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「意地悪」化する日本 の商品レビュー

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19件のお客様レビュー

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2024/11/17

福島さんのほうから内田さんに時勢の難局を乗り越えるための知恵を乞いにいった体の対談ということもあってか、対談であるものの内田さんのしゃべりが多い。そしてあくまでもそれは解説や評論であって、内田さん自身の気持ちかというとどうなんだろうって感じがしてしまった。内田さんって、わりと好き...

福島さんのほうから内田さんに時勢の難局を乗り越えるための知恵を乞いにいった体の対談ということもあってか、対談であるものの内田さんのしゃべりが多い。そしてあくまでもそれは解説や評論であって、内田さん自身の気持ちかというとどうなんだろうって感じがしてしまった。内田さんって、わりと好きな論客なはずなんだけど、男と女のことなんかも解説モードで話されるとちょっと鼻白んでしまう。 対する福島さんのほうが、自分の信念に基づき引けないところを引かずにいるのに対し、世のなかでの立場は悪くなっていくなかでそれはなぜなのか、なぜ正義がまかり通らないのかというところで苦悩しながら戦っている感じがした。社民党の凋落を思うと、福島さんの頑固さが招いているようにも思っていたけど、信念に基づいての言動だということがわかってそれならば行くべき道を行くのみだと思った。そして苦しい立場にありながらも福島さんが続けていられるのは、連れ合いとの支え合いが大きいのだろうな。 この本が出たのは2015年だけど、この頃って安倍くんの横暴が際立っていた時代だけど、一方でそれに危機を覚える人たちの声も高まっていた時期だったんだなあとも思った。「SEALDs」なんて久々に見聞きした。さらにコロナ以前、トランプ以前でもある。そして横暴を働いていた安倍くんはこれまた驚くようなかたちでいなくなり、それで落ち着いたかといえば、むしろ混迷深まっている感じがする。そして人々はやっぱり「意地悪」化している。自分も巷で暮らしていて「こういうことする人たちと同じ世界で暮らすのってつらい」と思うことしばしばである。

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2024/05/28

(2016/5/25) 親米官僚システムを破壊しながら、ポチのようにアメリカに尻尾を振る安倍政治。 前者については応援するものであり、後者には目をひそめていた。 先日私が得た結論は、安倍氏は現在のアメリカをトップとする国体から、 元の天皇をトップにする国体に戻したいだけ。 二世三...

(2016/5/25) 親米官僚システムを破壊しながら、ポチのようにアメリカに尻尾を振る安倍政治。 前者については応援するものであり、後者には目をひそめていた。 先日私が得た結論は、安倍氏は現在のアメリカをトップとする国体から、 元の天皇をトップにする国体に戻したいだけ。 二世三世のお殿様の独りよがり。これに取り捲きが相当ついてきているだけ。 てな思いでいるのだが、 尊敬する内田 樹氏は考え方はいっしょで、これを深く掘り下げる。 そこに社民党元党首の福島みずほ氏が食いつく。 筋は通っている。 タイトルになっている意地悪は、カモフラージュのようだ。 要するに、今年の参議院議員選挙で安倍氏を退陣に追い込まないと大変なことになる!と言いたい本なのだ。 まあ、緊急事態を煽って憲法をないがしろにし、国会では下品なヤジをとばす首相には、 当初持っていた期待をこれ以上続けることはできない。 日銀がマイナス金利で手詰まりで日経平均も下げ基調、パナマ文書ではないが一部の金持ちばかりが甘い汁をすい、 待機児童に待機老人で働ける人が安い給料でどんどん疲弊する今日。 サラリーマンのように企業に寄り掛かるのでなく独立起業しなければ日本に活力は生まれない、 その方向性は正しいと思いつつ、それでも今の年収格差+社会保障の薄さには、 今の社会を維持できない不安定さを感じる。じり貧。 そこに18歳選挙民がどうパワーを発揮するか。 あっさり自民を勝たすのか? 確かに対抗する勢力であるべき民進党はぼろを出し続ける。共産党が輝いて見える情けなさ。 検察によってボロボロにされた小沢さんを、つまりかつての野武士自民党田中派をもう一度復活 させることはできないのか。 官僚軍団の福田派の流れをなんとか止めなくては、また暴走してしまいそう。 面白い本。

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2022/08/26

安倍さんと橋下さんを反知性主義者として語っているのが面白い。 どれだけ論理が通ってなくても、権力者が言ってるのだから何か裏があるのだろう、と聴者が憶測でその人の発言を信じ込んでしまうことがある、という話には納得。

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2022/07/12

「「意地悪」化する日本 内田樹 福島みずほ著」読了。2015年の対談の本。ネットで離婚について語られているとあったので読み始めた。選挙前に考えるきっかけになったが、選挙が、終わって読み終えることができた。政治は今後も続いていくのだろうなと思うが、不安は大きい。

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2018/11/04

 福島みずほとの対談というのであまり気乗りしなかったんだが、内田樹が絡んでるならと読みかけた。そういう期待に応えてくれない本。途中放棄。岩波出版。

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2017/10/24

2015年12月第1刷発行、安倍一強の自民党や、大阪都構想で住民投票を行い、結果、政治家を引退した橋元徹の行動パターンから、その心性を看破する。ふたりの共通点は幼児的で攻撃的で不寛容。言葉はその場しのぎ。なるほど、内田樹氏のアンチ親米の立ち位置や解説にいつも納得させられる。確信的...

2015年12月第1刷発行、安倍一強の自民党や、大阪都構想で住民投票を行い、結果、政治家を引退した橋元徹の行動パターンから、その心性を看破する。ふたりの共通点は幼児的で攻撃的で不寛容。言葉はその場しのぎ。なるほど、内田樹氏のアンチ親米の立ち位置や解説にいつも納得させられる。確信的な反知性主義者とは正鵠を得た表現だろう。 もうミニ政党に成り下がってしまった社民党の福島みずほとの対談という形で進む本書は、よくいうとリベラル、いい子ちゃん、ええ恰好師な社会主義色も強い。今の大人は学校や部活や会社にしても、民主主義とかけ離れた社会に慣れきっているというのも、言われてみれば、そうなのだと思う。文化系のゆるい部活やサークル出身の僕のような男がイマイチ、会社縦社会に馴染めなかったのも、素因があったんだという今さらの発見(時すでに遅し)。 本書の対談は2015年の秋ごろに行われたものらしく、その夏に安全保障関連法案の採決された様子や反対運動のことにも触れられている。翌2016年は安倍一強を阻止するために野党が共同戦線を張って、参院選を戦おうというところで本書は終わっている。その参院選でも安倍一強は止められず、明くる2017年は森友に加計と自らの驕りが招いたエラーで支持率が低下したものの、すわ政権交代かとの思いもよぎった2017年10月の解散総選挙は安倍自民の圧勝で終わった。国民の信託を得て、消費税が10%になるのは致し方がないとして、憲法改正、国が晴れて交戦権を持つことはやはり避けては通れないのだろう。 この国はアジア諸国の追い上げで家電製品はもう競争力を持たない。されば、武器輸出でもしないと本当に経済が持たないのかもしれない。 内田氏の説く「もっとも弱い者が、自尊感情を持って、愉快に生きることができる制度」がもはやファンタジーとなってしまったのだろうか。日本政府が国ではなく、株式会社化を目指しているという指摘は実感するが、そのことに違和感も感じない選挙民が日経平均を上げる安倍政権を信任した当然の帰結だったのだろう。

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2017/10/03

いつか、そう遠くはない未来の、学校の社会の時間に、 「史上最悪の総理大臣」という説明を受けながら、現首相の名前を暗記している学生が、 「しかしなんで、こんなどう考えてもくるっている選択を、国民は許してたんだろうかね。バカだったんじゃね?ま、とりあえずこーならないように勉強しと...

いつか、そう遠くはない未来の、学校の社会の時間に、 「史上最悪の総理大臣」という説明を受けながら、現首相の名前を暗記している学生が、 「しかしなんで、こんなどう考えてもくるっている選択を、国民は許してたんだろうかね。バカだったんじゃね?ま、とりあえずこーならないように勉強しとこっと。」とか言いながらテスト勉強なんかをしてるんだろうか。 第2次世界大戦のドイツのときみたいだ。 世界史で習っているときは、「なんでこんな人が受け入れられたのか」と疑問に思いながらも事項を暗記していくという。 歴史は繰り返す。そういうけれども、 私の日々生きる糧を稼ぐ行為よりも、明らかに人の生き死にが関わってくるような重要事項を決定する人間が、頭が良く、大綱的に物事をとらえられる人間であるという前提を、裏切らないでほしい。 知性ある人間の行為を、務めあげるくらいの器を見せるオトナであってほしい。 子供じみた言動を、メディアで発信することが、次世代の目に触れさせることが、「それでいいんだ。」というメタメッセージを洗脳のように垂れ流しているという事実を、もっと深刻にとらえてほしい。 私の世代ではもう間に合わないかもしれない。私は貧困をかみしめて死んでいくかもしれない、でも、せめて私たちの次の世代くらいは、新しくよりよく生きられる方向に、少しでも多くの人が目を向けられる環境であってほしい。 私は多くを、望みすぎでしょうか。

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2017/10/01

内田樹と福島みずほの2015夏の対談。 最後の方で、「民間ではありえない」という考えを国家や自治体の運営に持ち込むことがナンセンスだという話が出てきた。おお、ですよね。

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2017/07/05

二年前に上梓された本ではあるが、ここで語られていることは、些かも賞味期限の切れたものとはなってはいない。 それは、日本の政治をめぐる現状を話題にしつつも、その根本にある私たちが忘れてはならないこと、これからも大切にすべきことが語られているからだ。

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2017/04/17

2015年といえば、前年には特定秘密法案が強行採決され、福島みずほさんが敢えて「戦争法案」と呼ぶ安保法制の審議が行われた年。国会は何度も紛糾したが最終的に「かまくら」と言われる状況で9月に強行採決された。 本書が出版されたのはその直後の2015年12月。今読んでも、当時の国会が如...

2015年といえば、前年には特定秘密法案が強行採決され、福島みずほさんが敢えて「戦争法案」と呼ぶ安保法制の審議が行われた年。国会は何度も紛糾したが最終的に「かまくら」と言われる状況で9月に強行採決された。 本書が出版されたのはその直後の2015年12月。今読んでも、当時の国会が如何に異常であったか、そして今もそれが続いていること(もしかするともっと酷いこと)がよく分かってうんざりする。 ただ、今年に入ってから「森友学園」での不可解な動きが明らかになり、安倍内閣の手法に疑問を感じる人が出てきた。現段階では全容解明には程遠いが本書には「正直・親切・愉快」な未来のために、ひとりひとりがどうあるべきか?考えるヒントが詰まっているようにも思う。諦めず希望を持って行動する勇気が湧く。

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