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2時間で走る の商品レビュー

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2019/10/23

人類が挑むフルマラソン2時間の壁。なぜアフリカ勢は強いのか?偉大な選手たちの家庭環境と練習環境は?高騰する賞金、ドーピング問題まで、マラソン競技の過去をたどり最前線まで丹念に取材した傑作。(帯) めっちゃ面白い。 主に取り上げられているジョフリー・ムタイ選手の経歴だけでもすこぶ...

人類が挑むフルマラソン2時間の壁。なぜアフリカ勢は強いのか?偉大な選手たちの家庭環境と練習環境は?高騰する賞金、ドーピング問題まで、マラソン競技の過去をたどり最前線まで丹念に取材した傑作。(帯) めっちゃ面白い。 主に取り上げられているジョフリー・ムタイ選手の経歴だけでもすこぶる読ませるけれど、彼に至る東アフリカ選手、そしてマラソンという競技の歴史も記されており、自然とマラソン史を吸収できる。 読み終わった後、マラソンを見る、もしくは実際に自身で走りたくなってくる一冊だった。

Posted byブクログ

2017/04/23

近年、アディダスやナイキといったスポーツメーカー、そして研究機関等がマラソンの2時間切りを現実のものとするべく、"サブ2"をテーマに据えたプロジェクトへの取り組みを始めていると、しばしば見聞するようになった。 本書はそういった動きに焦点を当て、多角度から論じて...

近年、アディダスやナイキといったスポーツメーカー、そして研究機関等がマラソンの2時間切りを現実のものとするべく、"サブ2"をテーマに据えたプロジェクトへの取り組みを始めていると、しばしば見聞するようになった。 本書はそういった動きに焦点を当て、多角度から論じているものなのかな…、と思いつつページを開いたが、もちろんそういった箇所もあるものの、大半はマラソンのこれまでの歴史の振り返りであったり、主として取材しているジョフリー・ムタイを始めとするトップランナーたちの等身大の姿であったりといった内容。 肩を透かされた思いはちょっとだけあるが、でもケニアやエチオピアのエリートたちが生み出されていく過程の真実や、テレビで観ているだけでは決して分からないレース中および前後の駆け引きややり取り等の描写は非常に読み応えがある。 特に所属チームに付随する事情やペースメーカーを巡る交渉等で描かれる、金銭にまつわるあれこれはやはり生々しく、ここまで書いていいんだろうか、と少し思ったり。 東アフリカのトップ選手たちは、生まれながらにして遺伝子や環境に与えられた天賦の才のみに拠ってあれだけのポジションにいるんじゃないか、彼らがもっと緻密なトレーニングに取り組んで限界まで努力をすればさらにタイムは短縮できるんじゃないか、なんて私は無根拠にこれまで考えていたような気がするが、もちろんそんな馬鹿なことは実際にはなくて、彼らは既に高度な科学に基づいて組み上げられたトレーニングプランに則って厳しい練習メニューをこなし、また幼少期からのハングリーさも影響していると言える、いわゆる根性も十二分に備えており、精神的にも追い込むシヴィアな毎日を送っているのだ、ということがよく分かった。 ステージはどこであれ、生活の中にランニングの習慣を取り入れている人にとっては一読の価値があると思う。 果たして生きているうちにサブ2を見ることはできるのか? 構成面では、時系列も登場人物も行ったり来たりするところが多々あって若干読み難いと感じたので、もう少し工夫する余地があったのかもしれない。

Posted byブクログ

2016/05/16

マラソン中継を見たくなる,という朝日の書評そのままの感想を抱く本だった。ほんと,見てみたくなる。増田明美の開設も以外と良かった。

Posted byブクログ

2016/07/27

スポーツの記録は破られるためにあるが、人間の肉体には限界があるのだから、記録にも限界はあるのだろう。世界記録が更新され続けるマラソンにも限界はあるのか。人間は42.195kmを2時間で走ることはできるのか。本書はその可能性を追求する。 現在のマラソン界を引っ張るのはケニアなどの...

スポーツの記録は破られるためにあるが、人間の肉体には限界があるのだから、記録にも限界はあるのだろう。世界記録が更新され続けるマラソンにも限界はあるのか。人間は42.195kmを2時間で走ることはできるのか。本書はその可能性を追求する。 現在のマラソン界を引っ張るのはケニアなどのアフリカ勢だ。幼いころより、交通機関がなく、酸素の薄い高地で育った彼らが走力を身につけることは自然なことだが、それだけで説明できることだろうか。また、ランナーはレース前に何を考え、レース中にどんな駆け引きをしているのか。優れたランナーはどんな報奨を得るのか。 こうしたマラソンの文化、歴史を紹介しつつ、ケニア人の国際的ランナー、ジョフリー・ムタイの生き様を追ったノンフィクション。 現在では100m走で10秒を切るのは当たり前。となれば、マラソンでも2時間を切るのは当たり前という時代が来るのだろうか。

Posted byブクログ

2016/03/27

2011年ボストンマラソンで圧倒的な未公認(コースの高低差による)世界記録2時間3分2秒を出したジョフリー・ムタイを中心に、サブ2に近づきつつあるい現在の男子マラソン業界を過去の歴史を交えて俯瞰する。他の作品と違うのは、今のトップ選手キメット、キプサング、マカウあるいはゲブレシラ...

2011年ボストンマラソンで圧倒的な未公認(コースの高低差による)世界記録2時間3分2秒を出したジョフリー・ムタイを中心に、サブ2に近づきつつあるい現在の男子マラソン業界を過去の歴史を交えて俯瞰する。他の作品と違うのは、今のトップ選手キメット、キプサング、マカウあるいはゲブレシラシエなどにも密着して、彼らの生い立ち、練習環境あるいは東アフリカのドーピング状況(ロードバイクと比べ非常に初歩的)にも入り込んでいる点がある。1kmダッシュ20本を未整地でグループを作って行う。リーダーが遠征で稼ぎつつ仲間及び自分の一族も養っていくそのようなバックグラウンドで、多数の世界記録保持者がケニヤ特にカレンジン族の中で育成選抜(西洋のトレーナーなどに)されていく。細長い足など遺伝的な要素もあるかもしれないが環境の要素も大きいと思われる。また、その中で金や酒に溺れるものも出てきたり、いろんな争いに巻き込まれるケースも多々ある。ムタイ自体はボストンマラソンをピークに次のベルリンで優勝するも世界記録は出せず、ピークアウトしてしまった不運のランナーと言えるかもしれない(16/3現在現役)。

Posted byブクログ