これがガバナンス経営だ! 決定版 の商品レビュー
コーポレートガバナンスについて学ぶ3冊目として手に取ったこの本。 「ストーリーで学ぶ」とあったので、読みやすいかなと思いきや、 (読みにくい訳ではないのですが)過去読んだ下記の2冊と比べても 結構な骨太本でした。 ※サステナブル経営とコーポレートガバナンスの進化 https:/...
コーポレートガバナンスについて学ぶ3冊目として手に取ったこの本。 「ストーリーで学ぶ」とあったので、読みやすいかなと思いきや、 (読みにくい訳ではないのですが)過去読んだ下記の2冊と比べても 結構な骨太本でした。 ※サステナブル経営とコーポレートガバナンスの進化 https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4296110640#comment ※決戦!株主総会 ドキュメントLIXIL死闘の8カ月 https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4163915524#comment 「サステナブル経営とコーポレートガバナンスの進化」を読んでいたので、 何とかついていくことができましたが、自分のような素人さんは 「サステナブル経営とコーポレートガバナンスの進化」で基本を押さえた上で、 読んだ方がより理解が深まるような気がします。 著者が社外取締役として活躍するオムロンのケースが 簡単に紹介されていますが、その事例がとても参考になりました。 本来あるべき姿のコーポレートガバナンス像は理解できましたが、 こんな会社がオムロン以外にどれくらいあるんでしょうかね…。 少なくとも社長が「次の後継者は誰にしようか…?」と 社長の特権のように考えている会社(社長だけでなく、周囲の従業員も含め)では、 まだまだ道半ばという感じがします。 背筋の正されるような本でした。
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社外取締役の役割みたいなのを知ることができる。 月に1回とかで1000万かーという感じで読み進めつつ、ためになることもいくつかありました。 ガバナンスが必要になるのは、不祥事を起こさないためであるが、これが起こるのは「既存事業が赤字とかで危なくなった時」「社内の権力闘争で告発事象が発生するとき」といった、不健全な状況になった時なので、しっかり成果が出ていれば無縁なものだと思う。ただ、企業は何かしら失敗することもあるので、その時に隠さない体制づくりが必要なのだと感じる。 モラルとか、企業理念とか、そういった教育ができていればいいんだけど。 もう一つ、ダイバーシティについてスッキリした。ダイバーシティというと、多様性と訳され、女性雇用の推進、女性の役員登用、障害者雇用、外国人雇用とかがパッと思いつく。今までの仕組みってすごく居心地が良くて、変えたくないというのが性分だと思う。取り組んだところで、混乱、非効率の発生が起こる。それでも取り組む理由は、取り組んだことで起こる衝突やルールの変更などの経験を通じて、外部環境の変化に対応できる組織や人材を育てることをはじめ、混乱に乗じて変革を起こしやすくすること、混乱の中で新たなサービスや製品開発などのイノベーションを作り出すことができるためである。取り組み時の初期にあるデメリットばかりに目がいかないように、結果も出していかないとな。 社長は結果責任を含め、10年くらいやるのが望ましい。そのためには、30代から篩にかけ、40代後半で着任し、60前後で次に交代するフローが良い。
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社外取締役の役割が良く理解できる。業務の執行を行わず、代表取締役の指揮命令下にない取締役だからこそ、経営陣への牽制が効く。また、経営陣が躊躇してしまう判断の後押しも社内のしがらみがない社外取締役から期待できる。 取締役の一番の牽制機能は経営陣を指名できること。これもうちの会社で正...
社外取締役の役割が良く理解できる。業務の執行を行わず、代表取締役の指揮命令下にない取締役だからこそ、経営陣への牽制が効く。また、経営陣が躊躇してしまう判断の後押しも社内のしがらみがない社外取締役から期待できる。 取締役の一番の牽制機能は経営陣を指名できること。これもうちの会社で正しく機能できているか、なんとなく社長が次期社長を選んでる様な気がしてならない。自分の会社のガバナンス体制にも興味を持った。
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2015年3月に金融庁・東証によって制定された「コーポレート・ガバナンス・コード」を機に、企業が本来意識すべきガバナンスの本質と、企業が実行すべき具体的方策を解説した一冊。 ガバナンスとは本来、コンプライアンスや監査といったダウンサイドリスク抑止のための「守り」の側面だけでなく...
2015年3月に金融庁・東証によって制定された「コーポレート・ガバナンス・コード」を機に、企業が本来意識すべきガバナンスの本質と、企業が実行すべき具体的方策を解説した一冊。 ガバナンスとは本来、コンプライアンスや監査といったダウンサイドリスク抑止のための「守り」の側面だけでなく、企業の「稼ぐ力」がしっかり発揮されているか否かをモニタリングするアップサイドリスクの観点からの「攻め」の側面も併せ持つ。著者は、日本的経営の弱みは「場の空気」に支配されたボトムアップのすり合わせによる「あれもこれも」という総花的な意思決定スタイルにあり、「あれかこれか」というトップダウンによる「捨象と選択」の意思決定ができない、即ち「経営の不作為」であるにも関わらず、欧米型の「経営の暴走」を抑止するための「守りのガバナンス」に偏向してきた日本企業は今後、社外取締役を中心とした取締役会によるモニタリング機能を活用し、「攻めのガバナンス」にシフトすべきであると説く。 元来社会の公器である会社が持続可能な社会に貢献するためには、企業が目指すべきガバナンスは短期保有も含めた「株主至上主義」でも企業内部のムラ社会を重視した「サラリーマン共同体至上主義」でもない第三の道、即ち「ステークホルダー主義」に立脚したエクイティーガバナンスであるとする著者の主張は納得感が高く、ケーススタディも含めて分かりやすい内容になっている。
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コーポレートガバナンスについて事例を用いて分かりやすく説明されている良書。著者の歯に衣着せぬ説明が心地良くも感じる。
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冨山和彦氏によるコーポレートガバナンスに関する本。 主張が明確で、すばらしい示唆を与えてくれる本。 本編とは関係ないが改めて冨山氏のアナロジー活用のうまさが随所にみられてよい。 読み応えのある一冊。 メモ ・日本におけるコーポレートガバナンスの目的は米国企業とは逆の不作為の暴走に対する処方箋となること。権力の適正な健全性を担保しようとするもの ・稼ぐ力を取り戻すために攻めのガバナンスが必要 ・コンセンサスベースの意思決定は白黒を鮮烈につけるあれかこれかの意思決定には適さない。事業の撤退・売却や戦略的な大方針転換のように組織内の大きな軋轢や不協和音を生む意思決定を適時かつ大胆に行うには向かない。 ・目指すべき道はステークホルダー主義に立脚したエクイティガバナンス。 ・コーポレートガバナンス。株主は有権者、取締役会は国権の最高機関たる国会、経営者は内閣総理大臣。前の総理が次の総理を選ぶなんてありえない!閣議たる経営会議をクローズに行うのはわかるが、国会は野党もいて然るべき! ・取締役会の主な役割は世の中目線のモニタリング機能 そのために社外取は重要 ・取締役と執行が分離されていないと監査役によるダウンサイドリスクの最小化しか機能しない。本来はアップサイドの問題についても鑑みられるべき。これがマネジメント型取締役会。 モニタリング型取締役会であれば、非常に重要な意思決定だけが取締役会で行われる。社内しがらみのない独立社内取により、白黒つける果断な判断を期待できる。 モニタリング重視の取締役会においては、経営トップの傘下でない独立社外取締役がコミットすることが予定される。 ・社外取締役に期待する役割としてはモニタリングが主、アドバイスは従。アドバイスは顧問やコンサルでも可能だが、モニタリングは社外取にしかできない。 ・社外取締役は質問力が重要。ステークホルダーに対するアカウンタビリティを高める鍵となる。
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これは良書でした、コーポレートガバナンスとは何か?どういうことか?に関して丁寧な解説で基本的な事項を網羅。大変に良く理解できた。コーポレートガバナンスの基本書。
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事例に基づいた解説は分かりやすい。 教科書的な本よりも理解が進む。 経営ガバナンスといっても、型にはまった形、固定的な形があるわけでなく、理念に基づき、どのように解釈し、設計していくのかが重要。それを考え抜くことで実効性が伴う。
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ー もちろんコーポレートガバナンス· コードは一つの規範なので、そこにどうミート、complyすればいいかという、ある意味、法形式論的な観点は実務的には重要である。 しかし東芝の不正会計問題が明確に示唆するように、真に問われるのは、形式を整えた先の実質論としてのガバナンス改革の...
ー もちろんコーポレートガバナンス· コードは一つの規範なので、そこにどうミート、complyすればいいかという、ある意味、法形式論的な観点は実務的には重要である。 しかし東芝の不正会計問題が明確に示唆するように、真に問われるのは、形式を整えた先の実質論としてのガバナンス改革の成否、ガバナンス経営の質である。 もっと言えば、形式は本来、実質を整える手段にすぎず、個々の企業の多様性を反映して、様々な形式が採用される方がむしろ自然なことである。 経営はつまるところ結果がすべて。結果につながる実態として、企業組織の根本的な権力メカニズムが健全に機能しているかどうか。すべての経営者、取締役会室やIR部門などガバナンスに関わる事務局関係者、機関投資家、そして社外取締役が真に厳しく問われるのは、形式的なアリバイではなく、実質的な仕事ぶりなのだ。 本書では、前半部で実質論、経営論としてのガバナンスのあり方について、Why? What? How?という視点から体系的に解説した。その上で後半部では、私たちの豊富な経験をベースに、ストーリー仕立てでガバナンス経営を実践するための論点について、できるだけ分かりやすく説明している。 ー 一部過激な発言もあるが、前半部も分かりやすいし、後半部も分かりやすく面白い。 舞台は、経営の神様と呼ばれた故・竹上三之助によって創業された総合電機メーカー「竹上電気株式会社」、ヒット商品はポータブル・ミュージック・プレーヤーの「ランニング・マン」 が代表製品の会社。 そんな会社の取締役会室の田中室長(47歳、東大法学部卒、新卒採用、総務・人事部経由からの登用)がコーポレートガバナンスの導入に奮闘する物語。 権力に固執する会長、会長のゴルフ仲間でもある任期9年目の社外取締役、社長の座を狙う専務取締役、創業者の思い入れが強くて進まない不採算事業からの撤退、粉飾決算、ライバルに先手を打たれるM&A、これでもかというほど発生するザ・ジャパニーズ・カンパニー取締役会あるある事件簿。 かなり面白い構成で満足。
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コーポレートガバナンスのあり姿についての提言がまとめられた本。日本企業の経営はムラ社会(調和的)の影響が色濃く、空気を読むがあまり経営に求められる「あれかこれか」を決断する能力とスピードに欠けると筆者は指摘。そこで取締役会のモニタリング機能を高めるべく、会社TOP人事(=企業の...
コーポレートガバナンスのあり姿についての提言がまとめられた本。日本企業の経営はムラ社会(調和的)の影響が色濃く、空気を読むがあまり経営に求められる「あれかこれか」を決断する能力とスピードに欠けると筆者は指摘。そこで取締役会のモニタリング機能を高めるべく、会社TOP人事(=企業の最高権力)を社外取締役を中心とする指名委員会を発足させ、実質的なコーポレートガバンス、つまり、リスクヘッジだけでなくリスクテイクも後押しするような取締役体制を築くべきと助言。更なる具体論としては、①100%子会社であっても社外取締役を入れるべき、②取締役会は1議題20分はかけて、3-4テーマを議論するのが理想、③経営の現地化を進める上ではまずは起業理念・信条を組織に行き渡らせることが大事、等、商社の関係会社管理にも通じる点多く、「関係会社管理」のあり姿について考えを深めるきっかけになった。
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