中世社会のはじまり の商品レビュー
教科書的なものを読んでから読み進めるのが都合の良い難度か。 主に院政期の流れから鎌倉時代・室町時代前半までを通史的に扱うが、フォーカスを当てているのは文化史で、「氏から家」→「身体化された文化」→「職能化された文化」の変遷をみる。 氏と家はこう違うんだ、身体の文化というのはこうい...
教科書的なものを読んでから読み進めるのが都合の良い難度か。 主に院政期の流れから鎌倉時代・室町時代前半までを通史的に扱うが、フォーカスを当てているのは文化史で、「氏から家」→「身体化された文化」→「職能化された文化」の変遷をみる。 氏と家はこう違うんだ、身体の文化というのはこういう定義だ、みたいな話を基本せず、いきなり具体例から語り始めるのでやや読みづらさはあった。 身体→我が身を省みたり、自分とその周りに着目したり、説話も蒐集範囲が自身の周囲だったり。徒然草からの引用多し。
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道長の満月が欠け始めたころから南北朝が終わるころまでの歴史の流れを、個々の事象ではなく文化や家の概念、地域社会の大きなうねりから概説していく本。普段見慣れている政治史とは違った視点で歴史を見ることになって、同じ歴史がこんなに違って見えるんだという驚きがあります。 とはいえ、いつも...
道長の満月が欠け始めたころから南北朝が終わるころまでの歴史の流れを、個々の事象ではなく文化や家の概念、地域社会の大きなうねりから概説していく本。普段見慣れている政治史とは違った視点で歴史を見ることになって、同じ歴史がこんなに違って見えるんだという驚きがあります。 とはいえ、いつもと違った視点で1冊本を読むのって、体力を使いますね……(読み疲れた)
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中世社会の新書としては入門編の扱いであり、4部作の連作を通して中世を垣間見れる新書になっているのだと思う。 途中まで読み進めたものの、歴史的事実(おそらく?)の羅列が多く、あまり内容が頭に入ってこなかったため、積読した。 事実の列挙が学問的には誠実な態度なのではとも思うものの...
中世社会の新書としては入門編の扱いであり、4部作の連作を通して中世を垣間見れる新書になっているのだと思う。 途中まで読み進めたものの、歴史的事実(おそらく?)の羅列が多く、あまり内容が頭に入ってこなかったため、積読した。 事実の列挙が学問的には誠実な態度なのではとも思うものの、事実と事実の間のつながりや背景が見えず、なぜその事象が起こったのかが説明されることが少なかったため、2章ほど読んで積読とした。 人によっては別の見方をする人もいるのかもしれない。
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2023/01/05 本当に難しいというか内容がとても濃くて読み進めるのに時間がかかりましたが。けれどもその分、あるいは教科書などで学習するよりも遥かに多くの中世に関する知識を得ることができると思います。 武士のおこりから後醍醐天皇の建武の新政あたりまでを解説してくれているのです...
2023/01/05 本当に難しいというか内容がとても濃くて読み進めるのに時間がかかりましたが。けれどもその分、あるいは教科書などで学習するよりも遥かに多くの中世に関する知識を得ることができると思います。 武士のおこりから後醍醐天皇の建武の新政あたりまでを解説してくれているのですが、それぞれの出来事の背景とつながりについてものすごく深い情報量となっています。 学生のときに歴史の学習で出てきた人物は、こんなところでも出てくるんだ…とか、この出来事はこんなところの人物と繋がっていたんだ…とか、この出来事の背景はこんな経緯があったんだ…とかとにかく深いです。 伝記や絵巻物、文学作品が制作された背景もこの本の内容と大いに関わってくるため幅広く歴史を網羅することが出来るかと思います。 一度日本史の勉強で学習していたことを復習しつつ、日本史をさらに深掘りする形でこの本を読み進めていくと面白いのかなと思いました。
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前九年の役が中世の端緒という。 この戦、安倍氏の支配体制が後の鎌倉幕府の原型を作った。 この時代、後三条天皇の治世にあたり、後の院政を捉えた動きがあり、確かに中世を彷彿とさせる時代だった。
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第1章 中世社会が開かれる 第2章 地域権力と家の形成 第3章 地域社会の成長 第4章 武者の世と後白河院政 第5章 身体の文化 第6章 職能の文化 著者:五味文彦(1946-、甲府市、日本史学者)
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平安後期から室町初期までの流れを扱う。平安から鎌倉にかけて、院の存在が重要だったことを改めて認識できた。
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岩波新書の日本中世史シリーズ全4巻の第1巻で、本来は最初に読むべきだったのかもしれないが、最後に詠むこととなった。平安時代にかかる院政期から平氏支配までの通史的な部分と、鎌倉・室町時代までを見通した総論的部分が含まれるが、各時代の各論である他の3巻を読んでしまっていたせいか、後者...
岩波新書の日本中世史シリーズ全4巻の第1巻で、本来は最初に読むべきだったのかもしれないが、最後に詠むこととなった。平安時代にかかる院政期から平氏支配までの通史的な部分と、鎌倉・室町時代までを見通した総論的部分が含まれるが、各時代の各論である他の3巻を読んでしまっていたせいか、後者がやや退屈だった。もちろん、各論には出てこない視点、具体的には「家の成立・継承」とか「身体性への覚醒」といったことが提示され、これに沿った解説が行われているのだが、こちらの理解不足なのか、説得力や分かりやすさが欠けていたようにも感じられる。
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家の始まり。次に身体から歴史を読み解くのは一興。最後に職能の文化。仕方ないが、総じて名もなき人の叙述は少ない。ダイナミズムがあまり感じられなかった。
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タイミング良く岩波から中世を扱う新書のシリーズが始まった。ワクワクして1巻のページをめくる。 武家の台頭にともなって、現代につながる文化の枠組みも生まれてくる。家→身体→職能と文化が展開し、型として定着したとする視点がおもしろい。次巻が楽しみだ。
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