1,800円以上の注文で送料無料

キリンの子 鳥居歌集 の商品レビュー

3.8

24件のお客様レビュー

  1. 5つ

    4

  2. 4つ

    10

  3. 3つ

    4

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2023/08/31

ゾッとするような歌も、包み込むような歌も両方がこの歌集には存在していた。 何よりも、人生を詠むということはこういうことなんだと知らされたように感じた。後半になるにつれて、余韻がよく効いた歌が多くなってきていて、歌の中に入り込みやすかったように思う。 また、言葉一つ一つが放つ空気感...

ゾッとするような歌も、包み込むような歌も両方がこの歌集には存在していた。 何よりも、人生を詠むということはこういうことなんだと知らされたように感じた。後半になるにつれて、余韻がよく効いた歌が多くなってきていて、歌の中に入り込みやすかったように思う。 また、言葉一つ一つが放つ空気感を上手く使っているなと思った。言葉一つ一つにこだわりを持つこと、とは言うが、こう言った印象や語感に気を遣うという意味でも、こだわっていきたい。

Posted byブクログ

2021/06/07

ここまで辛い人生があるのかと、衝撃を受けました。 でも私たちはニュースでひとり親とか孤児院とかホームレスという言葉を何度も何度も聞いていて、鳥居さんのような人がいることを知っていたはず。 でも、当事者の立場に立って現実の生活や体験、気持ちを考えたことなんてなかったんだなという...

ここまで辛い人生があるのかと、衝撃を受けました。 でも私たちはニュースでひとり親とか孤児院とかホームレスという言葉を何度も何度も聞いていて、鳥居さんのような人がいることを知っていたはず。 でも、当事者の立場に立って現実の生活や体験、気持ちを考えたことなんてなかったんだなということを知りました。 短歌としても素晴らしいが短歌に興味のない人にも読んでほしい。 多くの人がまずは世の中にいる鳥居さんたちのことを知るべきだと思った。

Posted byブクログ

2021/03/28

多分この本の評価はつけられない この歌集に込められた思いを簡単に咀嚼するのは無理だ 繰り返し繰り返し読んで、日々のある瞬間に理解できる日が来るかもしれないし来ないかもしれない 僕は鳥居さんではない 彼女の苦しみは彼女のものだ それでも彼女の歌からは彼女の痛みが溢れ出している 読み...

多分この本の評価はつけられない この歌集に込められた思いを簡単に咀嚼するのは無理だ 繰り返し繰り返し読んで、日々のある瞬間に理解できる日が来るかもしれないし来ないかもしれない 僕は鳥居さんではない 彼女の苦しみは彼女のものだ それでも彼女の歌からは彼女の痛みが溢れ出している 読み手さえも受け止めきれないほどに 安易に共感を許さない冷たさが彼女の歌にはある そして同時にその痛みへの温かい眼差しも

Posted byブクログ

2022/04/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

一番、印象に残った歌は「あおぞらが、妙に、乾いて、紫陽花が、路に、あざやか なんで死んだの」です。 「あおぞらが」から「あざやか」は頭の中からイメージを絞り出しているような感じですが、「なんで死んだの」は、苦しみの中から自然に発せられた、とてつもなく強い心の叫びだと思いました。 著者の悲痛な心の内を痛いほど感じました。

Posted byブクログ

2020/09/05

短歌という形で、ある人の過酷な人生と心の奥底を垣間見る。 その人生を垣間見て、わたしはどうしたいのだろう? 自分の人生は平穏でよかったと安心したいのか? こんな辛い人生をよく生きたと同情したいのか? 学びたいのは、彼女の強さ。 自分の思いを言葉にしながら、ありたい方向に進...

短歌という形で、ある人の過酷な人生と心の奥底を垣間見る。 その人生を垣間見て、わたしはどうしたいのだろう? 自分の人生は平穏でよかったと安心したいのか? こんな辛い人生をよく生きたと同情したいのか? 学びたいのは、彼女の強さ。 自分の思いを言葉にしながら、ありたい方向に進んでいくという、人生のコマの進め方。 強く生きるということは、強く主張することではなく、自分を認め、受け入れ、人を認めて、受け入れて、かろうじて今日よりも良い明日を夢見て前にすすんでいくことなのかなと。 あと、彼女を守った大人が周りにいたことが良いなと。わたしもそんな大人でありたい。

Posted byブクログ

2019/12/11

Twitterで注目! 拾った新聞で字を覚え、短歌に出会って生きのびた天涯孤独のセーラー服歌人の初歌集。

Posted byブクログ

2019/09/28

キリンの子 歌集 鳥居 角川 母と二人で暮らす厳しい環境の中で 小学校5年の時家に変える母親が服毒自殺をしていた そこからは施設の孤独な人生で過酷なイジメにあい ホームレスも経験し八百屋で働く中で 新聞が友達となり短歌と出合う あおぞらが、妙に、乾いて、紫陽花が、路に、あ...

キリンの子 歌集 鳥居 角川 母と二人で暮らす厳しい環境の中で 小学校5年の時家に変える母親が服毒自殺をしていた そこからは施設の孤独な人生で過酷なイジメにあい ホームレスも経験し八百屋で働く中で 新聞が友達となり短歌と出合う あおぞらが、妙に、乾いて、紫陽花が、路に、あざやか なんで死んだの と詠んだ お月さますこし食べたいという母と三日月の夜の坂みちのぼる 鳩たちへ配って遊ぶ出掛けぎわ母が持たせてくれたクッキー ほんとうに楽しみだった誕生日 砂糖のように家はくずれた 壊されてから知る 私を抱く母をしずかに家が抱いていたこと オレンジの皮に塗られた農薬のような言葉をひとつ飲みこむ 墓参に供えるものがないからとあなたが好きな黄色を着ていく 空しかない校舎の屋上ただよいて私の生きる意味わからず エレベーターに20分ほど乗っていた居場所がなくてスーツにまみれ 透明なシートは母の顔覆い涙の粒をぼとぼと弾く 読み返しているうちに胃液が込み上げてきそうになってたじろぐ

Posted byブクログ

2019/06/03

テレビで特集をみてすぐに買って読んだもの。 すごく悲惨で悲しい歌もあり、読んでいて心がすごく苦しくなりました。 でも、それはとても私は感じることや想像することはできても、実際はそれ以上のことなのでしょう。 すごくいい作品です。涙しました。

Posted byブクログ

2019/01/22

2017年2月7日(火)に紀伊國屋書店梅田本店で購入。同日読み始め、同日読み終える。 本日未明にNHKの『NEXT 未来のために』という番組(再放送)で、鳥居さんを取り上げた「響き合う歌〜歌人・鳥居と若者たち〜」というのをたまたま見る機会があり、興味を持ったので買ってみた。 ...

2017年2月7日(火)に紀伊國屋書店梅田本店で購入。同日読み始め、同日読み終える。 本日未明にNHKの『NEXT 未来のために』という番組(再放送)で、鳥居さんを取り上げた「響き合う歌〜歌人・鳥居と若者たち〜」というのをたまたま見る機会があり、興味を持ったので買ってみた。 なかなかよかった。

Posted byブクログ

2019/01/13

著者の鳥居さんの生い立ちをうっすらと読んで、それからずっと読みたかった歌集です。 打ちのめされました。 短歌を読むことでしか生を繋ぎ止められない、彼女が短歌に出会ったのは必然だったのだと思いました。 鳥居さんの選ぶ言葉は説得力がありました。 第一部はどれも辛さを感じましたが、「紺...

著者の鳥居さんの生い立ちをうっすらと読んで、それからずっと読みたかった歌集です。 打ちのめされました。 短歌を読むことでしか生を繋ぎ止められない、彼女が短歌に出会ったのは必然だったのだと思いました。 鳥居さんの選ぶ言葉は説得力がありました。 第一部はどれも辛さを感じましたが、「紺の制服」が最も悲しくなりました。

Posted byブクログ