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消滅世界 の商品レビュー

3.4

180件のお客様レビュー

  1. 5つ

    21

  2. 4つ

    49

  3. 3つ

    63

  4. 2つ

    19

  5. 1つ

    6

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2019/06/23

セックスをしなくても子供が生まれる世界では、恋愛の意味も変わってくる。 愛する気持ちって本能なのか?社会的なものなのか?

Posted byブクログ

2019/05/21

すべての人が避妊措置を施され、人工授精によって子供を生むようになった世界での男女の気持ちの揺れを描く。実験的小説

Posted byブクログ

2019/04/23

ついにここまできたか、という感じ。 性についての作品が多い人だが、性が無くなる世界を描くことになるとは。 性欲と生殖と繁殖をバラバラにして、ヒトという生物は、どこへ行くのか。

Posted byブクログ

2019/04/20

社会的文化、特に「家族」というシステムの設定に一つ変更を加えるだけで、ここまで連鎖的に様々なことにまで歪みが発生するのか、と自分の中に無意識な価値観が存在することを教えられたことが一番の衝撃でした。 物語自体は気持ち悪さを伴いながらも、サクサクと読めますが、もうちょっと重厚なス...

社会的文化、特に「家族」というシステムの設定に一つ変更を加えるだけで、ここまで連鎖的に様々なことにまで歪みが発生するのか、と自分の中に無意識な価値観が存在することを教えられたことが一番の衝撃でした。 物語自体は気持ち悪さを伴いながらも、サクサクと読めますが、もうちょっと重厚なストーリ展開でも良かったのではと思ってしまいました。 主人公が生きる「正しい世界」に対して、彼女が持つ「元の正しい世界」でどのように抗い、どのような決着を見るのか楽しみにしていたのですが、その辺りの攻防がさらりと終わってしまったと感じたので、☆はちょっと低め。

Posted byブクログ

2019/04/09

社会は形式をもたないと維持できない。「家族」も「夫婦」制度も洗脳の一つなのだろう。 発狂の世界は正常な世界。

Posted byブクログ

2019/03/23

近未来の日本では、性愛と生殖が完全に切り離されている。セックスを行う事は殆どなく、性欲は自慰で処理し、出産は人工授精でのみ行われる。夫婦はその子供を育てるただの器で、それぞれの恋愛対象は二次元のキャラクターや家庭の外で作った恋人に向かう。それが「正常」な世界で結婚した雨音は、夫と...

近未来の日本では、性愛と生殖が完全に切り離されている。セックスを行う事は殆どなく、性欲は自慰で処理し、出産は人工授精でのみ行われる。夫婦はその子供を育てるただの器で、それぞれの恋愛対象は二次元のキャラクターや家庭の外で作った恋人に向かう。それが「正常」な世界で結婚した雨音は、夫と共に千葉の実験都市に移り住む事を決意。そこは抽選で選ばれた人間が「おかあさん」となり、男女問わず人工授精で妊娠し、生まれた子供を「こどもちゃん」としてコミュニティ全体で育てる場所だったのだがー。 異性と恋に落ち、20〜30代で結婚し、子供をもうけること…それが当たり前だという価値観も、既に古びてきているのかもしれない。物語の間中、「気持ち悪い」という感情がベットリと張り付いて拭えないのだが、もしかしたら我々の子孫も逆に今の「常態」を気持ち悪いと揶揄する日が来るのかもしれない。ジェンダー間の平等を技術の力で達成した世界の一つの可能性として、異様に現実感が伴う物語だった。

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2019/03/05

設定は面白いと思うが、文章うまいか?ぐいぐいと読ませるタイプでもないし、ごく普通に思えるけど、その普通さが良いのかも。

Posted byブクログ

2019/01/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

スペキュレイティブフィクションというのだろうか。現在的な問題を先鋭化していたり、なかなかに奥深い広がりを持っていて、興味深く、面白かった。 現実となんら変わらない世界で、しかし結婚し家族となった男女間には性的交渉はなく、近親相姦として禁忌と捉えられ、妊娠は人工受精で行われる。家族に恋愛感情はなく、配偶者以外の恋人を持つ。 更には実験都市では結婚、家庭という形態さえなく、妊娠は人工子宮の開発もあり男女問わずコンピューター管理で抽選で一斉に行われる。都市の中では大人は等しく全ての子供の「お母さん」であり、子供は全ての大人達の「子供ちゃん」となる。 結婚も出産も家庭も家族、性別も伝統的、従来的な役割、要因、意味を失い、そして「人間」「正常」という定義さえも揺らぎ溶融した先に、果たして何が残され、或いは付与されるのか?読みながら、小説が示す世界に同意と拒絶が交錯する思いを抱いた。 村田沙耶香さんの作品は三作目、何れも結末には「うーん?」と首を捻りたくなるのだが、作者にとっての必然なのだろうか? あと中二病っぽさとオタクっぽさを感じるのは自分だけ? 二次元界の人物達を前に「彼らへ恋することで、私は人間として大切なことを学んだの。彼らは私の大切な一部なの、誰のことも使い捨てになんかしていない。全員、私のヒーローなの。彼らに恋することで、私は私になったの。私が私の形になるために、彼らが必要だったし、これからもずっとそうよ。それに……辛いときも、悲しいときも、彼らの存在が私を救ってくれた。私たち、一緒に生きてきたの。これからもずっと一緒に生きていくの。大切な恋人で、友達なの。」魂の叫びか。

Posted byブクログ

2019/01/02

セックスはなくなり、人工授精で子どもを作る時代。 家族は、子どもを一緒に作るパートナーであり、恋愛は別の人やアニメキャラと行う。 夫婦お互いが別の人と恋愛をし、失恋すると夫婦で慰め合う。 今読むとSFに思えるが、全くあり得ない未来でもない事が、恐ろしい。

Posted byブクログ

2018/12/29

今の日本が抱える病をあちこちで発症させつつ、もはや癌ともいえるべき「ふつう」の三文字を心臓の如く鼓動させている。この病が癒えることはあるのだろうか? 筆者の答えを聞いてみたい。

Posted byブクログ