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女性官僚という生き方 の商品レビュー

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6件のお客様レビュー

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2023/11/01

国家公務員という激務のなかで葛藤する女性官僚たち。現場の実体験をもとに、いかに大変であったかと改めて理解させられるが、それでも、彼女たちが一様に仕事に楽しさ、やりがいを感じているということも興味深かった。民間企業よりも、産休や育休をとっても復帰しやすい環境があることを気付かされた...

国家公務員という激務のなかで葛藤する女性官僚たち。現場の実体験をもとに、いかに大変であったかと改めて理解させられるが、それでも、彼女たちが一様に仕事に楽しさ、やりがいを感じているということも興味深かった。民間企業よりも、産休や育休をとっても復帰しやすい環境があることを気付かされた。男性中心の社会を構築してきたツケは、少子化や女性活躍が必然となっていく状況では、社会制度や仕組みの再構築が必要だと感じる。出産の大変さや家事、育児、また親の介護など、女性に頼ってきた男性こそは、自己の置かれた立場から自省すべきでは、と思う。 これから、社会に巣立つ女性にとって、国家公務員は魅力的な仕事であり、他では得られない満足感を得ることができるという意味で、いい参考になると思うし、女性だけでなく、本当の意味での働きやすい社会ができていくことを期待したい。

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2019/03/26

男女雇用機会均等法が施行されてすで30年以上も経過。しかし、働く女性たちの環境は、先進諸国に比べると、いまだに・・・という現状。とはいえ、世代が進むごとに少なからず新たな世代から変化の兆しがみられる。本書は、中央省庁に勤務する女性キャリア官僚の働き方、子育てと仕事の両立の仕方・実...

男女雇用機会均等法が施行されてすで30年以上も経過。しかし、働く女性たちの環境は、先進諸国に比べると、いまだに・・・という現状。とはいえ、世代が進むごとに少なからず新たな世代から変化の兆しがみられる。本書は、中央省庁に勤務する女性キャリア官僚の働き方、子育てと仕事の両立の仕方・実践などが、紹介されている。 本書に「霞が関から、日本が変わる?」とあるように、こうした波が全国のあらゆる組織に波及していってほしいと願う。やる気のある女性、その才能や能力のある女性たちの意欲を削ぐべきではないのは言うまでもないこと。

Posted byブクログ

2019/03/02

いろんな省庁・官庁で働く女性キャリア官僚の人たちのワークライフバランスを紹介している。どっかの息がかかってできあがった本なのと勘ぐってしまうんだけど、紹介されている皆さんが、自分の仕事に誇りをもち、(もともとの汎用性豊かな能力をもっているからなんだろうけど)仕事楽しみ育児やプライ...

いろんな省庁・官庁で働く女性キャリア官僚の人たちのワークライフバランスを紹介している。どっかの息がかかってできあがった本なのと勘ぐってしまうんだけど、紹介されている皆さんが、自分の仕事に誇りをもち、(もともとの汎用性豊かな能力をもっているからなんだろうけど)仕事楽しみ育児やプライベートライフの両立にも果敢に挑んでいる感じが印象的だった。世代が下るにつれ、超人的に頑張らなくても無理なく両立できるようになってきていることがうかがえた。 一方で、ひと世代前は親の力を借りて仕事と育児の両立をしていたのが、最近の現役子育て世代は夫婦でやろうという傾向になっているというのはちょっと(現役世代のほうが甘ちゃんで使えるものは親でも使えって感じだろうと思っていたので)意外な気がしたんだけど、それだけ霞が関の働き方が変わってきてたり夫たちが協力的になってきているということなのかも。 ちょっとなるほどと思ったことも書いておこう。警察庁にキャリアで入った女性がお茶くみをしていた。それは女も男も下っ端がやるのが当然だったからという話。そういう軍隊的な?体育会的な?世界ってわりとそういうものかもと思った。かえって文化部的な世界のほうが、平たいようで性別が巣食っているいることがありそう。

Posted byブクログ

2016/08/24

「個人」を犠牲にしながら「組織」に貢献する時代はいい加減に終焉を迎えなければならない。これは個人としてのケッタクソで言うわけではなく、本書の中でも何度も出てくる「持続可能性」を考えてのこと。 女性が活躍ができる社会とは、男性の働き方も変わる社会といえる。性別の違いを超えて、真に...

「個人」を犠牲にしながら「組織」に貢献する時代はいい加減に終焉を迎えなければならない。これは個人としてのケッタクソで言うわけではなく、本書の中でも何度も出てくる「持続可能性」を考えてのこと。 女性が活躍ができる社会とは、男性の働き方も変わる社会といえる。性別の違いを超えて、真に人間が働きやすい、生活しやすい国を構築していかなければ、この国の「持続可能性」を見出すことは困難を極める。 国家公務員として働く女性たち、特に本書に出てくる方たちには、この国の持続可能性の兆しのようなものを感じた。

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2016/07/10

厚労省の村木前次官から「霞ヶ関の働き方改革の提言」を行った若手女性官僚まで、様々なタイプの女性官僚について、ドキュメンタリー形式で、これまでの歩み、仕事の面白さ、家庭や子育てとの両立の課題等が語られている。 国家公務員を目指す女性、現役の女性国家公務員はもちろん、男性国家公務員(...

厚労省の村木前次官から「霞ヶ関の働き方改革の提言」を行った若手女性官僚まで、様々なタイプの女性官僚について、ドキュメンタリー形式で、これまでの歩み、仕事の面白さ、家庭や子育てとの両立の課題等が語られている。 国家公務員を目指す女性、現役の女性国家公務員はもちろん、男性国家公務員(志望者)にとっても非常に有益な内容だと思う。また、国家公務員に焦点が当てられているが、ワーク・ライフ・バランスを考えるうえで普遍的な示唆にも富んでいると感じた。女性官僚という切り口ではあるが、いろいろな人生を垣間見れたという意味でも非常に面白かった。

Posted byブクログ

2016/02/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

大野の経験上、公務員の方は結婚されてもそのまま退職せず、同じ職場で働かれている方が多いと感ずる。日本では昔から「結婚後は女性は家庭に入って、専業主婦をして夫を支える」という考え方が主流であった。しかし、いまは安倍総理の「一億層活躍社会」等、女性、高齢者、障害者などにも継続して就労させようという考えに変わってきている。 この考えは凄ぶる妥当な考え方なのだ。何故なら日本は「労働力人口の減少」時代に入り、上記のような方々にも労働市場で活躍してもらわないと日本は持たないのだ。 そのような考えをいち早く危惧してきた方々が、「霞が関のお役人さんたち」であることはあまり知られてないのではないか?そのような事に興味・関心を持った方に是非本書を読んでもらいたくて、このブログを書くことに決めた。 この本はそのような女性官僚の生きざまに密着した本であり、その獅子奮迅振りには、皆さんも圧倒されるであろう。(本書には約15名の女性官僚の意見・主張が掲載されている) なにせ、皆さんもご存知の通りであるが、官僚さんは日々徹夜という方が多い。(なんと皆さん始発で自宅に帰り、朝通勤ラッシュが終わったころ登庁するといった日々なのだ) それでも、この本に載っている皆さんは生き生きとして輝いている。何故なら、官僚の方はいい意味で仲間意識が強く、同僚が困っていると自ら助け船を出すといった方々ばかりなのだ。 官僚には「天下り批判」というのもあるのだが、本書を読んだ感じからすると、彼ら彼女らには、それ位の褒賞が与えられてしかるべきだと思った。 何故なら、人間と言うものは体力的に調子が良いときは、正常な判断ができるのだが、調子が悪い時には、優れた判断が出来かねるものだ。官僚と言う激務の中でそれらをやり通している彼らの能力は極大で、どこに行っても通用する、知識・知能・経験を持ち合わせていると感ずるからである。そのような人物は広く日本国で活用されるべきであると私は考える。 とこのように手放しで官僚(特に女性官僚)を誉めざるを得ない事柄がこの本にはワンサカと載っている。共通することは皆さん、「その時々できる、めいいっぱいの努力をされている」ことだ。 その中で前厚労次官・村木厚子氏が語った官僚の仕事の本質を2、3挙げて、このブログを置かせてもらう。 まず「公務員の仕事は翻訳」であるということだそうだ。「国民の意見やニーズ、希望を政策に落とし込む”翻訳”のような仕事」であるとのことだ。 「国民のいろんなニーズは暮らしや社会生活の中にある。それをどう政策の中に落とし込んでいくかという楽しみがある。しかも野放図に作れるのではなく、多くの制約がある。予算と人員といった制約、利害対立。そのような制約の中で一番良い解を見つけるのが難しく楽しいところである」と仰られている。 そして出世の醍醐味についてこう語る。「出世と言うものは階段を上るというもの。遠く広く見渡せるようになること。責任と権限が出来て自分が意思決定に関わることが可能になり、やりたいことができるというパスポートが手に入るというようなもの」だそうだ。 出世し課長にでもなれば、講演する機会も増える。講演の効用として「製品をエンドユーザーに紹介し、その製品に対する顧客の要望を直接聞けること」とのこと。だから出世をすると「より多くの人と出会う機会が出来、そのような方々と「製品の仕様」について「これはこうしてください」と意気投合することが多くなり、そのためには「あなた、大きなハンコを持ってきてください」となる。このようなと意味において出世する意義が見いだせるとしている。 昇進について村木さんが強調するのが「普通」、「当たり前」ということである。結婚し、子供を産むのも普通に。昇進していくのも男性と同様に当たり前に。国家公務員の場合このような「普通」「当たり前」が大きい。少なくとも建前では「普通に」「当たり前に」行われているとのことだ。 このブログを見た若い女性の方で、我こそはと思われる方、是非官僚を目指してほしい。昨今、官僚には芳しくない事柄が伝播しているが、そのような事は全くないと言ってよいだろう。私は村木さんに「官僚を信じないで誰を信ずるの~?」と言われました。ごもっともです。村木さんを始め女性官僚の皆さん、これからも輝き続けて下さい。

Posted byブクログ