砂漠の悪魔 の商品レビュー
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2017/2/25 黒いほう。 逃げるまでは広太にいらいらいらいらする。 ここまでじゃなくても自分の退屈を他人を弄ることで解消する奴いっぱいおるし、私にもそんな面が無いわけでもない。 お天道様に顔向けできないことはしちゃいけない。 逃げてからはわくわくした。 ウイグルのことを小説で読んだのは初めてだなぁ 近藤さんすごいな。 知ってて心が痛むし怒りを覚えるけどごめんなさい何もしてません。
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取り返しのつかない過ちをしてしまった大学生がどんどん追い詰められていって…、という掴みはとても上手いし、文章のリズムやストーリーのテンポもいいので最後までスイスイと読ませはするけれど、いかんせん展開が浮世離れ、少々ブッ飛び過ぎている感は否めない。 ヤクザが出てくる、異国に渡る、人と出会い逃げる、人を殺す、挙句の果てには核実験まで! よくぞここまで詰め込んだ、と逆に感心してしまうぐらいだが、全体像としては、タイトルの意味合いやオチのつけ方も含めて、手練れの業と頷くことはできなかった。 作品が描くサブテーマについても、主人公の贖罪であったり、若者が世界で見聞を広げる成長譚であったり、ウイグル自治区に関する政治的問題であったりと、手を広げ過ぎていて収拾がついていない印象を受けた。
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中国の広大さは広太と雅之の旅の様子から実感でき、漢民族に迫害されるウィグル人問題について考えさせられるが、話の展開に無理がありすぎた。
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テレビのサスペンスドラマみたいな小説でした。作者は船戸与一風の骨太国際サスペンスを目指したのかもしれませんが、残念ながら消化不良なようでした。サクサク読めるのはよかったです。
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「砂漠の悪魔」 近藤史恵 ★★★★☆ 面白いです。非常に、疾走感があり、一気に読めます。 僕らの知らない中国の闇の部分を色濃く反映しており、考えさせられます。 #引用 ・涙はむしろ花束のようなものだ。彼の死を悼むのなら、花は多いほうがいいし、涙だって多いほうがいいのだ。 ・不幸...
「砂漠の悪魔」 近藤史恵 ★★★★☆ 面白いです。非常に、疾走感があり、一気に読めます。 僕らの知らない中国の闇の部分を色濃く反映しており、考えさせられます。 #引用 ・涙はむしろ花束のようなものだ。彼の死を悼むのなら、花は多いほうがいいし、涙だって多いほうがいいのだ。 ・不幸は連鎖していくのだ ・だれが「希望を失わなければなんとかなる」などといったのだろう。そんな甘いお題目でなんとかなれば、この世から死人は消えてなくなるはずだ。
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友人を自殺させてしまった広太に忍び寄るやくざの魔の手。 中国に向かうが、そこでの出会いが、人生を一転させる。 ここまでのドラスティックに物語展開が変わるのかと、 信じられない位急展開していくストーリー。一気に読了に至った。 失って分るものの大切さ、人によって異なる人生の幸せと...
友人を自殺させてしまった広太に忍び寄るやくざの魔の手。 中国に向かうが、そこでの出会いが、人生を一転させる。 ここまでのドラスティックに物語展開が変わるのかと、 信じられない位急展開していくストーリー。一気に読了に至った。 失って分るものの大切さ、人によって異なる人生の幸せと、 根底に流れるメッセージは、極めて重い内容。
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ちょうど、私が短期留学してた5年後の懐かしい北京が出てくる。留学先では、北京を「ペイチン」と発音する満族の老師に習い、漢族や回族の老師も同じ卓を囲んでいた。 楽しい思い出だが、旅行気分の何も見てない滞在だったなぁと思う。 「退屈」ですらある日常や自分の人生が、あっという間に崩れ...
ちょうど、私が短期留学してた5年後の懐かしい北京が出てくる。留学先では、北京を「ペイチン」と発音する満族の老師に習い、漢族や回族の老師も同じ卓を囲んでいた。 楽しい思い出だが、旅行気分の何も見てない滞在だったなぁと思う。 「退屈」ですらある日常や自分の人生が、あっという間に崩れていく怖さ。ページを進む毎に深みにはまるようで、最終的には悪魔に出会う。 読後感が明るいのは、それを経験した主人公の「覚悟」が伝わるからかな。
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ウザい友人を恋人を利用して嵌めたら、悪意の連鎖でみんなが不幸になった話。 すいすい読めたが、ストーリーの背景が薄いというか弱いというか、説得力を感じなかった。 食べ物の描写はそそられたけど、話自体は自業自得じゃん!としか思えず。オチの一撃でこのタイトルはどうなんだろう。
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導入はあらすじに書かれた通りで、その後はタイトルからもわかるように北京から先を西へ西へ、砂漠へと向かうロードムービー的小説。青春ものと言ってしまうのははばかられるが、平凡な若者がある過ちをきっかけに苦境に立たされ、旅の途中で出会う人々や事件を経て変わっていくという成長物語で、読後...
導入はあらすじに書かれた通りで、その後はタイトルからもわかるように北京から先を西へ西へ、砂漠へと向かうロードムービー的小説。青春ものと言ってしまうのははばかられるが、平凡な若者がある過ちをきっかけに苦境に立たされ、旅の途中で出会う人々や事件を経て変わっていくという成長物語で、読後はなぜか爽やかなようなぞっとするような気持ちにさせられた。 ストーリーはとても面白かった。ただ、主人公が自分の心情や周囲の出来事から推察される背景などをほとんど皆まで語るので、読者側が空想を膨らませて楽しむ余地があまりなかったのが残念だった。頭をひねらずに済むから内容の割にさらっと読める、とも言える。 展開に無理がある、という意見もあるようだけれど、ある程度中国事情を知っている人間からするとそんなに違和感はないような気もする。ヤクザの描写は映画やドラマのイメージに近かった。 物語のテーマがどこにあるのか(中国の社会問題なのか、ロードムービーなのか、主人公の苦悩と変化なのか、因果応報ということなのか…)分かりにくいのはそういう演出なのか? 全くどうでもいいが、驚いたのは、帯に書かれた「200頁目で唖然、300頁目で呆然」(だったかな?)というあおり文句。読了後に開いてみると本当にちょうど200頁目と300頁目が物語の転機となる重要なシーンだった。意図して製本したのか、偶然なのか。
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身の周りだけの出来事から、日本を出て中国へ。個人の辛さから社会的な辛さへ、国のありかたの辛さもあって大きな話になっていく。悪魔って……
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