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砂浜に坐り込んだ船 の商品レビュー

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14件のお客様レビュー

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2023/12/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 「治すのは身体の中から湧く力」、これは、そうだなと思います。「身体というのは究極の私物」「運命はそれ以上に私物」、この2つの言葉は、私にとってとても新鮮でした。言われてみると、そんな概念、理解できます。池澤夏樹「砂浜に坐り込んだ船」、2015.11発行、8つの短編が収録されています。

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2021/03/01

心臓がきゅーっとなるくらいの想いを内包した短編集 文体は軽めなのに味付けは濃厚 監獄のバラードが実体験に重なり忘れられない一作になった

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2021/02/16

砂浜に坐り込んで動けなくなった船は、まるで、不本意に亡くなった友人のように思え、 あんなに愛していた彼女を捨てた自責で自殺行に、 心の奥底に漂っている悲しみが、沈殿できずに流浪しているようだ

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2021/01/02

すぐ隣りにある死。 語りかけてくる死者。 死を思いつつ生きることが人生を深くする――。 札幌近郊の海岸で、砂浜に坐り込んだような姿で坐礁した大きな貨物船。 その写真を眺めていると、死んだ友人が語りかけてくる。 夫に先立たれた母と暮らし、旅と遊びが好きだった。 友人の苦しい晩年と、...

すぐ隣りにある死。 語りかけてくる死者。 死を思いつつ生きることが人生を深くする――。 札幌近郊の海岸で、砂浜に坐り込んだような姿で坐礁した大きな貨物船。 その写真を眺めていると、死んだ友人が語りかけてくる。 夫に先立たれた母と暮らし、旅と遊びが好きだった。 友人の苦しい晩年と、行方の見えない自身の現在を描く表題作など、生と隣りあわせにある死を描いて、人生の奥深さ、底知れなさに触れる全8篇。 (アマゾンより引用) この人の物語、あと一冊読んで面白くなかったらもうこの人の本は読みたくない

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2020/06/23

"今の彼の喪失感を想像しようとして、それは想像してはいけないことだと気づいた。想像が届くことではない。それならばその部分は空白にしておいた方がいい。"(p.27) "悩みが深い時に欲しいのは助言ではない。ただ聞いてくれる相手だ。"(p....

"今の彼の喪失感を想像しようとして、それは想像してはいけないことだと気づいた。想像が届くことではない。それならばその部分は空白にしておいた方がいい。"(p.27) "悩みが深い時に欲しいのは助言ではない。ただ聞いてくれる相手だ。"(p.37) "力がないんじゃなくて、その気持ちがないんでしょ。"(p.166)

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2020/02/27

短編の作品毎に色が違う。 ちょっと作品に入り込むには自分の知識が不足している。 しかし最後のマウント・ボラダイルへの飛翔は背景を理解してもう一度読みたいと思った。 mt. borradaileをもっと詳しく知りたいと思った。

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2019/01/29

津波がやってきて、街をさらっていきました 海はみんなを持っていったけど、遠い異国の植物の種を残していきました なんかそんなかんじ

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2018/01/13

東日本大震災後の悲しみや、人の心の立ち直りを思わせる短編集。表題作の、死者との会話には「マシアス・ギリの失脚」のリー・ボーを思い出した。現実にはない不思議な話が多いけど、静かな筆致でナチュラルに描かれている。

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2016/08/02

既に亡くなった人が現実にそこに現れて一緒に何かを楽しむ場面が頻出する,なにかほんのりした読後感が味わえる面白い短篇が8つ.どれも面白かったが,病床にある父・高彦が美術品を所望して,それを何とかして誂える話の「イスファーンの魔神」が良かった.著者の広範な知識に裏打ちされた数多くの引...

既に亡くなった人が現実にそこに現れて一緒に何かを楽しむ場面が頻出する,なにかほんのりした読後感が味わえる面白い短篇が8つ.どれも面白かったが,病床にある父・高彦が美術品を所望して,それを何とかして誂える話の「イスファーンの魔神」が良かった.著者の広範な知識に裏打ちされた数多くの引用があり,いくつかは気が付いて楽しめたが,まだまだ隠されているのではと推測した.

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2016/05/30

「あの日を忘れない」イベントに参加させてもらったときに先ず手に取ったのが池澤さんの「春を恨んだりしない〜」 未曾有の惨事に多くの表現者たちが声を失うなかいち早く理系出の小説家が震災を多面的に捉えた一冊は読み応えがありいろいろなことを見つめ直す機会を与えてくれた。 そして今回は意識...

「あの日を忘れない」イベントに参加させてもらったときに先ず手に取ったのが池澤さんの「春を恨んだりしない〜」 未曾有の惨事に多くの表現者たちが声を失うなかいち早く理系出の小説家が震災を多面的に捉えた一冊は読み応えがありいろいろなことを見つめ直す機会を与えてくれた。 そして今回は意識して選んだわけでもないのだが震災後に生と死をあくまでも文芸という技法に拘りぬいて描かれた短編集。 どの作品にも死者があらわれ私と対話をするのだがそんななかでも死者が被災した村となる「苦麻の村」が良い…じっくりと時間をかけて読みたい一冊である

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