アメリカの鏡・日本 完全版 の商品レビュー
すごい本であった。この文庫としては平成28年に初版が発行されたのが、令和7年12月に36回重版が重ねられているのであるからすごい本なのだ。 そもそもこの本の著者ヘレン・ミアーズがこの本をアメリカで出版したのは1948年(昭和23年)なのだ。この本の日本語訳を出版しようとGHQ...
すごい本であった。この文庫としては平成28年に初版が発行されたのが、令和7年12月に36回重版が重ねられているのであるからすごい本なのだ。 そもそもこの本の著者ヘレン・ミアーズがこの本をアメリカで出版したのは1948年(昭和23年)なのだ。この本の日本語訳を出版しようとGHQにその翻訳許可を願い出たところマッカーサーは、「占領が終わらなければ、日本人はこの本を日本語で読むことはできない」として翻訳出版を不許可にしたのだ。 占領が終了した翌年の昭和28年に「アメリカの反省」として翻訳者原百代氏により出版されたのだが、当時の日本人にこの本は注目されず、この本の訳者である伊藤延司氏は、すでに翻訳されていることを知らずに新たに翻訳して平成7年に「アメリカの鏡・日本」という題名で出版したのである。 著者のヘレン・ミラー氏は二・二六事件が起きる前年の1年間日本に滞在して日本に興味を持ったジャーナリストで、日本がなぜ中国と戦争をしながら国力が10倍以上のアメリカとも戦争したのか?既に1944年には日本の軍事力は壊滅的な状態であったにもかかわらず、降伏できなかったのか?既に明らかに勝利しているにもかかわらずアメリカは60を超える日本の都市に絨毯爆撃を実施し、虐殺を繰り返したのか。7月27日のポツダム宣言からわずか11日間後の8月6日に広島に原爆を投下したのか? 戦慄の内容が書いてあります。 日本人は戦争を好む民族で天皇陛下を頂点にして世界征服を企んでいるのだというプロパガンダに乗せられたアメリカ国民と、実際には惨めな敗戦を続けていたにもかかわらず知らされていなかった日本国民が憎しみあっていた。そして必要のない殺戮行為が国益という名のもとに行われるのです。 今でも非人道的な殺戮行為が行われてているのだから歴史は何度も繰り返されるのだと思いました。
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勉強になりました。ありがとうございます。 ■ 私のポイント ・欧米による日本近代化 ・その後日本は欧米を模倣し海外展開。やってることは欧米と同じ ・しかし欧米からダメを出される。大東亜戦争で ・同じことをやってた日本に対し占領政策するという矛盾 ・各国は国益のために手を変え品を...
勉強になりました。ありがとうございます。 ■ 私のポイント ・欧米による日本近代化 ・その後日本は欧米を模倣し海外展開。やってることは欧米と同じ ・しかし欧米からダメを出される。大東亜戦争で ・同じことをやってた日本に対し占領政策するという矛盾 ・各国は国益のために手を変え品を変え他国と組む、別れる、体裁を整える(法的擬制(辻褄合わせ)) ・プロパガンダによる国内機運作成、受けた側は実態を知らずに判断、行動 ■ アクション ・言ってることを頭から信じない、行動を見る ・歴史や政治に疑問を持ち学び続ける
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「宿命の子」で知る。 戦後、マッカーサーにより日本では発禁となったもの。 これまでに教科書や各種のメディアから学んだ現代史の実態を最も理解させてくれる。 この本を読むと、戦後70年談話の想いも伝わる気がする。 歴史上、日本が侵略を犯したのは、豊臣秀吉と日中戦争のエスカレートの2回...
「宿命の子」で知る。 戦後、マッカーサーにより日本では発禁となったもの。 これまでに教科書や各種のメディアから学んだ現代史の実態を最も理解させてくれる。 この本を読むと、戦後70年談話の想いも伝わる気がする。 歴史上、日本が侵略を犯したのは、豊臣秀吉と日中戦争のエスカレートの2回。日本人は決して好戦的ではなく、質素で無欲な国民性であること。それを一時期の一部の為政者により、いつまでも日本=侵略者とレッテルを貼られ、頭を下げ続けるようなことを将来世代に引き継がせてならない。真の独立国家として、自立して歩んでいこうと意思を示したかったのではないかと。 いま、関税戦争が起こっている。80年前ならリアル戦争、いま、実力行使に出る国があるだろうか?一方、ウクライナでは大国のリアル侵略を受けている。軍隊を持つことは戦争ができる国になることだと主張する輩がいる。歴史を振り返ると、軍隊があっても戦争をしてきた国ではないし、戦争を呼び込んだのは、軍隊の存在ではなく、為政者の誤認である。特に、国民を代表する人たちには、自国を卑下し、貶めるような主張は止めてもらいたいと思うし、教育を見直してほしい。
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日本のペリー来航による1854年の開国から1945年の敗戦までを描く。 日本は西洋のやり方を学んで西洋の仲間入りをした。そして先生に教えられたように「法的に正しく」朝鮮、満州を手に入れた。 ただ一つ間違っていたのは先生に歯向かったこと。そこに正義も不正義もない。 本書は1948...
日本のペリー来航による1854年の開国から1945年の敗戦までを描く。 日本は西洋のやり方を学んで西洋の仲間入りをした。そして先生に教えられたように「法的に正しく」朝鮮、満州を手に入れた。 ただ一つ間違っていたのは先生に歯向かったこと。そこに正義も不正義もない。 本書は1948年にアメリカ人女性によって書かれたものだが、「アメリカの鏡、日本」のタイトル通り、日本がやった事はアメリカや西洋がやってきたそのものなのに、アメリカが日本を懲罰して教育しようとしている矛盾を指摘している。 マッカーサーによって日本では発刊禁止になった本だが、国際政治での正義や理想は強国の利益の為の欺瞞に過ぎないという、現在でも変わらない現実を見事に描いている。 ウクライナ戦争で民主主義を守るという名目で金と武器を渡して専制主義国家ロシアと戦わせるアメリカの態度は、日中戦争で蒋介石中国を支援して軍国主義国家日本と戦わせたやり方と同じ。 当時の日本は今のロシア以上に危険視されており、好戦的民族である日本が世界征服を企んでパールハーバーを攻撃したというのがアメリカでの報道のされ方であった。 大国が正義を語る時は疑ってかかる方が良い。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
再読してみたヘレン・ミアーズの著作であるが、またしても読後に、言いようのないどんよりとした重たい気持ちになった。 ミアーズの主張は、ごくごく単純化して言えば、第二次世界大戦で暴走した日本は西欧列強の姿そのままであるという事だと思う。それは題名である”Mirror for Americans : Japan”に最もよくあらわれている。 さて、全編を通じて語られるのは日本であり、中心は満州事変前後から第二次世界大戦終戦までの日本の国際政治における振る舞いと西欧列強の反応である。日本は厳しい先輩であった西欧列強のやり方を忠実に学んだ結果を展開した。端的に言えば法的擬制を駆使した後進国の植民地化ないしは搾取、である。ただし、この国際ゲームは暗黙のルールがもう一つある。それは欧米列強に歯向かわない限りというものだ。また支配的人種の存在が厳然としてあったことに日本は気づくべきであった。 日本は欧米列強に肩を並べたと勘違いし、彼らから日本がどう見えたかについては意識が薄かったのかもしれない。 また、日本を叩くにあたり展開された米国での情報操作についてもすさまじいものがある。曰く、日本とは1,000年以上に渡り内戦を繰り返した国であるとか、本性的に野蛮である等のプロパガンダにより世論を感情的に動かし、日本への戦争を正当化した。 [「東京レコード」の鳥シャス記者は、日本の歴史的拡張主義を立証するために、日本列島が神々に征服された「神話」と朝鮮を征服した「伝説」を歴史に書き入れている。つまり、架空の出来事を現実のモノにして、それを証拠と呼ぶのである。(位置2292)] 哀しいかな、これは一部の日本軍の悪行とも相俟って、すでに”事実”と化した感がある。今更何をしても変わらないかもしれない。嘘も方便ということわざは、恐ろしい事実を物語っている。 これ以外にも、本書ではとりわけ米国の自己矛盾をいちいち指摘しつつ、欧米列強が行ってきた国際政治や日本占領等々が公正であったかと筆者自身が米国へ問いかけるものである。具体的には、原爆投下の是非(ひいては一般市民殺戮の是非)、軍事裁判の是非、アジア諸国の気持ち、抑圧的懲罰的占領の是非、文化的独自性無視の是非等々である。 自己をも騙しつつかつ正当化しつつ自国に有利な方向への流れを作るもの、得てして政治とはそのようなものかもしれない。 ・・・ 改めて述べると、読むたびに気持ちが重たくなる。 日本はムラ社会だとか忖度が必要だとかいうが、実は国際社会こそがこうした注意が必要なのだと思う。ゆえに、本書を読んで、我が意を得たりとただ快哉をあげるだけでは足りない。国際政治の現実を理解するべきであろう。 本書は、日本および世界の歴史の理解を一段と深める良書であるとともに、国際政治や社会心理等についての洞察にもついても優れていると言いえると思う。
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日本の生きざまが書かれた本。 アメリカ人はアメリカ人である著者が書かれた内容を読んでどのように感じ、何か考え方が変わったのだろうか。
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第1章 爆撃機から見たアメリカの政策 第2章 懲罰と拘束 第3章 世界的脅威の正体 第4章 伝統的侵略性 第5章 改革と再教育 第6章 最初の教科「合法的に行動すること」 第7章 鵞鳥(鵞鳥)のソース 第8章 第五の自由 第9章 誰のための共栄圏か 第10章 教育者たちの資質 ...
第1章 爆撃機から見たアメリカの政策 第2章 懲罰と拘束 第3章 世界的脅威の正体 第4章 伝統的侵略性 第5章 改革と再教育 第6章 最初の教科「合法的に行動すること」 第7章 鵞鳥(鵞鳥)のソース 第8章 第五の自由 第9章 誰のための共栄圏か 第10章 教育者たちの資質 付録 1 大西洋憲章 2 パールハーバー 国防省総括 パールハーバー報告(上下院両院合同報告)
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GHQ労働局の諮問機関である11人委員会の一人である著者が、日本に対する占領政策について論じた一冊。 米国で出版されたのは1948年だけれど、当時はマッカーサーが邦訳を許さなかった。 「私たちは自分たちの行為なら犯罪と思わないことで日本を有罪にしている。これは正義ではない。明らか...
GHQ労働局の諮問機関である11人委員会の一人である著者が、日本に対する占領政策について論じた一冊。 米国で出版されたのは1948年だけれど、当時はマッカーサーが邦訳を許さなかった。 「私たちは自分たちの行為なら犯罪と思わないことで日本を有罪にしている。これは正義ではない。明らかにリンチだ」とのように連合国を断罪しているためか。 著者はこの当時既に真珠湾攻撃は奇襲ではなく、当然の帰結であったとして見做している。 満州占領は日本にとって国家経営の先生であった英国が従来して来たことを、法に基づいて行ったに過ぎず、もし白人国家が同じことをしたならばリットン調査団の報告書は違ったものになっただろうという。 更に日本は満州における列強の不平等条約をなくそうとしたが、これは当該地に権益を持っていた連合国にはできない所業でもあった。またアジア解放の盟主になり得る日本は、植民地を失う国々にとり決して許せる存在ではなかった。 それ故に日本について、世界で最も軍国主義的であり世界征服を企てているとのレッテルを貼って究極の悪として位置付けた。そうした事情の上で日本を再教育する資格がGHQにあるかを問い掛けている。私はないと思う。 戦史研究が進んだ現在でもこういった言説がアメリカ側から出されたら驚くと思う。それなのに、この本が戦後すぐに書かれていたというのがもっとびっくり。 日本人はもちろん、アメリカをはじめとする連合国側の人たちに読んでもらいたい本。 抜粋の感想しか書けなかったけれど、内容はもっとすごいので。よくまあこれだけ言えるなぁ、と。近代戦争史の教科書にしてもいいくらい。 アメリカは日本を罰するけれど、鏡に映った自身の姿は日本と同じものなのではないか。 そういった意味が題名に込められていそう。
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まだ読み途中。ユーモアを交え、淡々と状況を描写。なぜこれがマッカーサーから発禁処分を受けたのか不思議…あまりに素直に記述しているため都合が悪かったのか⁇ 英文でも読みたい。
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戦後GHQの諮問機関の一員として来日した人物。一発でマッカーサーから発禁食らったらしいが、判る。よく書けたもんだし、よく日本での出版に持ち込めたものだ。 アメリカは素晴らしい、日本は後進国で翻弄された駒だったみたいな描写に辟易する部分はあるが、全体に客観的で、それに従ってあの大戦...
戦後GHQの諮問機関の一員として来日した人物。一発でマッカーサーから発禁食らったらしいが、判る。よく書けたもんだし、よく日本での出版に持ち込めたものだ。 アメリカは素晴らしい、日本は後進国で翻弄された駒だったみたいな描写に辟易する部分はあるが、全体に客観的で、それに従ってあの大戦、戦前から終戦に至る過程を検証すれば見えて来る違う様相。 日本がアメリカを征服するための戦争ではなく、アメリカが日本を征服するための戦争だった。 戦後中国に関する著実も、まずその見通し通りになってしまったかと思う。 それにしても、日本とアメリカの、当時の工業力の差ってのは目がくらむ。これだけ差があって、まだ戦争になるんだ。 要は、日本だけでなく世界のどの国でも、あの大戦の総括ってきちんとできてないってことだ。
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