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教場(1) の商品レビュー

3.4

266件のお客様レビュー

  1. 5つ

    24

  2. 4つ

    86

  3. 3つ

    109

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2025/01/05

『教場』は、2013年ミステリーベスト10の第1位になった短編ミステリ小説。 あっさり展開のなかに「え?」と思わせるトリックがあって、とっても面白かった! 著者の長岡弘樹氏は山形県在住。 文体や展開に派手さはなく、物語の核心をトリックに置いているところも、警察モノなのも、横山秀...

『教場』は、2013年ミステリーベスト10の第1位になった短編ミステリ小説。 あっさり展開のなかに「え?」と思わせるトリックがあって、とっても面白かった! 著者の長岡弘樹氏は山形県在住。 文体や展開に派手さはなく、物語の核心をトリックに置いているところも、警察モノなのも、横山秀夫臭がぷんぷんして、こういう物語は好きだ。 教官の風間公親が、警察学校で起こる事件をそれとなく解決する物語で、ドラマ版だとキムタクが演じているからオーラたっぷり。 原作小説では、まるで風のようにやってきて、事の真相をあっさりと見抜く、冷徹なのか紳士的なのか本性がよくわからない正体不明の白髪教官といった感じ。 この風間、一見すると何の前触れもなく真相を見抜いているようだけれど、ちゃんと観察を重ねた結果真相に辿り着いている、名探偵ホームズ的なキャラクターになっている。 ただ、コナン・ドイルほどその手腕をおおっぴらに解説しないので、地味なまま、ん?結末どうなった?という感じで物語が閉じられる。と思うと次の物語で前回のオチが示されるという、なかなか凝った構成。 長岡氏がインタビューで紹介していた、逢坂剛の『カディスの赤い星』や、船戸与一の『山猫の夏』も読んでみたいな。

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2024/12/29

ドラマを見た後だったので、風間教官は完全に木村拓哉さんを思い浮かべていました。ドラマにはなかったであろう出来事などもあり、楽しめました。日本の治安を守ってくださっている警察官の方々への敬意がより大きくなりました。

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2024/11/16

 様々な人間の集まる警察学校の風間学級、そこで起きる想像を絶するような事件の数々――一風変わった視点から警察官の卵たちの裏側を垣間見る一冊です。  落ち度があれば退学、そのような極限の中で警察学校初任科第九十八期短期過程の生徒たちは自らを鍛え、精神を鍛え、忍耐を鍛え、自分という...

 様々な人間の集まる警察学校の風間学級、そこで起きる想像を絶するような事件の数々――一風変わった視点から警察官の卵たちの裏側を垣間見る一冊です。  落ち度があれば退学、そのような極限の中で警察学校初任科第九十八期短期過程の生徒たちは自らを鍛え、精神を鍛え、忍耐を鍛え、自分というものに向き合っていく。短編オムニバス形式で続いていく物語は、ひとりひとりの物語であると同時に第九十八期の『風間学級』の物語とも言える。過剰なまでのしごき、いじめ、スケープゴート、意地と見栄と信頼と裏切り。閉じられた空間だからこそ加速するそれらは、不適格者を篩から落とすためのものなのか、見込みのある者を残すためのものなのか。そうして卒業を迎える彼らを、教官はどのように見ているのか。風間教官の元を生徒たちは巣立ち、また次の生徒たちがやってくる。  本当にこの話にあるようなことが現実に起きていたら、自衛隊のしごきどころではないなと思ってしまうような内容でした。あくまでフィクション。そう思えども、このような内容で話が書けるということは、もっとオブラートに包んだとしても何かしらの事件はあったりするのかもしれません。  警察官を目指す。それがどういうことを指すのか、どの方向の警官を目標にしているのかによってどんな違いがあるのか、あまり今まで深く考えたことはありませんでしたが、改めて興味をそそるような内容でした。警察学校の日常の話は、過酷な中様々な教練や座学に勤しんできた人が警官になれるのだなと納得もしましたが、閉じられた場所であるからこその闇が見えた気がします。精神的に追い詰められた相手は何をするか分からない、とはよく言いますが、それが一見とんでもない内容であるのにもしかしたらそういうことがあるのかもしれない、と思わせるような妙なリアルさがあって、読みながらぞわぞわしました。正直、射撃場のイヤーマフラーが一番怖かったです。  ミステリーというより、本質的に一番怖いのは『人間』なんだなと思わされる一冊だったように思います。  より強く、より深く、職務に向かっていくためには、ただ憧れているだけでは弱いのだろうと感じさせられました。  シリーズ作のようなので、また良い時期を見て続編を読んでみたいです。

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2024/11/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ドラマを観てからやっと小説を読んだ。 これは逆の順番で読めばよかった。小説だけでももちろん謎があって面白いが、でも、ドラマの方がよりミステリアスで緊張感がある。だからこそ小説は結末を知らない状態で読めたらもっと楽しめたのに...。 警察学校の実態を知らないけれど、読めば読むほど、特殊で厳しい世界なんだなと感じました。

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2024/07/30

警察官になるための訓練学校の話。 様々な生徒が巻き起こすトラブルの短編集みたいな本。 警察学校はパワハラに満ち溢れ、覚えることもたくさん。大変そう

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2024/04/14

憧れだけでは務まらない。どの職業もそうでは無いかなと思います。 過酷な状況を乗り越えて、警察官になった人たち。 やっぱりカッコいいなと思います。 ドラマの方が風間の思いや行動の理由がよくわかるかなと思いましたが、エピローグを読んで彼の人間らしい部分が感じられてよかったです。

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2024/03/28

風間公親の好きな言葉は、吾能弭謗矣(われよく謗りをとどめたり)、意味は、私は国民非難を防ぎ止めた と言う意味だそうです。

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2024/03/12

警察学校って生徒40人程度なんだー。 教官ってこんなに意地悪なんだー。 生徒同士もこんなにギクシャク仲悪いんだー。 小説だからこれが全部現実ではないんだろうけど、近からず遠からずなんだとしたら、あまりにも殺伐とした環境であることにショック。 警察官ってもっと市民のヒーローであって...

警察学校って生徒40人程度なんだー。 教官ってこんなに意地悪なんだー。 生徒同士もこんなにギクシャク仲悪いんだー。 小説だからこれが全部現実ではないんだろうけど、近からず遠からずなんだとしたら、あまりにも殺伐とした環境であることにショック。 警察官ってもっと市民のヒーローであってほしい。憧れの存在であってほしいし、憧れて警察学校に入学して欲しい。憧れて何が悪いんだろ。「憧れて入学したやつは今すぐ退学しろ」って身も蓋もないなー。 小説の話の展開としては、登場人物や場面がコロコロ変わるから、誰のどんな話に変わったのかついていくのが大変。 帯に「全てが伏線」ってあるけど、そんなに伏線あったかなー。ドラマ化までされてるんだしさぞやワクワクさせてくれるのだろうと、勝手に期待しすぎた。

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2024/02/10

Amazonオーディブルで聴いた。 ドラマは見てない。 なるほど。こういう感じなのね。 話ごとに主観キャラが変わる短編集はあんまり好きじゃない…。 しかも出てくるのが問題のあるやつ、というか、犯罪者ばかり(ミステリみたいな話だから仕方ない)。 ドラマを見てないんだけど、ドラマの...

Amazonオーディブルで聴いた。 ドラマは見てない。 なるほど。こういう感じなのね。 話ごとに主観キャラが変わる短編集はあんまり好きじゃない…。 しかも出てくるのが問題のあるやつ、というか、犯罪者ばかり(ミステリみたいな話だから仕方ない)。 ドラマを見てないんだけど、ドラマのイメージで勝手に風間がイヤ〜〜なやつだと思ってたら、風間はいい人ジャン。 学生がヤバい。 仕返しをする奴らが陰湿すぎて胸糞悪くなる。 毎話、最後が唐突に終わってイラっとした。 もう少しちゃんと顛末を語ってほしい。 続編は聴かないかな〜。

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2024/01/30

警察学校の話しではあるが、面白いような面白くないような…微妙な流れが続く。 なんというか、人間の陰湿な嫌な面が全面に表現され、警察官=清廉潔白 のような私個人の勝手な先入観と矛盾していたからなのか? 風間教官のなんとも言えない不気味な存在感もまたしても微妙。 最後の結末が無か...

警察学校の話しではあるが、面白いような面白くないような…微妙な流れが続く。 なんというか、人間の陰湿な嫌な面が全面に表現され、警察官=清廉潔白 のような私個人の勝手な先入観と矛盾していたからなのか? 風間教官のなんとも言えない不気味な存在感もまたしても微妙。 最後の結末が無かったら後味の悪いままに終わってしまったと思うが、全体の陰鬱な雰囲気を一気に吹き飛ばしてしまう爽快感を最後には感じだ。 だから、次も読んでみる! もしや、作者の術中にハマっているのかな!?

Posted byブクログ