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恥さらし の商品レビュー

3.8

15件のお客様レビュー

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2017/01/14

驚いた。 真っ黒だ。想像を超えている。 『日本で一番悪い奴ら』 という名前で映画化されているが、この内容をそのまま描いたものだとしたら、ノンフィクションと理解されるか心配だ。 にわかには信じ難い、ノルマのための拳銃摘発の代わりに覚醒剤と大麻密輸を見逃すという件は、北海道新聞と道...

驚いた。 真っ黒だ。想像を超えている。 『日本で一番悪い奴ら』 という名前で映画化されているが、この内容をそのまま描いたものだとしたら、ノンフィクションと理解されるか心配だ。 にわかには信じ難い、ノルマのための拳銃摘発の代わりに覚醒剤と大麻密輸を見逃すという件は、北海道新聞と道警との間の戦いを描いた高田昌彦『真実』にも書かれている。根拠がなかった、としておわび広告を掲載させられ、「新聞が警察に跪いた日」と書いた泳がせ捜査失敗記事のさらに深い闇の真実。『真実』を読んでいなかったら、もっと深く驚いていただろう。 それにしても、当事者であった著者の口から語られる、首なし拳銃摘発の実態、エスと呼ばれる協力者の存在、覚醒剤に手を染めていく様子、覚醒剤密輸見逃し事件に至るまでの腐敗ぶりはすさまじい。彼はエース捜査官とも言われていたのだ。おそらく組織の中では、困ったときには頼りになると評価されながらも 、やりすぎで個人の暴走とも映っていただろうことも想像に難くない。それにしても犯人を検挙する必要のない拳銃だけの「首なし拳銃」の摘発をよしとすることは、犯罪抑止に全く効果がなく、逆に犯罪組織に対して借りを作るだけの愚策であることは冷静に見れば当然の帰結だ。おかしい。実際に著者が摘発したほとんどの拳銃がそのような経緯を経て押収されたものだったという。著者は、手持ちの内部協力者(エス)を駆使して組織の数字のために動いたという。そして、そのことについてはまだある種の誇りをもっているように感じ取れる。少なくとも当時は誇りを持って疑問を抱かずにやっていて、そのことを否定していない。謝罪はするものの、そのことについては組織の中で許可を取って進めてきたし、役に立ってきたというある種の抜きがたい自負が見える。 もちろん、責任をあいまいにし、保身に走る上司は批判されるべきだろう。告発したエスや、そのエスから脅されていた警察官、二人の自殺者を出す。死者を二人も出した事件。こういったことが明るみになった後でもつぶれない組織であることも戦慄を覚えるのだ。 警察組織が想像を超えて自浄力のない組織であることがわかる。世の中の治安を向上させる、という組織としての目標とそのためのビジョンがないのか驚くほどに全く共有されていないようなのだ。この本を読む限り。何だろうか。 この本が出たにも関わらず、これによって世間やマスコミが騒いだり、関係者が処分されたといったことは聞かない。「恥さらし」とは自らのことを言ったものだと思う。しかし、おそらくは道警の組織にも向けられるべきものではなかったか。その場合には『恥知らず』とするべきなのかもしれない。 ---- 『真実 新聞が警察に跪いた日』のレビュー http://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4041013232 稲葉圭昭のインタビュー「綾野剛演じる悪徳警官のモデルとなった伝説の男が語る、腐臭漂う警察の実話」 http://jp.vice.com/others/inaba-the-worst-police-in-japan

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2016/07/25

警察官の犯罪や、組織ぐるみの不祥事をニュースで見ることはあっても、それでも警察は私たちを守るために存在しているんだ、と信じてるわけなのだけど。 なんなんだろう、この底知れぬ恐ろしさは。 どこかで根本的に変えなきゃならないんだろうな。

Posted byブクログ

2016/06/25

献本企画に当選。 ありがとうございました。 2000年4月、量130キロ、末端価格にして約40億円の覚醒剤が北海道函館新港に運ばれた。 それを手引きしたのは北海道警察と函館税関。 泳がせ捜査という名の密輸、悪質な犯罪行為だった。 重い十字架をひとり背負うことになった銃対課の稲葉...

献本企画に当選。 ありがとうございました。 2000年4月、量130キロ、末端価格にして約40億円の覚醒剤が北海道函館新港に運ばれた。 それを手引きしたのは北海道警察と函館税関。 泳がせ捜査という名の密輸、悪質な犯罪行為だった。 重い十字架をひとり背負うことになった銃対課の稲葉氏。 組織の要求に応え、上司の命令には逆らわず仕事をしてきた。 責任を押し付けられた稲葉氏は徐々に壊れていく。2002年7月、覚醒剤の使用で逮捕。 読んでいて気持ちが暗くなるほど、道警の闇が書かれている。 映画『日本で一番悪い奴ら』原作本。 映画ではどのように描かれているか楽しみ。

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2016/07/03

(2016.06.17読了) ブクログの献本企画、当選しました\(^o^)/ ありがとうございました! で、早速読んでみました。 これ、ノンフィクションなんですよねΣ(゚д゚lll) 警察が・・・とんでもない話です! 著者は実際に覚醒剤取締法違反や銃刀法違反で逮捕され懲戒免職、懲...

(2016.06.17読了) ブクログの献本企画、当選しました\(^o^)/ ありがとうございました! で、早速読んでみました。 これ、ノンフィクションなんですよねΣ(゚д゚lll) 警察が・・・とんでもない話です! 著者は実際に覚醒剤取締法違反や銃刀法違反で逮捕され懲戒免職、懲役9年に処せられました。 サブタイトルに「悪徳刑事の告白」とあるとおり、最初から最後まで「告白文」です。 いついつどうした、こうした、という独白に終始します。 ドラマ的なところは全くありません。 なので小説としてはいまひとつ物足りなかったですね(^_^;) その点、映画はおもしろそうです(^_−)−☆

Posted byブクログ

2016/06/24

【献本企画】綾野剛主演・白石和彌監督最新作、映画「日本で一番悪い奴ら」6月25日公開記念!原作・稲葉圭昭『恥さらし 北海道警 悪徳刑事の告白』を5名様にプレゼント!【2016年6月13日まで】 http://info.booklog.jp/?eid=910 2016年6月25...

【献本企画】綾野剛主演・白石和彌監督最新作、映画「日本で一番悪い奴ら」6月25日公開記念!原作・稲葉圭昭『恥さらし 北海道警 悪徳刑事の告白』を5名様にプレゼント!【2016年6月13日まで】 http://info.booklog.jp/?eid=910 2016年6月25日公開、映画『日本で一番悪い奴ら』(主演・綾野剛)原作!!Wカバーで好評発売中! 2000年春、函館新港に運ばれてきた覚醒剤。その量130キロ、末端価格にして約40億円。"密輸"を手引きしたのは北海道警察銃器対策課と函館税関であり、「銃対のエース」ともてはやされた刑事だった。腐敗した組織にあって、覚醒剤に溺れ、破滅を迎えた男が、九年の服役を経てすべてを告白する――。 ■「稲葉事件」とは? 日本警察史上、最大の不祥事が明るみに出た事件。2002年7月、北海道警察の生活安全特別捜査隊班長である稲葉圭昭警部が、覚せい剤取締法違反容疑と銃砲刀剣類所持等取締法違反容疑で逮捕、有罪判決を受けた。公判において、北海道警察による「やらせ捜査」や「銃刀法違反偽証」などが明らかになるとともに、北海道警裏金事件が2003年に発覚するきっかけともなった。 ■著者紹介:稲葉圭昭(いなば よしあき)  1953年、北海道生まれ。北海道警察銃器対策課・元警部。東洋大学を卒業後、1976年に北海道警察に採用され、機動隊に柔道特別訓練隊員として配置される。道警本部機動捜査隊、札幌中央署刑事第二課、北見警察署刑事課、旭川中央署刑事第二課を経て、1993年、道警本部防犯部保安課銃器対策室(後の生活安全部銃器対策課)に異動。道警銃器対策課が主導した「警察庁登録50号事件」や「ロシア人おとり捜査事件」、「石狩新港泳がせ捜査」など、数々の”違法捜査”に関与。捜査費を捻出するため、自ら覚醒剤の密売に手を染めるようになった。2002年、現役の警部としては道警史上初めて覚醒剤使用で逮捕され、懲戒免職。覚せい剤取締法違反、銃刀法違反の罪で懲役9年を宣告される。2011年9月、刑期満了。

Posted byブクログ