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罪悪 の商品レビュー

3.9

21件のお客様レビュー

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2018/11/14

“青い”の反対はなんだろう? この前に読んだ『空気の名前』が青いなら、こちらは。。。黒い? 高め安定。 ミステリーファンならこれは読まなくては。 いやミステリーじゃないか、現実に基づいた犯罪短篇集。 人って。。。

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2017/06/20

「犯罪」に続く短編集第2弾。 正と悪、罪と罰という風には割り切れない話の数々。 特に冒頭の何編か、重い影のようなものを置いてゆく。やるせなく、切なく、心に残った。 簡潔な文章のよさを、今回も感じた。

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2016/10/04

「犯罪」よりも表現がえぐいところがあり,ところどころ読むのがきつかったかも。「解剖学」は結末が面白かった。小説では運転手に情状酌量が認められたような終わり方でしたが,日本ではどうなんでしょう?

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2016/06/24

第一作の「犯罪」に似た短編集です。どの短編も読了感は悪いのですが、読んでいる最中は先が全く予測できず、先を読みたくなる欲求を抜群に秘めた作品ばかりでした。

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2016/06/15

あ、あれ…?前作の「犯罪」が好きだったから手に取った続編。のはずなんだけど、こんなだったっけ…? ざっとしか読み比べてないから違うかもしれないけど、随分「小説」に近づいた印象。前作は裁判記録や弁護士として聞いた証言から「最低限の物語」を抽出していた感じがする。表現は端的で正確、筆...

あ、あれ…?前作の「犯罪」が好きだったから手に取った続編。のはずなんだけど、こんなだったっけ…? ざっとしか読み比べてないから違うかもしれないけど、随分「小説」に近づいた印象。前作は裁判記録や弁護士として聞いた証言から「最低限の物語」を抽出していた感じがする。表現は端的で正確、筆者の想像力は最低限に抑えられている、それでも溢れる人間味、ドラマ。そんなところに魅力を感じていたような。 今作はより作者の想像に彩られている。言ってしまえば事件中の会話が増大してる。「鍵」なんかはもうクライムノベルだよね。もちろん楽しんだけど、期待とのギャップが、、、うーん。 こんな批判はあんまりフェアではないとも思ってるんだけど。キャラクターが豊かになったとダメ出しする編集者は現代には多くない気がする。前作は極論誰でも書けてしまうわけで、作者の個性の表れは成長と進歩だ。 でも、うーん。やっぱり前作の方が好みだったな!

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2016/05/22

心が痛む話が増えた気がする…でも、実際にこういった出来事は今、この瞬間にも世界のどこかで起きていることかもしれなかい。 小説というには、現実的すぎて怖くなる。 でも、また読みたくなってしまう不思議。 早く続きが読みたくて、駅のホームと、信号待ちで、歩きスマホならぬ、歩き読書をし...

心が痛む話が増えた気がする…でも、実際にこういった出来事は今、この瞬間にも世界のどこかで起きていることかもしれなかい。 小説というには、現実的すぎて怖くなる。 でも、また読みたくなってしまう不思議。 早く続きが読みたくて、駅のホームと、信号待ちで、歩きスマホならぬ、歩き読書をしてしまったわ(笑)

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2016/04/26

「父は1944年、ナチによって死刑の判決を受けた。 (家族) : 理解できず 罪悪を感じるということが、訴訟とまったく別物である(ふるさと祭) 私は減刑を求め ヴァラーは火ばさみで赤く焼けた炭をつついた。

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2016/04/23

20160423 今度はどう騙されるのか?意外性の有るストーリー展開が読んでしまう理由。短編だからできることというよりもこうしたいから短編なのだと思う。

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2016/04/09

短編集、というよりかは、ショート・ショート集といった一冊。どの作品も「すっきり爽快!」とはなりませんが、強く印象に残る感じ。うまく言えませんが(汗) どれも甲乙つけがたいですが、個人的には『家族』が良かった。

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2016/03/21

 ミネット・ウォルターズの中編『養鶏場の殺人』が、とても強く印象に残っている。ウォルターズとしては珍しく、実際に起きた事件を小説化したものであり、やはり実際に起こったことのほうがむしろ小説よりも奇という場合もあるのだな、とじわじわと背筋に迫る人間の怖さを感じたりしたものだ。ついで...

 ミネット・ウォルターズの中編『養鶏場の殺人』が、とても強く印象に残っている。ウォルターズとしては珍しく、実際に起きた事件を小説化したものであり、やはり実際に起こったことのほうがむしろ小説よりも奇という場合もあるのだな、とじわじわと背筋に迫る人間の怖さを感じたりしたものだ。ついでに言えば、当該作品は、2006年イギリスのワールドブックデイにクイックリード計画の一環として刊行されたものであり、普段本を読まない人に平易な言葉で書かれた読みやすい本として提供されたそうである。  さて、本書『罪悪』は、日本国内でも上位にノミネートされて話題を呼んだ『犯罪』に次ぐ、現役刑事弁護士シーラッハの第二短編集である。『養鶏場の殺人』を想起させたのは、シーラッハの作品がミステリという枠を超えて、どんな読者にも、ともすれば普段本を読まない人をターゲットにして読んで頂いても、読みやすく、そして感銘を残すのではないだろうかと、ぼくの中で勝手に想像が働いたからだと思う。  おまけに『養鶏場の殺人』と同じく、シーラッハは現実に体験した事件から材を取っている。そのために、普通のミステリーでは描けないほどの人間の不思議さに迫る作品がむしろ多いように思われることだ。亡き叔父の遺した「物事は込み入っていることが多い。罪もそういうものの一つだ」という言葉を刑事弁護士という仕事に取り組んでいるうちに、徐々に自らに身についてきた真摯な眼差しなのであろう。  主人公「わたし」の登場し扱ってきた事件の題材という形をどの作品もどうであれ採用していることで、それぞれの人間の起こす奇妙な罪の群像にリアリティという光を与えている点にも注目される。刑事告発された罪は、見たままのものではないことが多い。むしろ「込み入っていることが多い」のである。  偶然が罪を生じさせる有機現象のように見えるものもあれば、人間の弱さや懐疑心が唐突に、もしくは長い時間をかけて貯蔵され、唐突に喫水線を超えることもある。世の中のミステリ小説は、こうした人間の不条理を扱って模索されるものが多い。しかしシーラッハは極端に煮詰め込み濃縮し切った超短編という形でいくつもの例題を提示する。それはそれで恐ろしさをナイフの先のように読者の心理に突き立てる。文章のあざとさというより、文章の選ばれた短さ、断面性のようなものが、彼の作品ををよりスリリングなものに磨ぎあげているとしか言いようがない。  シーラッハという読書的新体験ゾーンへようこそ、と言ったところか。

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