄)
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イタリア統一、パリコミューン、ドレフェス事件、シオン賢者の議定書を、全てに関わる1人の男がいたとしたら? 陰謀の普遍的形式、人々は既に知っていることだけを信じる、 暴露記事と言うものは、奇想天外割衝撃的で、現実離れしていなければならない、そーゆー場合に限って人は信じ込んで憤慨する...
イタリア統一、パリコミューン、ドレフェス事件、シオン賢者の議定書を、全てに関わる1人の男がいたとしたら? 陰謀の普遍的形式、人々は既に知っていることだけを信じる、 暴露記事と言うものは、奇想天外割衝撃的で、現実離れしていなければならない、そーゆー場合に限って人は信じ込んで憤慨する.世界征服のためのユダヤ人の企み、 人間の1番の特徴は、なんだろうと信じ込むことです。信じやすい人ばっかりでなかったなら、どうして協会が2000年近くも存続できているでしょうか? 敵を作る、集団のアイデンティティーを強化し、自らの価値を確信するために脅威となる癖を乱す事は、極めて自然な現象である.異民族、異教徒、1部にし、マジオネアいたん、ユダヤ人が悪魔扱い、
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よく考えずに手を出したらとんでないお話だった。 主人公はユダヤ人嫌いの祖父に育てられたシモニーニ。祖父の死後、公証人のもとで文書偽造に関わった彼はやがてその腕を買われ、各国の秘密情報部と接点を持つようになり、守備範囲を政治的な文書へと広げていく──というストーリー。主人公以外の...
よく考えずに手を出したらとんでないお話だった。 主人公はユダヤ人嫌いの祖父に育てられたシモニーニ。祖父の死後、公証人のもとで文書偽造に関わった彼はやがてその腕を買われ、各国の秘密情報部と接点を持つようになり、守備範囲を政治的な文書へと広げていく──というストーリー。主人公以外の人物はほぼ全員が実在。さまざまな人種、思想が入り乱れての陰謀、策略の上塗り大会。 構成も凝っており、主人公とある神父の書簡のやり取りから始まる。主人公はこの神父と自分が同一人物ではないかと疑っており、そんな主人公の曖昧な記憶を埋めるかのように「書き手」が物語を補足する。書簡の中には身に覚えのない死体が登場し、時系列もあやふや。この殺人を巡る展開はミステリでもあり、そう思うとストーリー全体がフーダニットにも思えなくはないのよね。 勉強不足に加えて、実在の人物・事件と身構えたので余計に難しく感じてしまった。逆にフィクションだと思い込む方が面白く読めるのかも。
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イタリアの近代史を知らないので,人物がよくわからないところもあって,面白さが半減したのかもしれない.表の歴史を知っていての裏の歴史なので,知識のなさが残念でした.できるならば参考文献で人物相関図や,簡単な事件の説明があれば読みやすかったと思います.悪人,シモニーニに魅力がないのも...
イタリアの近代史を知らないので,人物がよくわからないところもあって,面白さが半減したのかもしれない.表の歴史を知っていての裏の歴史なので,知識のなさが残念でした.できるならば参考文献で人物相関図や,簡単な事件の説明があれば読みやすかったと思います.悪人,シモニーニに魅力がないのも,この本の読みにくさの一因だと思うし,最後もしり切れとんぼのような感じだ.ただ,挿画は素晴らしいの一言.
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エーコ、亡くなるのと販売が前後した遺作、ってことでいいのかな。 去年の年始くらいから発売予定になってて待ちくたびれたところはあったけれども、まさか亡くなるとは…か ユダヤ人迫害の根拠の一つながら実は偽文書だったと言われる「シオンの議定書」の誕生を巡るミステリー。 ややこしいのは主...
エーコ、亡くなるのと販売が前後した遺作、ってことでいいのかな。 去年の年始くらいから発売予定になってて待ちくたびれたところはあったけれども、まさか亡くなるとは…か ユダヤ人迫害の根拠の一つながら実は偽文書だったと言われる「シオンの議定書」の誕生を巡るミステリー。 ややこしいのは主人公シモニーニ以外の登場人物は実在したってこと。とはいえ、あくまでフィクション。寝不足気味の通勤電車の車内ではなかなか読み進めないんだけど、そんなブツ切れの時間に読んでも読み進められるくらいには読みやすいし、特に時代についての知識がなくても読むのには困らない。
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ユダヤ人排斥の根拠ともなった偽書『シオン賢者の議定書』を巡る意図的に的に作り上げられる憎しみの構図。 ある程度そうあってほしいと人々が思うようなフィクションをそれらしく物語る事によってフィクションだったはずのものが事実になる。もしくは歴史になる。ていう怖さ。 フィクションが信念...
ユダヤ人排斥の根拠ともなった偽書『シオン賢者の議定書』を巡る意図的に的に作り上げられる憎しみの構図。 ある程度そうあってほしいと人々が思うようなフィクションをそれらしく物語る事によってフィクションだったはずのものが事実になる。もしくは歴史になる。ていう怖さ。 フィクションが信念を補強していく大きな物語と、シモニーニとピッコラ神父が互いの日記の対話を通してただの覚書が肉付けされていくという小さな物語の二重構造も仕掛けとしてもすごく面白い。
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さすがエーコ。何が何だかさっぱりわからない。亡くなってしまったのはほんと残念だ。 大デュマなど19世紀の娯楽小説の体裁をとりながら、二重人格の解釈や陰謀家・オカルティストに向ける厳しい批判の姿勢は今日的。作品の評価としては極上だけど、個人的には『フーコーの振り子』の方が好きかな。
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エーコの最新邦訳書。本書刊行と前後して訃報が届いたのはショックだった……。 『シオンの議定書』をテーマにした歴史小説であり、冒険小説であり、ミステリでもある。重層的に重なり合う物語は『薔薇の名前』を思わせる。 遺作となった作品は夏頃に河出書房新社から刊行される予定だそうだ。こち...
エーコの最新邦訳書。本書刊行と前後して訃報が届いたのはショックだった……。 『シオンの議定書』をテーマにした歴史小説であり、冒険小説であり、ミステリでもある。重層的に重なり合う物語は『薔薇の名前』を思わせる。 遺作となった作品は夏頃に河出書房新社から刊行される予定だそうだ。こちらも楽しみだが、岩波から出ると言われていた『女王ロアーナ、神秘の炎』はどうなったのだろう……。
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