原文 万葉集(上) の商品レビュー
秋の野の み草刈り葺き 宿れりし 宇治のみやこの 仮廬(かりいほ)し思ほゆ 額田王(ぬかたのおおきみ)の作だろうとされている有名な歌ですが、 この中の、「宿れりし」という訓読の原文が 旧版日本古典文学大系、原文万葉集(岩波書店)、中西進「万葉集」全4巻の3冊の本では 「屋...
秋の野の み草刈り葺き 宿れりし 宇治のみやこの 仮廬(かりいほ)し思ほゆ 額田王(ぬかたのおおきみ)の作だろうとされている有名な歌ですが、 この中の、「宿れりし」という訓読の原文が 旧版日本古典文学大系、原文万葉集(岩波書店)、中西進「万葉集」全4巻の3冊の本では 「屋杼礼里之」となっていいるのです。 私が問題にしているのは「礼」という新書体の漢字でです。 戦前まで「礼」の字は「禮」になっていたはずです。 沖縄の守礼門も額には「守禮之邦」と旧漢字「禮」が使われております。 つまり、かの額田王は「礼」という字を見たこともない漢字なのです。 更に原文万葉集(岩波書店)ではこの他に、児(兒)、帰(歸)…などが平然と使われいます。 私は訓読や訳文では新漢字を使うことは良いことだと思います。 しかしながら原文はそうはゆきません、西本願寺本を使っているようですが、 この原本がそうなっているとは考えにくい、 どうしてこの様なことになったのか、まことに不思議な事だと思っております。
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校注:佐竹昭広(1927-2008、東京都、国文学者)、山田英雄(1920-2001、東京、国史学者)、工藤力男(1938-、秋田市、国語学者)、大谷雅夫(1951-、大阪府、国文学者) 、山崎福之(国文学者)
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