もう戦争がはじまっている の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
辺見氏はA首相・政権・取り巻きの輩を蛇蝎のごとく嫌っている。そこまで述べて大丈夫なの、と読者である私たちが不安を覚えるほど徹底的に口を極めて罵倒している。それほど然様に現在のA政権の為すことは、国民を愚弄したり棄民に貶めたりしているのだ。マスコミも同調圧力に屈して、追従の記事ばかり。もっと勇気のある気骨のあるものを報道しろと言いたい。
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自問自答 それも深く自問自答しながら 読ませてもらえる作家の一人です この国は一体どこにいこうとしているのだろう この国は一体どうなってしまったのだろう この国は… 保坂正康さんが言っている 今は戦争と戦争の「戦間期」に入っているのだ が 重く実感させられてしまいます
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単独者―。 辺見庸さんを一言で表現すれば、こうなるでしょう。 むれない、こびない、まつろわない。 辺見さんの文章には「空気を読んだ」形跡がまるでない。 ずいぶん長いこと辺見さんを仰ぎ見るようにして追いかけていますが、一貫してそうです。 こんな作家は、同調圧力の強いわが邦にはまずい...
単独者―。 辺見庸さんを一言で表現すれば、こうなるでしょう。 むれない、こびない、まつろわない。 辺見さんの文章には「空気を読んだ」形跡がまるでない。 ずいぶん長いこと辺見さんを仰ぎ見るようにして追いかけていますが、一貫してそうです。 こんな作家は、同調圧力の強いわが邦にはまずいないのではないでしょうか。 信頼できる作家です。 本書は、集団的自衛権行使を容認する閣議決定から安保法制制定へ向けた動きの中で書かれた論考集。 タイトルは辺見さんの見立てそのものです。 私は必ずしもそうは思いません。 ただ、国外の紛争地帯で「戦死」した自衛隊員の亡き骸の入った棺が空港に到着して、制服を着た隊員たちの手で恭しく運ばれていく映像を鮮明に眼裏に浮かべることはできます。 戦後、戦死者を1人も出さなかった70年という月日が経過して、そういう事態を、ある意味では許容する国になったということは認めざるを得ません。 辺見さんは安倍政権を舌鋒鋭く、時に品のない表現まで用いて批判します。 マスコミに対しても、たとえば「オーゴシ、きみはエヌステをやめて籾井のカバンもちか、内閣参与にでもなって、アベのケツでもぬぐっているのが天職だよ」などと、まるで容赦ない。 では、いわゆる「戦争法反対」とシュプレヒコールを上げるような組織にはシンパシーを感じているのでしょうか。 まるでそんなことはありません。 たとえば、「戦争をさせない1000人委員会」を「傲慢な〈無の形式〉」と一蹴します。 辺見さんは今日の事態に「連帯」して立ち向かおうなどとは決して考えません。 「戦うからにはこちらも相応に傷つくしかない」という悲壮な覚悟で(たとえばサヨクたちにそんな覚悟のある者は一人でもいるか!)、あくまで「単独者」として思索を巡らし文章を紡いでいきます。 それは、読んでいるこちら側にまで「痛み」が伝わって来るほどです。 辺見さんの著作を読むたびに思いますが、これからも追いかけようと思います。
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