1,800円以上の注文で送料無料

都市をたたむ 人口減少時代をデザインする都市計画 の商品レビュー

4

18件のお客様レビュー

  1. 5つ

    2

  2. 4つ

    8

  3. 3つ

    2

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2017/12/11

人口が減少する時代に日本は突入し、だれもが都市は縮小していくであろうと考える。本書は、日本の都市がこれからどのように縮小していくことが予測され、どのように都市を利用していくことができるかを考えさせてくれる。 縮小都市という言葉から、都市は中心に向かって小さくなっていくというイメ...

人口が減少する時代に日本は突入し、だれもが都市は縮小していくであろうと考える。本書は、日本の都市がこれからどのように縮小していくことが予測され、どのように都市を利用していくことができるかを考えさせてくれる。 縮小都市という言葉から、都市は中心に向かって小さくなっていくというイメージを持ちがちであるが、筆者は調査・研究を通して、空き家や未利用地が街の各地で散在しており、現在の日本の都市はスポンジのように小さな隙間が存在するような縮小・低密度化をしている。 そのため、これからは都市にできた小さな隙間を有効に使うことで豊かな生活を送ろうという考えが求められている。 本書は、人口の推移から街のポテンシャルを読み解く方法や、拡大から縮小へと転換した日本の都市を考えるうえでの一つのビジョンを示していて、都市・まちにかかわっていこうという人にとって必読の書であると思う。

Posted byブクログ

2017/04/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

制度の目指したところ、実際、そして今起こっていることの分析が面白かった。 都市建設という自然な人間の欲をコントロールして「秩序」あるまちを作るには、今の「制限」に係る制度では限界がある。都市の中身を充実させること、一つ一つのまちづくりの取組へのインセンティブ付けをどうするか。

Posted byブクログ

2016/12/04

コンパクトシティは机上の空論であることはよく理解できたが、それに代わる「スポンジシティ」は結局、局地的ゲリラ的な手法で何だかあまり救いがない。もう一段上の都市マスタープランはやはり必要で、それをどのくらいの時間軸で実現していくのか。スポンジシティで都市はたためているのか…。

Posted byブクログ

2016/11/22

現代日本の都市を考える際の共通の立脚点になりうる本。建築学生必読。 コンパクト vs スポンジ 中心とゾーニング vs 全体とレイヤー 超近代復興 vs 非営利復興 などのスキームはわかりやすく、議論をドライブさせてくれるものだ。

Posted byブクログ

2016/10/23

まだまだタマゴやけど 都市計画者の端くれとして そして、人生の大部分が 高齢社会、超高齢社会の中で 生きていく世代として 考えていくべきこと。

Posted byブクログ

2016/09/19

人口が増加していた時代には、それに伴い都市も拡大してきたが、人口減少期に入り、都市を構成する人が減ってきた。 人口密度が低下した中で、各地域でサービスを展開しても効率が悪い。 その打開策として、サービスを局所化するコンパクトシティのような概念が提唱された。 饗庭先生は、長期的に...

人口が増加していた時代には、それに伴い都市も拡大してきたが、人口減少期に入り、都市を構成する人が減ってきた。 人口密度が低下した中で、各地域でサービスを展開しても効率が悪い。 その打開策として、サービスを局所化するコンパクトシティのような概念が提唱された。 饗庭先生は、長期的にはコンパクトシティの可能性を認めるものの、短期的にはコンパクトシティは難しいだろうという立場をとっている。 行政がコンパクトシティの方向性を打ち出すことで、長期的には周辺部に住んでいる人たちに対し、家の建て替えなどのタイミングで中心への移行を促す効果はあるかもしれない。 しかし、短期的には現在周辺に住んでいる人に中心への移行を促すだけの動機付けにはならないだろうと。 饗庭先生は人口減少局面では、都市が縮小するわけではなく、都市内のランダムな場所で敷地単位で密度の増減が発生するとし、それを孔に見立ててスポンジ化と表現している。 コンパクトシティが周辺部の低密化・中心部の高密化を志向するのに対し、スポンジ化では低密化した敷地を異なる目的で再利用し、密度の低下を抑えることが提唱されていた。 本書を読んで、一定の地域内に利用目的の異なる土地が混在するというのが、用途地域が定められる前の状態に戻ることとどう違うのかが、いまいち理解できなかった。 あと、阪神淡路大震災の頃の日本は人口拡大期だったけど、東日本大震災は人口減少期に発生したから、これまでの復興をなぞるのではなく、新しい復興の形を検討する必要があるという内容が新鮮だった。

Posted byブクログ

2016/09/02

★「計画」をあきらめない★都市を「計画」するという考えは、人口も経済も下り坂になった日本ではそぐわないようにも思える。だが、あきらめずに考えていくのは真摯な態度だ。  都市とは経済成長のために使われたもので、建築基準法による「道路がないと建物を建ててはいけない」というルールで日本...

★「計画」をあきらめない★都市を「計画」するという考えは、人口も経済も下り坂になった日本ではそぐわないようにも思える。だが、あきらめずに考えていくのは真摯な態度だ。  都市とは経済成長のために使われたもので、建築基準法による「道路がないと建物を建ててはいけない」というルールで日本ではスラムができなかったと説明。都市が拡大した際のスプロールに対し、人口減で縮小していくときは単純に都市のエリアが小さくなることはなく、「スポンジ」状に抜けが生じていくという指摘は納得する。ゾーニングでは対応できず、幾多の機能のレイヤーで穴を埋めるしかないのは確かだろう。  ただ、そこで期待するのは抜け地の行政への寄付であり、非営利で時間をかけて都市を変えていく道だ。経済成長期のように土地を媒介として(カネに変えて)迅速に開発することは無理という。理屈としては納得だが、地方ではその時間を許すだけの財政の余裕がない。空き家を寄付するにしても、解体費用だけでも行政が出せない。そしてそれはカネの論理を超えられない。  学者やNPOではなく、資本主義のど真ん中にいながらそれを超えるアイデアを出せる人はいないだろうか。

Posted byブクログ

2016/06/09

人口減少下における都市設計『たたむ』方法を思索した書。 あとがきにもあるが『なんとかなる』という意識が根底にある、ポジティブな縮退論。 都市はたためても、郊外はたためない気がするので、郊外の論功も読みたいところ。

Posted byブクログ